はじめに
ウィシャート分布は、統計学および多変量解析の分野で使用される確率分布の一つです。具体的には、正定値対称行列に対する確率分布として知られています。
ウィシャート分布
定義
確率変数Wが自由度 νと共分散行列Σ を持つウィシャート分布に従うとき、
W∼Wp(ν,Σ)
ここで、Σ は p×p 正定値対称行列、ν は自由度を表す実数です。
ウィシャート分布の確率密度関数は以下のように与えられます:
f(W∣ν,Σ)=2(νp)/2∣Σ∣ν/2Γp(ν/2)∣W∣(ν−p−1)/2e−tr(Σ−1W)/2
期待値
ウィシャート分布の期待値は、自由度と共分散行列の積で得られます。
E[W]=νΣ
分散:
ウィシャート分布の分散の導出はやや複雑です。特に、各要素の分散と共分散を考慮する必要があります。
Var(Wij)Cov(Wij,Wkl)=ν(σij2+σiiσjj)=ν(σikσjl+σilσjk)
ここで、Wij : Wのi 行 j 列の要素、σij : Σのi 行j 列の要素
期待値の導出
まず、 x1,...,xni.i.d. Np(0,Σ) を用いてW=∑i=1nxixiT∼Wp(n,Σ) とかける。
p次元ベクトル xi(i=1,...,n) は平均0なので、Wの自由度がnであることに注意。(平均≠0のとき自由度はn-1)
E[W]=E[i=1∑nxixiT]=i=1∑nE[xixiT]=i=1∑nE[(xi−E[xi])(xi−E[xi])T]=nΣ
さいごに
分散がいまいち理解できていないので、わかり次第更新したいと思います。
参考文献
wikipedia “Wishart distribution” https://en.wikipedia.org/wiki/Wishart_distribution
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