[2024年] 量子コンピューターのハードウェア一覧
概要
量子コンピュータの中で現段階で実装されている実機の一覧を調査してまとめました。
量子コンピュータのハードウェアまとめ
一般に量子コンピュータは「量子ゲート方式」と「量子アニーリング方式」の大きく2種類に区分されます。
本記事では「量子ゲート方式」の実現している量子コンピューターの実機を紹介します。
紹介している量子コンピュータ
名称 | 方式 | qubit |
---|---|---|
Google Sycamore | 超伝導 | 54 |
Google Bristlecone | 超伝導 | 72 |
IBM Eagle | 超伝導 | 127 |
IBM Osprey | 超伝導 | 433 |
IBM Condor | 超伝導 | 1121 |
Atom Computing | 冷却原子方式 | 1180 |
理化学研究所 「叡(えい)」 | 超伝導 | 64 |
富士通+理化学研究所 国産量子コンピュータ2号機 | 超伝導 | 64 |
Novera QPU | 超伝導 | 9, 5 |
Ankaa-2 (rigetti) | 超伝導 | 84 |
Ankaa-9Q-1 | 超伝導 | 9 |
Aspen-M-3 | 超伝導 | 8 |
IonQ | イオントラップ方式 | 35 |
Gemini Mini | NMR | 2 |
Gemini | NMR | 2 |
Triangulum | NMR | 3 |
東京大学 光量子コンピュータ | LOQC | 3 |
XANADU 光量子コンピュータ | LOQC | 8, 12, 24 |
量子ゲート方式
超伝導方式 (superconducting)
Google Sycamore
Qubitの数: 54
量子超越[1]を達成したとして、話題になっていた量子コンピュータ。
参考文献
Google Bristlecone
Qubitの数: 72
参考文献
IBM Eagle
Qubitの数: 127
参考文献
IBM Condor
Qubitの数: 1121
2023年12月05日に発表されたもの。
IBMはCondorを開発するために、量子コンピューターの入力メカニズムとその出力の読み取り方法の改善に重点を置いたと述べており、量子ビット密度を50%増加させることで歩留まり率を向上したと報告しています。
Atom Computing Quantum Computer
Qubitの数: 1180
2023年10月に発表。
理化学研究所 国産量子コンピュータ初号機 「叡(えい)」
Qubitの数: 64
非商用利用、共同研究契約をベースに「量子計算クラウドサービス」からこの計算機を利用できる。
参考文献
富士通+理化学研究所 国産量子コンピュータ2号機
Qubitの数: 64
「Fujitsu Hybrid Quantum Conputing Platform」からAPIを経由してアクセスすることができると記載されている。
参考文献
Novera QPU
Qubitの数: 5, 9
webサイトをみると900kドル(= 約1.3億円)で購入が可能。
参考文献
Ankaa-2 (rigetti)
Qubitの数: 84
性能や各種ゲートの精度がrigettiのwebサイト上に記載されている。
Ankaa-9Q-1 (rigetti)
Qubitの数: 9
性能や各種ゲートの精度がrigettiのwebサイト上に記載されている。
Aspen-M-3
Qubitの数: 8
性能や各種ゲートの精度がrigettiのwebサイト上に記載されている。
Lucy (Oxford Quantum Circuits)
Qubitの数: Amazon Braketから利用が開始された2022年の2月28日時点で8qubits
参考文献
The Honeywell System Model H1
Qubitの数:10
参考文献
イオントラップ方式
IonQ
AWS Braketを通して利用することができる。
IonQは2015年にChris MonroeとJungsang Kimによって設立。当初は、New Enterprise Associatesから200万ドルのシード資金、メリーランド大学とデューク大学からの主要技術のライセンス、そして研究室から市場へとトラップされたイオン量子コンピューティングを導入するという目標を持って開発していた。
参考文献
シリコン量子ビット
理化学研究所 量子コンピューター研究センター 半導体量子情報デバイス研究チームがシリコン中の電子スピンによる量子ビットを測定結果に基づくフィードバック操作によって初期化する技術を開発したとのこと。
参考文献
NMR (核磁気共鳴)
Gemini Mini
Qubitの数: 2
中国・深センのSpinQ Technologyが開発。日本円にして約118万8000円から購入が可能。
参考文献
Gemini
Qubitの数: 2
中国・深センのSpinQ Technologyが開発。日本円にして約572万円から購入が可能。
参考文献
Triangulum
Qubitの数: 3
中国・深センのSpinQ Technologyが開発。日本円にして約792万円から購入が可能。
参考文献
光量子方式(Linerar optical quantum computer, LOQC)
光量子方式は超伝導方式、イオントラップ方式と比較して室温でも動作するという強みがある。
レビュー論文としてLinear optical quantum computingが存在する。
東京大学 光量子コンピュータ
Qubitの数: 3qubits相当
2023年7月、3個の光パルス(3量子ビット相当)で計算ができる独自方式の光量子コンピュータの開発に成功。
参考文献
XANADU 光量子コンピュータ
Qubitの数: クラウド上から8, 12qubits(参考文献にはもうすぐ24qubits)にアクセスできると記載されている。
参考文献
量子アニーリング方式
D Wave
参考文献
クラウドサービス
Amazon Braket
利用できる量子コンピュータ
- Rigetti
- Oxford Quantum Circuits
- IonQ
Google Quantum AI
IBM Quantum Platform
Microsoft Azure Computing
Quantum computing providers on Azure Quantumより参照
利用できるコンピュータが一覧にされている。
Target name | Number of qubits |
---|---|
IonQ Quantum simulator | 29 qubits |
IonQ Harmony | 11 qubits |
IonQ Aria 1 | 25 qubits |
IonQ Aria 2 | 25 qubits |
PASQAL Emu-TN | 100 qubits |
PASQAL Fresnel1 | 100 qubits |
Quantinuum H1-1 Syntax Checker | 20 qubits |
Quantinuum H1-2 Syntax Checker | 20 qubits |
Quantinuum H2-1 Syntax Checker | 32 qubits |
Quantinuum H1-1 Emulator | 20 qubits |
Quantinuum H1-2 Emulator | 20 qubits |
Quantinuum H2-1 Emulator | 32 qubits |
Quantinuum H1-1 | 20 qubits |
Quantinuum H1-2 | 20 qubits |
Quantinuum H2-1 | 32 qubits |
Rigetti Quantum Virtual Machine (QVM) | 30 qubits |
Rigetti Ankaa-2 | 84 qubits |
Rigetti Ankaa-9q-1 | 9 qubits |
wiki
List of quantum computerより引用。
各種ハードウェアが詳しくまとめられている。
-
Quantum supremacy using a programmable superconducting processor https://www.nature.com/articles/s41586-019-1666-5 ↩︎
Discussion