ユーザー数、セッション数、PV数、ランディング数の違いを理解しよう
ウェブサイトの分析を始める上で、ユーザー数 (Users)、セッション数 (Sessions)、ページビュー数 (PV: Pageviews)、そして ランディング数 (Landing Count) といった基本指標を正しく理解することは非常に重要です。
これらの用語が示す意味や計測方法をしっかり把握しなければ、BigQuery でデータを抽出するときや Looker Studio で可視化を行う際に、誤った分析をしてしまいます。
この記事では、指標の説明を行います。計測方法の解説は行いません。
セッションの概念をビジュアルで理解する
まず、セッションの概念を直感的に掴みましょう。
下図のような流れをイメージしてください。
ユーザー1がページA→ページB→ページCを閲覧
- ユーザーがサイトを訪れます(ページAを表示)
- ページ間を移動します(ページB、ページCへ)
- ユーザーが離脱してセッションが終了します
ここで重要なのは、「セッション」が一連の訪問行動をまとめた単位であるという点です。
(ここではまだ数値は示さず、「ユーザー1がページA→ページB→ページCへ移動した」程度の簡略なイメージ図を使うとよい)
基本指標の定義
セッションの概念をざっくり理解したら、次は具体的な指標を定義していきます。
ユーザー数(Users、UU)
定義: 一定期間内にサイトを訪れたユニークな訪問者数です。
同一人物が何回訪問しても 1ユーザーとしてカウントします。
ポイント: 「何人がサイトに関心を持って訪問したか」を示し、認知度や潜在顧客数の目安になります。
セッション数(Sessions)
定義: ユーザーがサイトを訪問してから離脱するまでの行動を 1つの「セッション」としてカウントします。
30分以上操作がなかったり、日付が変わるとセッションが切れる(リセットされる)ことが一般的です(GA4標準)。
ポイント: 同じユーザーが1日に複数回訪問すれば、セッション数はその回数分カウントされます。
「どれくらい頻繁にサイトが利用されているか」を示す指標です。
ページビュー数(PV数、Pageviews)
定義: ページが表示された回数です。
同じページを複数回読み込むと、そのたびに PV が増加します。
ポイント: 「ユーザーがどの程度サイト内を回遊しているか」「どのページが人気か」を把握する指標になります。
ランディング数(Landing Count、Entrances)
定義: セッションがどのページから始まったかをカウントしたものです。
特定のページが「入口のページ(ランディングページ)」となったセッション数を示します。
ポイント: どのページがユーザーの訪問開始点になっているかがわかれば、流入経路や入口ページとしての最適化(ファーストビューの改善、誘導設計など)に役立ちます。
サイト全体、 ページ単位で見るとどう違う?
同じ指標でも、「サイト全体で見る場合」と「ページ単位で見る場合」では数字の解釈が異なります。
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サイト全体で見る: 「サイト全体として、どのくらいのユーザーが来て、何度訪問し、何ページ見て、そのうちどのページが入口になったか」を総合的に把握します。
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ページ単位で見る: 「そのページだけに注目したとき、何人が見て、何回セッションがあり、PVはどれくらいで、そのページがセッションの入口(ランディング)になった回数はどれくらいか」を分析します。
実例で数値を確認する
以下の図は、実際にユーザーとページ遷移の例を示し、それをサイト全体・ページ別で見たときの数値例をまとめたものです。
このように、同じセッションやユーザー行動でも、
「サイト全体」 vs 「各ページ」 で見ることで異なる切り口のインサイトを得ることができます。
その他補足指標
これら基本指標に慣れてきたら、直帰率やエンゲージメント率など、「行動の質」を示す指標も合わせて見るとより深い分析が可能になります。
- 直帰率: 1ページだけ見てサイトを離れるセッションの割合
- エンゲージメント率(GA4): 一定時間以上の滞在やスクロールアクションなど、アクティブな行動があったセッションの割合
こうした指標を組み合わせれば、「多くのユーザーがページAから入り、長い時間滞在してくれている」「ページBは入口にもなるが、すぐ離脱されやすい」など、質的な改善点を見出すことが可能です。
まとめ
- ユーザー数、セッション数、PV数、ランディング数は、Web分析の基本となる指標で、それぞれが異なる観点を提供します。
- サイト全体で見るか、ページ単位で見るかで、数値の意味合いや活用の仕方が変わります。
- これらを理解した上でデータ抽出や可視化を行うことで、より的確な問題発見や改善施策の立案が可能になります。
次回は、これらの数値をBigQueryから取り出すために、BigQueryにエクスポートされているGA4のデータの形を学びましょう。
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