AIエージェント組織によるゲーム開発プロジェクトを試してみた。(JiraとConfluence連携もあるよ)
nishimoto265様が開発された「Claude-Code-Communication」ツールを使用して、AIエージェント5体でチームを組み、ゲーム開発プロジェクトを実践してみました。
実際に動かしてみると、想像以上に組織的な開発プロセスを実現できることがわかりました。本記事では、その実践過程と結果を詳しく紹介します。
AIエージェント組織の特徴
従来のチーム開発の課題
- コミュニケーションコスト
- スケジュール調整の複雑さ
- 個人の能力差によるボトルネック
- 感情的なコンフリクト
AIエージェント組織の利点
- 継続的な開発体制
- 明確な役割分担
- 客観的な判断
- 効率的な情報共有
使用ツール:nishimoto265様作成のClaude-Code-Communication
今回の実験では、nishimoto265様が開発・公開されている「Claude-Code-Communication」というツールを使用しました。このツールにより、複数のAIエージェントを組織的に連携させることが可能になります。
組織構成
- PRESIDENT:プロジェクト統括・顧客対応
- BOSS:チームリーダー・技術判断
- WORKER1-3:各専門分野の実行担当
技術スタック
- Claude Code:各エージェントのベースAI
- Tmux:マルチターミナル環境
- Jira:プロジェクト管理
- Confluence:ドキュメント管理
セットアップ手順
1. ローカル環境構築
git clone https://github.com/nishimoto265/Claude-Code-Communication.git
cd Claude-Code-Communication
$./setup.sh
🤖 Multi-Agent Communication Demo 環境構築
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[INFO] 🧹 既存セッションクリーンアップ開始...
[INFO] multiagentセッション削除完了
[INFO] presidentセッション削除完了
[INFO] 既存の完了ファイルをクリア
[SUCCESS] ✅ クリーンアップ完了
[INFO] 📺 multiagentセッション作成開始 (4ペイン)...
[INFO] ペインタイトル設定中...
[SUCCESS] ✅ multiagentセッション作成完了
[INFO] 👑 presidentセッション作成開始...
[SUCCESS] ✅ presidentセッション作成完了
[INFO] 🔍 環境確認中...
📊 セットアップ結果:
===================
📺 Tmux Sessions:
multiagent: 1 windows (created Sun Jun 22 20:12:26 2025)
president: 1 windows (created Sun Jun 22 20:12:26 2025)
📋 ペイン構成:
multiagentセッション(4ペイン):
Pane 0: boss1 (チームリーダー)
Pane 1: worker1 (実行担当者A)
Pane 2: worker2 (実行担当者B)
Pane 3: worker3 (実行担当者C)
presidentセッション(1ペイン):
Pane 0: PRESIDENT (プロジェクト統括)
[SUCCESS] 🎉 Demo環境セットアップ完了!
注意:環境によってはtmuxのインストールが必要です
2. セッション接続
# チーム用ターミナル(4分割)
tmux attach-session -t multiagent
# 統括用ターミナル
tmux attach-session -t president
3. MCP接続設定
$ claude mcp add --transport sse atlassian https://mcp.atlassian.com/v1/sse
Added SSE MCP server atlassian with URL: https://mcp.atlassian.com/v1/sse to local config
4. Claude Code認証
# President認証
tmux send-keys -t president 'claude --dangerously-skip-permissions' C-m
# 全Worker認証(一括)
for i in {0..3}; do tmux send-keys -t multiagent:0.$i 'claude --dangerously-skip-permissions' C-m; done
※テスト環境のため、自動実行のオプションを付与しています
上記セットアップが終わると以下のような画面になります。
<president>
<boss & worker>
実践:AIチームでのプロジェクト実行
プロジェクト設定
ウォーターフォール開発の工程をJiraチケットで管理:
- 要件定義
- 基本・詳細設計
- 実装
- 試験
AIプレジデントへの指示
<your-role>
あなたはゲーム作成の仕事を顧客である私から依頼され、四人の部下を統括してプロジェクトを遂行するpresidentです。私の思いを汲み取り、必要な情報が足りないと判断した時には適切に私へヒアリングする必要があります。
</your-role>
<my-will>
私は今、誰もが手軽に楽しめる(特別な知識を要求しない)ゲームを作成したいと思っています。
また、今回のゲームは最終的に公にWebサービスとして公開しようと考えていますが、ひとまずローカル環境で動くものにしたいです。
</my-will>
<how-to-manage-project>
・このプロジェクトの進捗管理はJiraチケットを用いて実施します。
要件定義から順に着手して、試験まで順番に実行していきます。あなたはpresidentとして各工程が終わったタイミングで私に報告し、次の工程に進むための許可を得る必要があります。工程が一つ完了したらそのチケットを都度クローズしてください。
・このプロジェクトの成果物はconfluenceにまとめます。
それぞれの工程でconfluenceに作成するドキュメントはJiraチケットを参照してください。
</how-to-manage-project>
AIチーム開発の様子
設計工程における彼らの動きを見てみましょう。
President画面:統括管理
最後のところで、bossに指示を送っているのが確認できるかと思います。
タスクの分解が彼の仕事というところでしょうか。
チーム作業:並列処理での開発
左上がbossでそれ以外がworkerです。workerにはbossから指示が行き、それぞれその指示に忠実に行動しているのがみて取れます。
報告フェーズ
各工程の完了時に、適切なタイミングで報告が行われました。
完成したゲーム
「15パズル」ゲーム
- シンプルで直感的な操作
- 見やすいUI設計
- 正常に動作する実装
技術的特徴
- HTML5 + CSS3 + JavaScript
- レスポンシブデザイン
- モバイル対応
成果物:プロジェクト管理の状況
Jiraチケット管理
全チケットが計画通り完了:
- 各工程の開始・完了が記録
- 担当者アサインも適切
- 進捗状況が可視化
Confluenceドキュメント
以下のドキュメントが作成されました:
- 要件定義書
- 設計書(基本・詳細)
- テスト仕様書
- 運用マニュアル
まとめ
今回、nishimoto265様作成の「Claude-Code-Communication」ツールを使用して、AIエージェント組織によるゲーム開発プロジェクトを実践しました。
優秀な個人がAI達を操って圧倒的な生産性で他を圧倒する、という時代の訪れを感じることができました。
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