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ユーザー削除後もデータを保持するための設計パターン
はじめに
多くのソフトウェアではユーザーを管理する機能があります。しかし、ユーザーを削除した際にそのユーザーに関連するデータも一緒に削除されてしまうと、後々のデータ分析や履歴の確認が難しくなります。この記事では、ユーザーを削除してもデータが消えないようにする方法について説明します。
ユーザー削除の設計パターン
ユーザーを削除する際に関連データを保持するための一般的な設計パターンとして、以下の方法があります。
- 論理削除 (Logical Delete)
- 関連データの匿名化 (Data Anonymization)
論理削除 (Logical Delete)
論理削除とは、ユーザーのデータを物理的に削除するのではなく、データベース上で「削除された」ことを示すフラグを立てる方法です。これにより、データはデータベースに残り続け、必要に応じて復元することも可能です。
実装例
- データベースにフラグを追加
ALTER TABLE users ADD COLUMN is_deleted BOOLEAN DEFAULT FALSE;
- 削除時にフラグを更新
UPDATE users SET is_deleted = TRUE WHERE user_id = ?;
- アクティブユーザーのみを取得するクエリ
SELECT * FROM users WHERE is_deleted = FALSE;
関連データの匿名化 (Data Anonymization)
ユーザーを削除する際に、個人を特定できる情報を匿名化し、関連データを保持する方法です。これにより、データのプライバシーを保護しつつ、統計的なデータは保持できます。
実装例
- ユーザー情報を匿名化
UPDATE users SET name = '匿名', email = 'anonymous@example.com' WHERE user_id = ?;
まとめ
ユーザーを削除しても関連データが消えないようにするためには、論理削除やデータの匿名化といった設計パターンを活用することが重要です。これにより、データの一貫性とプライバシーを保ちながら、ビジネス上の要件を満たすことができます。適切なデータ保持戦略を実施することで、組織全体のデータ管理が向上し、信頼性の高いシステムを構築することが可能になります。
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