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『RPGツクールMZ』の見逃されがちな操作

2020/12/02に公開

『RPGツクールMZ』関連記事 目次

ツクールフォーラムアドベントカレンダー Advent Calendar 2020 2日目の記事です。
前の記事は、まるまるさんの『Re:ゼロから始めるツクールMV講座』です。
次の記事は、神無月サスケさん『ツクールMZサンプルに込めた、MZの可能性とアピールポイント』です。


『RPGツクールMZ』をふつーに使ってても、なかなかわからない感じの操作をざっと並べました。
ツクール開発部さん@tkool_devがツイートしてたり公式フォーラムにまとめを作られてたりしますが、せっかく自分でメモったので公開したいと思います。
例えば、素直に消しゴムツールをつけてほしかったりするのですが、そういう改善要望というか愚痴はなるたけ書かない方針でいきます。
「こんなのも書いておけばいいのでは?」などご意見があれば、コメントなりツイッター(@tobishima)なりで教えていただければ追記します。

ショートカットキー

著者がMacユーザなので、基本的にMacでの操作方法で記述しています。
なのでWindowsでの操作については記述があやふやです。
Windowsユーザは適宜ご自分の環境に合わせて読み替えてください。

記号 Mac Win
command Ctrl
shift Sft
option Alt
return Enter

※この対応表からして、合っているのか自信ありません(笑)

全体的に

超重要 メニューの[ヘルプ]-[チュートリアル]は、絶対やっておいたほうがいいです。
ここで書いていることも出てきますが、やはり自分で手を動かして体験すると、だんぜん身につきます。

マウスポインタをしばらくボタンやリストなどのユーザインタフェース部品に置いておくと、ツールチップ(ポップアップヒント)が出ます。
このツールチップ表示はかなり徹底してあり、ほとんどの部品で表示されます、たまにショートカットキーの説明など有用な情報が入っていたりします。

超重要 かなり多くの場所でコンテキストメニュー(右ボタンメニュー)が使えます。メインメニューにないものも多いので、とりあえず右クリックしておいて損はありません。

そこそこキーボードに対応しているので、リスト表示などはカーソルキー(およびhome・end、scrollup・scrolldown)で移動して ↩ や space を押すと、わりとなにか起きます。
例えば音声を選択する場合はspaceで再生できます。
プラグインの ON/OFF は選択後 spaceで可能です(なぜか『RPGツクールMV』にあったコンテキストメニューから ON/OFF 操作がなくなっています)
多くの場面で、⇧を押しながら選択すると複数の項目が選択できて、まとめて[コピー]や[クリア]などができます。
超重要 ほとんどのリストは⌘Fで検索できるので、大量にデータ・素材がある場合はだんぜん便利です。
⌘Fが使える場面では ⌘G、⇧⌘Gによって[次を検索][前を検索]が可能です。(Windowsでは[次を検索 F3][前を検索 Shift+F3]らしいです)
大抵のダイアログでは、⌘↩で[OK]、escで[キャンセル]ボタンが選択できます。[適用]は…ショートカットキーがあったら教えてください。
テキスト入力欄にカーソルがない場合は、↩で[OK]が選択されるので、間違えて閉じないように注意。

前に使ったボタンなどの位置を割とツールが覚えています。
例えば[実行内容]の[イベントコマンド]は前回使ったコマンドが選択されているので ↩(またはspace)で即決定できます。

[文章の表示][文章のスクロール表示]と[移動ルート]の[プレビュー]は、F2キーで可能です。
ちなみにプレビューを閉じるのは escです。

クリックして開いた選択肢から選ぶプルダウンリストは、開かなくてもマウスホイールで選択可能です。
ただし「マウスホイールで選択できて便利」というより「知らないうちにマウスホイールで選択肢を変更していたのに気づかなかった」という場面が起きがちでバグの元なので注意してほしい、という意味の情報です。

マップエディタ

表示操作

  • ⌘ マウスホイールでマップビューの拡大縮小ができます。
  • ⌥ Tab でレイヤーの切り替えができます。⇧⌥ Tab で逆方向に切り替わります。(WindowsはCtrlらしいです)
  • 現在選択中のレイヤーは下の情報バーの右側に表示されます。
  • マウスホイールでマップのスクロールができます。左右方向にも対応したホイールだと左右にもスクロールできます。
  • 左右に対応していないホイールの場合、⇧を押しながらで左右方向にスクロールできます。
  • センターボタン(ホイール)を押しながらマウスを動かすとマップをスクロールできる、らしいのですがセンターボタンを持ったマウスを持たないので本当にそうかは分かりません。

マップタイルの操作

  • 左側のタイルパレットのタイルの上にポインタを置くと、ウィンドウ下の情報バー左側にタイルの説明が出ます。ただしタイル画像に対応したテキストファイル(画像ファイルと同じ名前.txt)が用意されていない場合、説明は表示されません。
  • タイルパレットの下の方をドラッグして、縦の長さを変更できます。
  • タイルパレットはクリックで1つのタイルが選択できますが、ドラッグして四角の範囲をまとめて選択もできます。
  • 超重要 マップビューを右ボタンでクリックすると、その位置のマップタイルをコピー(スポイト)できます。
  • 右ボタンでドラッグすると、四角の範囲のマップタイルをコピーできます。
  • 別のプロジェクトも含めて、他のマップでコピーしたタイルも配置できます。コピー元になるテンプレート的なマップを用意するのも良いでしょう。ただし、タイルセットが異なっている場合はタイルが入れ替わります。
  • 超重要 マップタイルは左クリックでマップに配置できますが、⇧左クリックだとペーストする側される側ともに、オートタイルの変更なしにそのまま配置できます。
    • ⇧ペーストは[鉛筆][四角形][楕円][塗りつぶし]の全てのツールで適用されます。
  • タイルパレットのドラッグ、またはマップビューの右ドラッグで範囲コピーしたものは
    • [鉛筆]ツールの場合は左クリックで範囲全体が配置されます。
    • [鉛筆]ツールで左ドラッグすると繰り返しパターンで配置されます。例えば森の樹木を繰り返しパターンで配置するのに便利です。
    • [四角形][楕円]ツールの場合も適用されますが、左クリックでは1マスだけしか配置されません。ドラッグして広範囲を設定してください。
    • [塗りつぶし]ツールの場合、コピー範囲全部が配置されるには、同じタイルがコピー範囲以上の広さで配置してある必要があります。
  • 超重要 Bの左上は何が描かれていても透明タイルとして扱われます。消しゴムがわりに使うためです。
    • またBの左上の[通行判定]は[☆]から変更できませんが、バグではありません。
  • A5の上から2列目左端も消しゴムがわりに使うことを想定していると思いますが、B左上と違って別のタイル画像も指定できます。その際はレイヤー1を選択してB左上の透明タイルを配置することで代用できます。
  • レイヤーを選択している場合は、そのレイヤーのタイルだけがコピーされます。
    • 複数のレイヤーを含んだタイルをコピーしている場合、レイヤー1(一番下)のタイルが置かれるので、基本的にレイヤー内でコピーしたものを貼り付けます。
    • レイヤーを選択した場合に、何もタイルが置いてない(正確にはBの左上が置いてある)箇所は、右クリックでコピーすると消しゴムがわりに使えます。
    • [自動]の場合に[塗りつぶし]は別レイヤーにタイルがあるとそこで塗り分けが止まりますが、レイヤーを選択している場合は、そのレイヤーだけを対象にするので、特に地面や壁の種類を入れ替える場合は大変重宝します。

イベントの操作

  • イベントモードの場合は、カーソルキーで設定位置を操作できます。
  • ↩ でイベントの新規設定ができ、すでにイベントがある場合は編集できます。
  • 超重要イベントはドラッグして移動できます。プレイヤーや乗り物も同様です。
  • イベントはカット・コピーが可能で、もちろんペーストも可能です。プレイヤーや乗り物も同様です。
  • イベント・プレイヤー・乗り物はマップをまたいでのコピー&ペーストが可能です。
  • 左側のイベント一覧を選択してダブルクリックまたは↩でも編集可能です。
    • イベント一覧を選択しても画面外のイベントにスクロール表示はされません。ちょっと面倒ですが、下の情報バー右側の座標を見て位置を確認します。
    • 残念ながら、イベント一覧を選択してのコピー・カット・ペーストはできません。
  • マップビューでもイベント一覧でも⌘Fで検索もできますが、すでに対象のマップイベントを選択している場合は検索対象とならないので、存在しないと勘違いしがちです。注意!

タイルセット


マニュアルに解説はありますが、タイルセットの特にAセットがなんだかよくわかんないので、ここで解説します。
これわかっていないと操作以前の段階でわけわかんなくなって、積みツクールとなってしまいます。

  • A1(アニメーション)海や滝などの動きのあるオートタイルです。これだけで記事になりそうなややこしさなので、詳細はマニュアル読んでください。いきなりの説明放棄(笑)
  • A2(地面) 左半分が[自動]だとレイヤー1に配置され、赤枠で囲っている右半分がレイヤー2に配置されるオートタイルです。[自動]でレイヤー2に配置されるのはA2右だけなので『RPGツクールMV』では貴重な領域でしたが、『RPGツクールMZ』では任意のレイヤーを選択できるので、窮屈さがなくなりました素晴らしい。
  • A3(建物) オートタイルですが四角いものしか想定していないので、グネグネと配置したら画像が綺麗に繋がりません。初期状態では屋根と壁が交互に配置されています。赤枠で囲った列が壁です。別に建物に使う必要はないので、基本四角のものしかない絨毯や(南北方向の)階段・(板状の)橋なんかに使ったりするのもいいと思います。
  • A4(壁)これも交互に上面と壁が並んでいて、A3とどこが違うのかなかなか分かりづらいと思います。こちらの上面はグネグネ配置することを想定していてA2の地面と同様に画像が綺麗に繋がります。赤い枠で囲った壁の列はA3と同じ四角形を想定したオートタイルです。またA4はマップリスト(ウィンドウ左下)のコンテキストメニューにある[ダンジョン生成]の壁に使われます。『RPGツクールMZ』ではレイヤーを任意に指定でき、かつバージョン1.1.0からはAタイルに☆が設定できるようになったので、上面はレイヤー2に配置して☆設定すれば、壁の後ろに回り込めるようになります。ただし、☆設定すると○設定のタイルが下に配置されるので、上面にツボなど配置したい場合☆設定のツボが別途必要になるので注意です。
  • A5はAセットの中では唯一オートタイルではない単体のタイルです。初期状態でのA2の草原はオートタイルなのに特にタイルに変化がないので、こっちの草原使って、オートタイルの方は別の地形を設定した方がいいんじゃないかと思います。また赤枠で囲っている部分は[ダンジョン生成]の床に使われます。一番下にある崖のタイルは同じものがA4にもあるんで意味不明かと思いますが、オートタイルだと配置しづらい場所用のタイルです。ただ『RPGツクールMZ』ではオートタイルも任意のレイヤーを指定して配置できるので、そんなに必要性は高くなくなりました。ここの崖は削除して別のタイルを配置しても、レイヤーと⇧配置を活用すれば、なんとかなります。
  • ちなみに、A5の右下に畑の畝(うね)のタイルがありますが、間違って同じタイルが2つずつ配置されています。早く修正されるといいですね。

以上がAタイルの大まかな説明です。A1〜A5の各タイルの性質とタイル数は固定ですが、前述の様に『RPGツクールMZ』ではレイヤーが任意に選択できるのと☆設定もできることから、かなり使い勝手は上がっています。

  • タイル属性(○・×記号など)を変更する場合、右クリックで逆方向に切り替わります。とくに数が多い[地形タグ]で目標の数字を通り過ぎてしまった場合に、知っているとストレスが激減します。
  • タイル属性はクリックだけではなくドラッグすると連続して変更できます。まとめて変更する際のストレスが激減します。
  • 前述の様にバージョン1.1.0からは、Aタイルにも☆が設定できるようになりました。ただし[自動]などでレイヤー1に設定しても通行できないので、レイヤー2以上に配置する必要があります。

テストプレイ

  • 超重要 ⌃(または⌘)+移動 で通行判定を無視できます。通常プレイ時にはできないので安心してください。
  • 超重要 F8(またはF12)キーでデベロッパーツールを開けます。これはChromeだと[表示]-[開発/管理]メニューに当たる機能でJavaScriptの状態を確認できます。エラーが発生を掲示板で相談する場合などに必要な情報が得られます。マニュアルなどに公式の解説はないので、詳細を知りたい場合はブラウザの開発機能の記事を読むといいでしょう。
  • 超重要 F9で変数・スイッチの値を確認・設定ができます。

言語設定

[ヘルプ]-[目次 F1]でブラウザ上でマニュアルが読めますが、URLの help-ja を help-en に変更すれば英語版に、help-zh-cn に変更すれば中国語版になります。
海外の情報を読む場合、あるいは海外に情報を発信する場合に役に立ちます。
…操作かなこれ?

Steam版はSteamにログインして言語設定を変更すると、エディタ本体の言語の変更ができます。
ぎゃー英語版を買っちゃったのかー! と思っても慌てず騒がず、Steamで言語設定の変更です。

そのほか

[ゲーム]-[フォルダを開く]でプロジェクトフォルダが開けます。メインメニューにあるのに意外と気付きづらい操作です。なくてもなんとかなりますが、非常に便利。

おわりに

というわけで、マニュアルに書いてあるもの書いてないもの含めて、見過ごされがちな操作に関する豆知識をお届けしました。
データベース設定に関しても色々ありますが、ほぼ「全体的に」に書いた内容の応用で見つけられるんじゃないかと思います。

[2020-12-02] とんび@鳶嶋工房

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