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『RPGツクールMZ』移動コマンドのヘルプ

2022/02/16に公開

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『RPGツクールMZ』にはゲームを制御する仕組みとして、イベントコマンドと移動コマンドがあります。
移動コマンドはその名の通り、画面に表示されるキャラ(プレイヤー、イベント)の移動を設定するための仕組みです。
今回はその移動コマンドをざっと説明していこうと思います。

<Bad!>戦闘(バトル)中のキャラを移動コマンドで扱うことはできません。といって別に戦闘中のキャラを動かすイベントコマンドもありません。

移動コマンドは次の2つの箇所で使用できます。

  • [自律移動]-[タイプ]-[カスタム]が選ばれている時の[ルート]
  • [実行内容]か[コモンイベント]の[移動ルートの設定]イベントコマンド

[ルート]も含め[自律移動]を設定しているときに[移動ルートの設定]を実行した場合、[移動ルートの設定]の動作が優先され[自律移動]の動作は一時停止します。

移動ルートの画面

[ルート]でも[移動ルートの設定]でも、出てくるウィンドウと操作方法は一緒です。

①対象キャラクター

移動コマンドの対象、つまり動かすキャラの指定です。
[プレイヤー][このイベント]さらに同じマップ内のイベントを選択できます。
<Bad!>乗り物と隊列メンバーは対象にできません。
なお、乗り物に乗った後は乗り物がプレイヤー扱いになるので移動コマンドを適用できます。

②コマンドリスト

移動コマンドが並んだリストで、上から順に実行されます。

コンテキストメニュー[⌃]

  • [編集... スペース]
  • [切り取り ⌘X]
  • [コピー ⌘C]
  • [貼り付け ⌘V]
  • [削除 ⌫]
  • [全選択 ⌘A]

[貼り付け]する場合は、選択している項目の上に挿入されます。

豆知識

↑・↓および←・→キーで項目を選択できます。

<Nice!>⇧を押しながら選択すると連続した項目が選択できて、まとめて[切り取り][コピー][削除]ができます。
<Bad!>ドラッグでの入れ替え操作には対応していません。
<Fix!> Mac版でdeleteキー(⌫)での削除が可能になりました。
<Bad!>行頭の♢はヘルプに記述がなく機能は不明です。

③プレビュー

<New!>設定した移動コマンドによってキャラがマップ上でどう動くかを簡易テストできます。

④オプション

以下オプションがONの場合の動作です。

  • [動作を繰り返す] …… 順に最後まで実行されたら、頭に戻り実行されます。
  • [移動できない場合は飛ばす] …… 通行判定などにより移動ができない場合、移動コマンドの実行を飛ばします。
  • [完了までウェイト] …… この移動ルートに設定した動作が終了するまで次の動作が実行されません。(イベントコマンドで[移動ルートの設定]をした場合に使えます)
豆知識

[自律移動]-[タイプ]-[カスタム]-[ルート]は 動きとしては使わず、初期設定の一種として使うこともできます。
たとえば[自律移動]-[移動頻度]-[最高]にしてイベントエディタに設定のない[不透明度]コマンドを使い[動作を繰り返す]をOFFに設定すれば、最初から半透明でイベントを配置できます。
<Bad!>そもそも[不透明度]などもイベントエディタに初期設定を用意して欲しかったものです。

⑤移動コマンド

すべての移動コマンドがボタンとして並んでいます。
ボタンを押すと移動コマンドが②コマンドリストの選択している項目の上に追加されます。

豆知識

実は一度Tabキーなどを使いボタンを選択すると、↑・↓、←・→、Tab・⇧Tabで項目を選択しSPACEキーで決定できます。
<Bad!>←・→キーでも上下に動きます。
<Bad!>⑤移動コマンドは上下左右のボタンが方向に合わせて並んでいなかったり、単純に同じ大きさのボタンが並んでいるだけだったり、アイコンや色、囲みなどによるグループ分けもなく、使いやすいものではありません。

移動コマンドの一覧

『RPGツクールMZ』の移動コマンドを詳しく説明すると本みたいな分量になってしまうので、簡単な分類を付加した一覧で紹介します。
詳細は本体付属のヘルプをご覧ください。

コアスクリプトに近い部分での一覧表を作っているページがあるので紹介しておきます。
JavaScript やってみるときにどうぞ。

表の読み方

太字 による強調表示は「これはよく使うよなー」という個人的なメモみたいなやつで、とくに文法的意味などはありません。
説明に以下の分類タグを書きます。ブラウザの検索文字列に登録すればハイライトされるので、表が見やすいかと思います。

タグ 意味
ヘルプ 使用時に[プラグインヘルプ]が呼び出せます。
スクリプト JavaScript が利用できます。
1フレ 1フレームのイベントコマンドです。※1
共通 イベントコマンドに同種のコマンドがあります。※2
初期値 イベントエディタに初期値の設定項目があります。

※1 イベントコマンドでは 0フレームで実行されるコマンドも最低1フレーム使います。
※2 イベントコマンドのスイッチはON・OFFが別れていません。

移動コマンド

各コマンドについては、ほぼ「見ればわかる」感じです。
1フレ のコマンドは直後に[ウェイト]コマンドなどを入れて表示時間を確保しないと、1フレームだけ表示されて別のパターンに切り替わるので、注意してください。

左列

コマンド 説明
下に移動
左に移動
右に移動
上に移動
左下に移動
右下に移動
左上に移動
右上に移動
ランダムに移動
プレイヤーに近づく
プレイヤーから遠ざかる
一歩前進
一歩後退
ジャンプ…
ウェイト… 共通

中列

コマンド 説明
下を向く 1フレ初期値
左を向く 1フレ初期値
右を向く 1フレ初期値
上を向く 1フレ初期値
右に90度回転 1フレ
左に90度回転 1フレ
180度回転 1フレ
右か左に90度回転 1フレ
ランダムに方向転換 1フレ
プレイヤーの方を向く 1フレ
プレイヤーの逆を向く 1フレ
スイッチON… 1フレ共通
スイッチOFF… 1フレ共通
移動速度の変更… 1フレ初期値
移動頻度の変更… 1フレ初期値

右列

コマンド 説明
歩行アニメON 1フレ初期値
歩行アニメOFF 1フレ初期値
足踏みアニメON 1フレ初期値
足踏みアニメOFF 1フレ初期値
向き固定ON 1フレ初期値
向き固定OFF 1フレ初期値
すり抜けON 1フレ初期値
すり抜けOFF 1フレ初期値
透明化ON 1フレ
透明化OFF 1フレ
画像の変更… 1フレ初期値
不透明度の変更… 1フレ
合成方法の変更… 1フレ
SEの演奏… 1フレ共通
スクリプト… スクリプトヘルプ共通

※ [画像の変更]では画像ファイルとファイル内のキャラが選べます。
向きは別途[下を向く][左を向く][右を向く][上を向く]移動コマンドで指定します。
<Bad!>キャラのパターンは移動コマンドで指定できません。イベントエディタの[画像]で選んだ後足踏みや歩行アニメで動かして、[足踏みアニメOFF]や移動を終了したりして停止した場合、選択されるパターンは中央のパターンに固定です。
逆にそれらのアニメを行わない場合、イベントエディタで選択した[画像]のパターンは保持されます。

終わりに

ツクールに触れて最初の頃、イベントコマンドと移動コマンドに同じコマンドがあることに気づかず、いちいち[移動ルートの設定]を終了して[ウェイト]を使っていました。
また、実行内容の[移動ルートの設定]と自律移動の[ルート]の使い分けがよくわからず、[トリガー]-[並列処理]で[移動ルートの設定]を動かしてみたり、[ルート]にしてみたり、どっちでも動くので、二種類の方法がある意味がわからなかったり。
複数のトリガーが選べず、例えば[並列処理]を選ぶと[決定ボタン]を設定できなくなるというのも、理解できませんでした。というか今でも複数選べていいのでは?と思ってます。
そして、いまだに[トリガー]との組み合わせでどういう結果になるかわからず、とりあえずテキトーに設定して思うように動かなかったら設定を変えて再挑戦、などとやっています。
最初は、そもそもイベントって名前がわかりにくかった。これ他のプログラミング言語を習得していてツクールに手を出した人あるあるだと思うんですけど「イベントのトリガーで発生するのはイベントじゃないのか?じゃあこのイベントってなんだ?」という感じで混乱の極みでした。
逆にツクールから別の言語の習得する場合に、無駄にハードル上がっちゃう気もします。

ともかく情報が整理されていなくて、とにかくわかりにくい!
この記事で、多少なりとも頭の中が整理できたのであれば幸いです。

レッツエンジョイ!ツクールライフ!

[2022-02-18]追記: 1フレ の部分を 0フレ と書いていました。移動コマンドは常に最低1フレームを使います。

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