リリース後ゲームの健康診断!?実績データによるKPI分析
はじめに
ゲームはリリースして終わりではなく、リリース後もやるべきことがあります。ユーザーのフィードバックを受け、直すべきところは直す必要があります。
Steamでリリースした場合は「Steamユーザーレビュー」「高評価率」「レビュー数」などの指標がありますが、ユーザーレビューはポジティブ・ネガティブどちらにしろ熱量の高いユーザーしか書かず、大多数のレビューを行わないユーザーの実情を正確に反映しないという性質があります。
そこで有効になるのが、「実績の解除データ」です。
実績の解除データはプレイヤーがSteamに接続している以上確実に取得でき、基本的にすべてのユーザーのデータが取得できるため、かなり有意義な情報です。
本稿では、
- 実績の解除データの実装方法
- 実績の解除データの取得方法
- 実績の解除データの分析及びとるべきアクションの策定
の3つについて記述します。
実績の解除データの実装方法
Unityでの開発を前提にして書きます。
Steam機能の実績を解除するためには、SteamAPIとの接続が必要になります。
このライブラリがよく使われています。
実際にどのように実装するかは、
こちらの記事などを参考にしてください。
実績の解除データの取得方法
実績の解除状況はSteamストアページのSteam実績から見ることができます。
Physical Layerだと、以下になります。
こちらのデータをPowerPointでグラフに起こしたものが以下になります。
このグラフの起こし方は、
- 難易度が2つあるので、難易度ごとにグラフを2つ書く
- ステージの順番に左から並べる
となっています。
実績の解除データの分析及びとるべきアクションの策定
本グラフを見ると、
- ステージが進行するごとに緩やかに減少
- クリア率が極端に落ちているステージがない
という特徴が見て取れます。そのことから、極端にクリア率が落ちているステージはないと見て取れるので、おおむね開発の想定通りにユーザーがプレイしています。
一方で、
- 最初のステージ(Base242)から次のステージ(Desert Stone)でやや大きく減少している
という特徴も見て取れます。これは最初のステージをクリアして、次のステージに進むモチベーションが低い可能性があることもうかがえます。
最後に
実績のデータは、「ユーザーのプレイ状況を可視化する」有効な手段です。
レビューなどには表れない、「無言の反応」を読み解くことで、レビューを行わない大多数のユーザーの傾向が見て取れます。
ゲーム開発は、「作って終わり」ではなく、届けてからもやるべきことがあります。
数値と向き合い、プレイヤーと対話することで、より良い作品につなげていきましょう。
本稿で登場した作品
Physical Layer
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