Azure 東日本・西日本リージョンの違いやら使い分けやら
はじめに
普段、Azureを日本で使われる方のファーストチョイスは、殆どの場合で東日本リージョンなのかなと思います。そんな方もDRを考える際は西日本リージョンを基本に考えるのではないでしょうか。また、西日本に拠点があり、西日本リージョンをメインに使いたいんだけど…なんて方もいらっしゃるかと思います。
Azureは初期から西日本リージョンを開設していて、AWSと比べると西日本に力を入れている感じではありますが、それでも東日本にしかないサービスなどもあり、「西日本では何ができないんだっけ?」みたいな話がしばしば持ち上がります。
ということで、東西どちらも需要はあるかと思うんですが、何が違うのか、何を考慮に入れて選択すればよいのか…というのを考えるにあたり、まずは今(2021年9月)の断面を見てみようと思い立ったのが今回の話です。
東西リージョンの違い
下記のページに、ずばり答えが書いてあります。
違いがあるのは下記の5箇所でした。
場所
文字通り地名が書かれており、当然違います。
Azure東日本リージョンは、東京と埼玉だったんですね!今回まとめようと思い立つまで知りませんでした。
西日本は、やっぱりというかなんというか、大阪のようです。
Availability Zones のプレゼンス
大きな違いの一つ目はコチラですね。東日本リージョンには3つの可用性ゾーンが存在しますので、ゾーンレベルでの冗長性を確保した構成を作ることができます。
それに対して大阪はシングルゾーンですので、1データセンターレベルで実現できる可用性の範囲で使うことになります。おそらく、複数の変電所から電気を入れるだとか、冷却用の水の確保や自家発電といったデータセンターのTierとしては高いものになっているだろうと思われますが、それ以上を求める場合は西日本リージョンをメインに使うのは避けた方が良いでしょう。(※1ゾーンは、1~複数のDCで構成されている、とされていますので、厳密にいえば1DCよりは高可用性が確保できていると思われますが。)
Disaster Recovery
「Azure Site Recovery を使用したゾーン DR」という機能が、西日本には無いことになっています。
ASRはオンプレ→Azure、あるいはリージョン間でVMイメージのコピーをすることで移行やDRの対策として使えるサービスですが、そのうちのゾーン間でのコピー機能のことを指しています。
前述の通り西日本リージョンには可用性ゾーンが1つしか無いので、当然ながらゾーン間でのコピー機能は提供されません、という意味かと思います。
リージョン別の製品
表内の表記上は差分が有りませんが、リンクをクリックしてみると差が出てきます。
「リージョン別の利用可能な製品」ページでは、選択したリージョンごとに「サービスインしている」「プレビュー中」などのステータスを見ることができます。
ここが一番大きな違いですので、細かく見ていきます。
リージョン別の製品(詳細)
リリースされているサービスの違いを見ていくと、「東にしか存在しないサービス」というのがあります。「西でしかリリースされていない」というのは無いんですね。
差分をピックアップしてみます。
「そもそも日本には来ていない」というサービスもありますが、東西の機能差はそこまで大きくないのかなぁという印象です。(あくまで個人の印象です)
以前は「Application Insights」など、わりとベーシックなサービスも東日本にしかない…ということがあったので、いまの状況を見ると多くの人は困らないのかと思います。(Application Insightsは、確か2021年の年初頃に西日本でもGAされていたと思います。)
おわりに
現状は以上の通りでした。
結局、半年もたったらこの情報は陳腐化してしまうと思いますので、今の断面を語ることにあまり意味は無いと思います。
ココにたどり着いた方が、使いたいと思ったサービスがどうなってるかを調べるにあたって、その情報集めのリンク集と思って使ってもらえれば幸いです。
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