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Azure VM のRI割引の考え方

2023/09/28に公開

はじめに

AzureのVM利用料を前払い(利用量をコミット)することで割引を受けられる、Azure Reserved VM Instances (RI) という機能があります。
このRIですが、思ってた額にならないとか、どういう考え方になってるかわからないとか、相談/質問を受けることが多々ありますので、考え方を残しておきます。(これ見てね、で良くなるように…)

RIで割引される費用は何の費用?

下記のサポートブログにも記載があるので見ればわかるのですが、「HWの利用料」を割り引きする仕組みであると明記されています。
https://jpazasms.github.io/blog/AzureSubscriptionManagement/20180608a/

AzureVMの利用料は下記のサイトにメニューが載っています。しかしこの「HWの利用料」というのはVM利用料のうちのどの部分なのでしょうか?
https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/details/virtual-machines/windows/

VMの利用料の内訳(OS vs HW)

ものすごくザックリ分けると、AzureのVMにはWindowsとLinuxあります。これらの価格を比較すると↓のような価格構成になっています。
※標準的ということで、汎用のDシリーズ4vCPUのD4v5インスタンスの1月あたりの利用料で比較します。

Azureには、WindowsのOSライセンスを持ち込める「Azure Hybrid Benefit(AHB)」というオプションがあり、これを有効にしたWindows VMと、Linux VMが同額になっています。

Linux VMはOS部分が無償なもの(CentOSなど)になっていますので、この価格が純粋なHW代で、AHBなしのWindows VMとの差額がOS代と考えられます。

RIの割引の効き方

さて、このHW代に対して、RIでどれくらい割引が効くのでしょうか?
AHBの有無、RI(予約)の有無で価格を比較すると下記のようになります。

D4v5インスタンスの場合、RI(1年)による割引率は41%と言えます。大きいですね。
3年予約にすると、もちろんもう少し割引率がよくなります。

VMサイズによる違い

では次に、VMのサイズによる違いがあるのでしょうか?確認してました。
Dシリーズのv5で、サイズを変えながら価格を比較してみると下記の表になりました。

モデル D2v5 D4v5 D8v5 D16v6 D32v5 1vCPUあたり
従量課金[$/月] 137.2400 274.4800 548.4800 1,097.9200 2,195.8400 68.6200
OS代[$/月] 67.1600 134.3200 268.1600 537.2800 1,074.5600 33.5800
HW代[$/月] 70.0800 140.1600 280.3200 560.6400 1,121.2800 35.0400
RI1年[$/月]AHBあり 41.3326 82.6652 165.4180 330.7484 661.5844 20.6663
RI1年HW割引率[%] 41 41 41 41 41

OS代・HW代ともに「1vCPUあたりの価格」×「サイズ」で決められているようで、ほぼ比例構成になっています。(小数点以下を丸めるところがあるのか、誤差はありました)

おわりに

VMの利用料の内訳、RIの効き方を確認してまとめました。もっとも代表的と思われるDシリーズの最新世代v5ではこのようになっています。
VMのシリーズや世代によって考え方が違うものもあるかもしれませんので、原則的な考え方ととらえていただければと思います。

たどり着いた方の参考になれば幸いです。

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