Azure VMセレクターがとっても使えそう
はじめに
クラウドでのサービス仕様ってとっても細かくて覚えられないですよね。(少なくとも私は。)
とてもベーシックなサービスであるAzure Virtual Machineですら、どのインスタンスタイプがどのリージョンで使えて、どのストレージと組み合わせることができて…なんて覚えていられないので、毎回調べる必要がありました。
そんな手間をとっても削減できそうな「Azure VMセレクター」というツールが公開されましたので、触ってみました。とても使いやすそうだったので紹介したいと思います。
※紹介も解説も要らないレベルに使いやすかったのですが、まぁそこには触れないで。
Azure VMセレクターとは
ツールのページには「ニーズと予算に適した VM を検索」というサブタイトルが付いていますが、まさにそのままです。
VMのスペックや構成をポチポチ選んで行くと、最終的に料金計算ツールと連携して予算までバッチリ分かります。使ってみる
誰にでも分かりやすいケースを使って利用検証してみます。
ユースケース
クラウドの研修で良く出てきそうな、「WordpressをVMで作ってみる」に必要そうなVMを検討してみます。
VMセレクター
初めの一歩
まず、どういう観点でVMを選択するかを選びます。
何処からスタートしてもいいですが、「ワークロードの種類」で選んでみたいと思います。
まずスタート時点では、以下のような条件が選択されています。OSやリージョンが絞られている以外は、実質「全て」ですね。
これを絞っていく(選択していく)のがVMセレクターの役割です。
ワークロードの種類
よくあるVMのインスタンスタイプを選ぶための質問です。メモリ特化か、CPU特化か、GPUが必要なのか…など。
Wordpressと言ってもコンテンツ構成によって何が重要か変わってきますが、今回はまだよくわからないので「汎用インスタンス」を選びます。メモリとCPUのバランスが良いVM、ということです。
VMの技術仕様
次に、CPUやメモリの数を選択します。今回は、あまり大きくないサイズのVMをイメージしました。
続けて、オプションとして「追加のVM機能」を見ていきます。ココは未記入でもよい選択肢ですが、1つ設定を変更しました。
- VM には CPU のフルパフォーマンスが継続的に必要であるか
要するに、バースト機能を使うかどうか?の指標です。Wordpress、立ち上げ当初は継続的なアクセスなんて望めませんよね。ということでバースト機能が使えるCPUが選ばれるようにします。
この時点で、選べるVMは3種類にまで絞られていました。
必要なディスクストレージについてお聞かせ下さい
続けて、使用するディスク種別を選択します。ここでは、OSを格納するシステムディスクについて聞かれています。
Webシステムで遅延が大きいと使い心地に大きく影響しますので、今回はStandard SSDを想定しました。
なお、スペックも表示されているので選択の参考にはなると思いますが、バースト機能の説明など詳細は端折られているので、ココだけ見て選択するのはさすがに難しいかなという感じがしました。
ただ、VMのサイズ等の選択を変更すれば「Ultraディスク」もここで表示されますので、構成出来ない組み合わせは最初から除外されている、というのはとても分かりやすいです。
ディスクストレージのニーズについて詳しくお聞かせください
次は、データ用のディスクについて聞かれます。
データはさらにIOを要求するかなということで、PremiumSSDを選びます。
サイズやディスク数はここで選ぶことになりますので、「64GBのディスクを1つ」付けてみました。
オペレーティングシステムとソフトウェア
OSと、付随するミドルウェア(要はSQLServerの有無)を選択します。
Wordpressは大抵のOSで大丈夫だと思いますが、構築情報などの多いCentOSを選択します。
導入することになるDBはMySQLやMariaDBのはずですので、SQLServerは不要です。
リージョン
最後に、リージョンを選択します。もちろん、東日本リージョンです。
そういえば、<方角><地名>のリージョンと、<地名><方角>のリージョンがあります。
US、Europe、Asiaなどは前者。Japan、UK、Franceなどは後者。何故なんでしょう?
結果
ということで、選んできた条件にマッチするVMが最後に表示されます。(ストレージは別タブなので、見落とさないように注意です。)
「計算ツールに追加」を押せば料金計算ツールに追加されますので、とても使いやすくなっています。
おわりに
クラウドの見積もり、ある意味職人芸になってしまっているところもあると思いますが、今回GAされたVMセレクターはそんな悩みを一部分解消してくれそうです。
使ってみたところとても良くできていましたので、AzureVMを利用される方はぜひ触ってみてはいかがでしょうか。
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