さわって習得Azure 基礎からのインフラ構築を読んで
はじめに
この本は、Jazug15周年イベントのじゃんけん大会の賞品としていただきましたのでその感想として書きます。
全体書評
各章ごとの書かれているレベル感が不統一。
どういった方をターゲットにして書かれているのかよくわからないように見受けれれました。
この本の、はじめにではAzure管理部門の1年目のジュニア層をターゲットにして書かれているということでそれを念頭にして読み進めていましたが、それにしては理解が難しいところ、もう少し丁寧に説明したほうがいいところ。
そもそも、限られた紙面でプログラム的な解説はだったのかというところに疑問が残る。
もちろん、各章のみを単体を注目してみてみればとても出来が良いのでこれについて書いていきたい。
第一章 Azureの概要を把握しよう~第二章 Azureインフラ構築の初期ステップ
ここでは、Azureの課金体系からアカウントなどを体系立てて解説している。
特に、Azureでとても重要と思われるEntra IDに重点を置いて解説していることにとても好感を覚える。
しかしながら、とても重要な部分なだけにもう少し丁寧な解説&わかりにくさがあるというのも否定できない。
このあたり、多くの方の躓きポイントでもあると思いますのでせっかくいいこと書いてあるなと思う反面もう少し整理したいなあと思いがあるところ。
第三章 Azureの主要サービスを学ぶ
おそらく、手に取る読者が一番関心があるところ。である反面最も変化があり著者としては書きにくいところではないかなと思います。
とはいえ、Azureの100を超えるリソースの中から必要なリソースを選んでいくということ。
コンピューティングリソースだけでもApp Servcieがいいのかそれともコンテナー化してContainer Appsのがいいのかそれぞれの長所や短所はなんであるのかというのはとっても気になるところでその特徴的なことは書かれているもののやっぱりどういうところで選定したらいいのかというところで迷うのかなという点で踏み込みが物足りない感じがしました。
第四章 IaaS型のWebアプリケーション構築
Windows Serverの構築経験があれば既知。。。。
と言いたいところですがターゲット的にはかえってWindows Serverの構築経験のほうがない場合のほうが多いのでこれはこれでありなのかなと思いました。
正直、IISやADDSの構築これだけだとどうなのかなという気もしますがとりあえず、動かすという点ではありだしIISの機能もこれだけで網羅しているわけでも全くなく、Windows Serverの機能を書こうとすれば分厚い一冊の本になるわけできっかけとしてはありかと思いました。
ただ、実際IaaSでWebサーバを立てることがあるかといえばかなり疑問。
第五章 PaaS型のWebアプリケーション構築
Azureの本のはずなのにプログラミング講座になっている気がしてよくわからなかったです。
App Serviceの便利なところを語りたいというところがメインテーマでアプリケーションを作るというのは実際はウェイトは低いのではと思いました。
最初のこの本のペルソナからすればインフラエンジニア1年目とかのはずなのでちょっとにが重たいところなのかなという気がしました。
第六章 Azure OpenAIで簡易RAGを実装
いわゆる、On your dataを使った方法の紹介。
これで用件が済むのであれば開発コスト的にはとても安く済むのでとても良い方法の紹介と思います。
まずは試したい方法の一つであるのとAIを使った開発の第一歩というところの紹介というところで素晴らしいと思いした。
第7章 FinOpsの取り組み
Azureというかクラウドを使う上できちんとコスト管理をしてコスト最適化を図りビジネス価値を高めるというのは永遠の課題です。
これをきちんと書かれているというのがこの本の最大の評価ポイントです。
そもそもAzureを導入するのはビジネス的な要請によるものです。これがAzureのコストによって毀損しては何にもなりません。
どのようにして適正なコスト最適化を進めていくのかというところを丁寧に書かれているというところここだけで本書を読む価値があると感じました。
まとめ
Azureを導入したのはそもそもビジネス的な要請によるものです(CAFより)
さまざまな設計パターンでコスト最適化を図り(W-AF)本書の第7章も参考にしつつよりビジネス価値の高いクラウドインフラを構築・運用しましょう。
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