独習 ASP.NET Coreレビュー
はじめに
今回、著者山田祥寬様から書籍を頂いたのでレビューさせていただいております。
この本の想定するターゲット
想像するに以下のような方がターゲットになっています。
全くのプログラム初心者ではなくある程度のWebプログラミングに触れてきた方がターゲットになっているように感じられました。
- ASP.NET(MVC)からASP.NET Core(MVC)へステップアップしたい方
- PHPや他の言語からASP.NET Coreへ移行したい方
不向きな方
逆に以下のような方はスコープ外です。
- Blazor開発したい方
- 全くのプログラム初心者の方
- C#の勉強をしたい方
内容
Windows・MacOS・Linuxの書くOSで学習が進められるように配慮され終始Visual Studio Codeベースでの解説となっています。
ただ、Windowsでは実際Visual Studioでの開発となることが多いです。
MacOSではRiderでの開発となることが多いです。これらについても少し触れられておくとよりよかったと感じています。
また、Visual Studio CodeのC# Dev Kit Extensionをインストールするように指示がありますが個人での学習目的であれば問題ないです。しかしながら、企業で研修目的なのでこの書籍を導入した場合Visual Studio Subscriptionなどのライセンスがない場合ライセンス違反に問われる場合があります。
このように、Visual Studio Codeで学習を進めていくことでどのようなOSでも学習を進められるということがメリットとしてあげられることと反面、OS特有の便利なIDEについての事情があまり触れられることがなかったのが残念でした。
ASP.NET Coreには大きく分けてMVC、Web API、Blazorのフレームワークが存在しています。
本書ではMVCのフレームワークに大きくフォーカスしながらASP.NET Coreについて学んでいきます。
そもそも、ASP.NET Coreではなにをサービスに追加してなにをミドルウェアに追加するかでMVCとしてもBlazorとしてもWeb APIとしても動作させることができ、あとはそれぞれの使い方という立て付けになっているので最も基本的なMVCのフレームワークを通じてASP.NET Coreを学習することは理にかなっています。
もちろん、最初からBlazorを学習することが目的であれば本書はスコープ外です。
C#12の最新の文法であるプライマリーコンストラクタを使用して記述されていることもこの2024年に発刊された書籍として好感が持てます。
反面、C#の文法についてはスコープ外ですので別途学習する必要があります。
ことあるごとに練習問題、理解度チェックがあるのは学習者にとってはうれしいです。Microsoft Learnにもありますがただ読み進めていっただけでは本当に理解してるかどうか分からない。
そのうえ、設問で振り返りアウトプットすることで知識を定着させる仕掛けがあるのはうれしい施策です。
まとめ
ASP.NETからASP.NET Core特にASP.NET MVCからASP.NET Core MVCに移行したいと考えている方やC#は分かるけどもWebプログラミングをしてみたい方、他の言語からASP.NET Coreへの第一歩というところへはとてもよいアプローチと感じました。
一方、Microsoft的に一押しのBlazorでやってみたい方には本書はスコープ外ですのでおすすめしません。
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