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ネットワークトラブル解決に役立つコマンドプロンプトの技

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ネットワークトラブル解決に役立つコマンドプロンプトの技

「インターネットに繋がらない」「通信が遅い」など、ネットワークトラブルに遭遇したことはありませんか?実はWindowsのコマンドプロンプトには、ネットワークの診断や問題解決に役立つ便利なコマンドがたくさんあります。

この記事では、ネットワーク診断に役立つコマンドプロンプトの基本コマンドを解説します。

ipconfig:ネットワーク設定の確認

ipconfigは、コンピューターのネットワーク設定を表示する基本的なコマンドです。

基本的な使い方

C:\> ipconfig

Windows IP 構成

イーサネット アダプター イーサネット:
   接続固有のDNSサフィックス . . . : example.local
   IPv4 アドレス . . . . . . . . . : 192.168.1.5
   サブネット マスク . . . . . . . : 255.255.255.0
   デフォルト ゲートウェイ . . . . : 192.168.1.1

詳細情報の表示

より詳しい情報が必要な場合は、/allオプションを使います。

C:\> ipconfig /all

このコマンドでは、MACアドレス、DHCPサーバー、DNSサーバーなどの詳細情報が表示されます。

DNSキャッシュのクリア

名前解決の問題が発生した場合は、DNSキャッシュをクリアすると解決することがあります。

C:\> ipconfig /flushdns

Windows IP 構成
DNS リゾルバー キャッシュは正常にフラッシュされました。

IPアドレスの更新

IPアドレスに関連する問題が発生した場合、DHCP設定を更新することが役立ちます。

C:\> ipconfig /release
C:\> ipconfig /renew

ping:接続確認の基本

pingコマンドは、特定のホストに対してICMPエコーパケットを送信し、応答を確認するコマンドです。

基本的な使い方

C:\> ping google.com

google.com に ping を実行しています [142.250.207.110](32 バイトのデータ):
142.250.207.110 からの応答: バイト数=32 時間=12ms TTL=116
142.250.207.110 からの応答: バイト数=32 時間=11ms TTL=116
142.250.207.110 からの応答: バイト数=32 時間=11ms TTL=116
142.250.207.110 からの応答: バイト数=32 時間=12ms TTL=116

142.250.207.110 の ping 統計:
    パケット数: 送信 = 4、受信 = 4、損失 = 0 (0% の損失)、
ラウンド トリップの概算時間 (ミリ秒):
    最小 = 11ms、最大 = 12ms、平均 = 11ms

応答がある場合、そのホストとの接続が正常に機能していることを示します。

連続したpingの実行

接続の安定性を確認するには、-tオプションを使って継続的にpingを送信できます。

C:\> ping -t google.com

このコマンドは、Ctrl+Cで中断するまで継続的にpingを送信し続けます。

tracert:通信経路の確認

tracert(トレースルート)コマンドは、パケットが目的地に到達するまでの経路を表示します。

C:\> tracert google.com

1     2 ms     1 ms     1 ms  192.168.1.1
2    10 ms     9 ms    10 ms  10.0.0.1
3    12 ms    11 ms    12 ms  203.0.113.1
4    15 ms    14 ms    14 ms  203.0.113.18
...

このコマンドは、通信の遅延や途中で切断される問題の原因特定に役立ちます。

nslookup:DNSの確認

nslookupコマンドは、ドメイン名の名前解決を確認するためのツールです。

C:\> nslookup google.com

サーバー:  dns.google
Address:  8.8.8.8

権限のない回答:
名前:    google.com
Addresses:  2404:6800:4004:818::200e
          172.217.175.14

このコマンドでドメイン名がIPアドレスに正しく解決されるか確認できます。

特定のDNSサーバーを指定して確認

C:\> nslookup google.com 1.1.1.1

サーバー:  one.one.one.one
Address:  1.1.1.1

権限のない回答:
名前:    google.com
Addresses:  2404:6800:4004:818::200e
          172.217.175.14

netstat:ネットワーク接続状態の確認

netstatコマンドは、ネットワーク接続状態、ルーティングテーブル、インターフェース統計などを表示します。

アクティブな接続の表示

C:\> netstat -a

IPアドレスとポート番号を数値形式で表示

C:\> netstat -an

各接続に関連するプログラムの表示

C:\> netstat -ab

このコマンドは管理者権限で実行する必要があります。

pathping:ping + tracertの強化版

pathpingコマンドは、pingtracertの機能を組み合わせた高度なコマンドです。

C:\> pathping google.com

このコマンドは、まずtracertと同様のルート追跡を行い、その後各ホップでのパケット損失を測定します。実行には少し時間がかかりますが、より詳細なネットワーク診断が可能です。

ネットワーク問題解決の基本ステップ

ネットワークに問題が発生した場合、以下の順序でコマンドを実行すると効率的にトラブルシューティングができます。

  1. 物理接続の確認: ケーブルが正しく接続されているか確認
  2. ipconfig: ネットワーク設定が正しいか確認
  3. ping localhost: ネットワークスタックが正常に動作しているか確認
    C:\> ping 127.0.0.1
    
  4. ping デフォルトゲートウェイ: ローカルネットワーク接続を確認
    C:\> ping 192.168.1.1
    
  5. ping 外部サーバー: インターネット接続を確認
    C:\> ping 8.8.8.8
    
  6. nslookup: DNS解決を確認
  7. tracert/pathping: 通信経路の問題を特定

まとめ

コマンドプロンプトのネットワーク診断コマンドを覚えておくと、ネットワークトラブルの際に素早く原因を特定し、解決できる可能性が高まります。特に、リモートワークやオンライン学習が一般化した現在、基本的なネットワーク診断のスキルは非常に重要です。

この記事で紹介したコマンドをぜひ実際に試してみて、自分のネットワーク環境の状態を確認してみてください。問題が起きる前に、正常時の挙動を知っておくことも大切です。

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