Developers Summit 2025 KANSAI 参加レポート
Developers Summit 2025 KANSAI
Developers Summit 2025 KANSAI 参加してきました!
第一回は 2003 年と、かなり歴史ある Summit です。
Summit 内のいくつかの講演に参加しましたので、その備忘録的記事になります。
カプコンの技術選定裏話
基調講演です
今まで web とかネイティブアプリとかしか経験ないので、ゲームの技術選定って未知数ですよね
選定も何も、候補すらわからない状況で、講演に参加してきました。
MH3rd 世代です 🐲<アマツマガツチ
感想
- 100万以上のユーザー同時接続を支えたネットワークアーキテクチャ
というとんでもねぇ要件を支える技術選定です。
ただ、私がネットワークエンジニアリングに乏しいので、「100万以上のユーザー同時接続を支えたネットワークアーキテクチャ」なんて到底わからんので、講演の内容はあんまりわからないのが正直なところです。
web アプリ業界でもそこまでは必要ありませんしね。
ただ、「絶対にサーバーを落とさない」というカプコンの熱意を感じてきました
エンジニアチームをざっくり4つに分けるなら
- Application
- プレイヤー/エネミーの挙動や UI/UX のような諸所のシステムなど. ゲームの「あそび」を提供
- Network
- マッチングやマルチプレイなどオンラインで実行される機能で、プレイヤーを「つなぐ」役割
- Engine
- グラフィック描写やサウンド再生, 物理演算など、多くのゲームで共通して用いられる機能
- Solution
- 生成 AI を活用したツールを提供し、環境改善するなど開発効率を向上させる役割
Engine があるのがゲーム会社っぽいですよね
ハードウェアに Engine が積まれていて、その Engine を操作するための Editor を開発して、クリエイターさんが開発しているそうです
ゲームクリエイターのためのエディター
Network
ネットワークの文脈で、ゲームに特に求められるのは下記
- Interactive
- Heavy
- Large
- Available
- Flexible
- Latest
MH Wilds について
当日の講演でもお話されていましたが、記事として閲覧するならぶっちゃけ下記のインタビュー記事がわかりやすいです
アーキテクチャの側面をまとめます
- サーバー構成
- API サーバー
- リアルタイムサーバー
- DB
- DynamoDB
- 正規化は開発中にパラメータがどうしても変更されるので、NoSQL のが都合がいい
- また、Dynamo はスケールしやすく、キャパシティユニットを設定することで性能が担保されるのが嬉しい
- NewSQL - TiDB
- ユーザーのマッチングなど、複雑な検索が必要な箇所で利用している
- TiDB
- メンテナンスウィンドウがなく、ダウンタイムなしでスペックを変更できる
- データのリバランス機能によって、データを意識することなく、水平スケールも可能
- DynamoDB
クロスプレイ・クロスプラットフォーム
クロスプレイ: PS5, PC, Switch など、ゲームを提供する複数のプラットフォーム間でプレイヤーが一緒に遊べること。昨今のトレンド
課題 : 急激な負荷スパイク
-> DB含めて、マネージドサービスを使い倒す
課題:レイテンシーは限りなく落としたい
-> ゲームプレイ中は近いリージョンで行うなど、動的なリージョンの決定
課題:予算と納期
-> クリエイティブに集中するために、AI を活用
AI
クリエイターが面倒なこと -> テスト・デバッグ
テストを AI が行う
- ビジュアルと物理判定の差のテストなど
- ゲーム演出が組み合わせによっては過剰な表現(有名なのはプリゴンショックとか)が起きていないか
- AI がモニター上でテストしている途中に「~をテストしておいて」という自然言語で指示を出せる
- 😄めちゃおもろい. どっかでデモを見てみたい
エンジニアが不要なんではなく、エンジニアがより価値提供するために AI を活用する
利益はおもしろさに再投資 だそうです。素晴らしい
Hondaがいま考える、企業コラボレーションと車載アプリのこれから
自動車メーカードメインの言葉がたくさんでてきて、自動車メーカーならではの関心領域ををたくさん知りました。
カテゴライズするなら組み込みエンジニアリングだと思っていましたが、ネイティブアプリ開発といった方が適しているように感じました
実機テストが実際に車で運転する、てのが楽しそうでした 🚗
IVI 実例
🔑 IVI : In-Vehicle Infotainment
の略. 自動車に搭載される情報(Information)と娯楽(Entertainment)を統合したシステム全般を指す. カーナビやハンズフリー通話、音楽ストリーミングやスマホ連携などなど.
🔑 インフォテインメントシステム:IVI は車両搭載システムに限った用語. インフォテインメントシステムは車両搭載システムに限らない、広い用語
Honda の企業コラボレーション例
画像左上は、車内で決済を済ませるシステムで、
- ガソリンスタンドで車から降りずに決済をする
といったことが可能になります!
Honda Android Automotive OS Emulator
🔑 Keyword: Android Automotive
端的に言えば、自動車に特化した Android のバージョンだそうです。
Android Automotive OS を用いて開発した記事も見つけました 👀
Android Automotive を使うことで、車載アプリを Android Studio で作成することができるそうです。
Google Play Store で公開することで、実際に車両へとインストールすることができるそうです。
が、もちろん審査はあり、特に運転への安全面で厳しい審査があるそうです。
実際に車載アプリを作ろうとするとどんな進め方になるのか
🔑 Keyword: Honda Android Automotive OS Emulator
ホンダ Android Automotive OS エミュレータは、ホンダが開発者向けに提供している、Android Automotive OSを搭載した車載システムをPC上で再現するためのツールです。これにより、実際の車両がなくても、車載アプリを開発・テストすることができます。
https://global.honda/en/cars-apps/
ホンダでは Android Automotive のエミュレーターを作成しており、車載システムの提携先とエミュレータを共有し、システム開発を行なっていくそうです。
企業ブースではそのエミュレータを動かしているところを実際に見れました
中央: Android Automotive 製のアプリの動作の様子.
右: Honda Android Automotive OS Emulator での開発画面
いまこそ起こす、小さなイノベーション! 【エンジニアたちの等身大チャレンジLT】
LT 枠です。1枠10分
【「社内LT会」を1年続けてみた!~組織文化の醸成とポジティブな変化~】
登壇資料 🫱
私個人 LT が好きですが、社内ではまだまだ活動が足りていません。
身に染みる発表でした
自分には不足している考えだな、と思ったところ
【軽率に一歩を踏み出そう】
ハッソン参加をきっかけに世界が広がった話でした
ハッカソン参加したい!
すぐにできる【最初の一歩】
- スタッフをやってみる
は今年中に動きたいと思っています
【アニメがエンジニアをつなぐ!「エンジニアニメ」勉強会が巻き起こすCo-Creationの波】
うーたんさん、いろんな LT で見かけます笑
アニメを通じてエンジニアの勉強会を主催されています
初開催から 1年4ヶ月も経つそう
コミュニティを創る方って尊敬しかないです
宣伝 📣
エンジニアリングマネージャーの成長の道筋とキャリア
株はてな のエンジニアさんの発表です
現在エンジニアチームのリーダーをしているのもあって、エンジニアリングマネージャに興味があり参加しました。
EM(エンジニアリングマネージャ)の活動領域を区分けされており、そこからロールモデルへと展開されていて、EM としてキャリアを積んでいくイメージがつきました。
私が目指したいところはテスト特化型アーキテクトで、***マネジメントは AI が台頭してきたからこそ必須だと思っています。
その ***マネジメント を分類分けされ、それぞれの特性を解説いただき、どれも「なるほど」と思えることばかりでした
EM の活動4領域
広木大地さん提唱の4つのマネジメントをもとに、はてな でも整理
- ピープルマネジメント
- 育成
- 採用
- メンタリングとコーチング
- 組織内の
人の関係性
の整え - カルチャーの醸成
- プロジェクトマネジメント
- 開発の不確実性の制御
- スケジュール・スコープ・リスク管理
- 開発プロセスに対する熟達
- リーン・アジャイル
- テクノロジーマネジメント
- 開発技術についての知識・経験
- DevOps
- 技術的負債のマネジメント
- ソフトウェア品質
- 開発生産性
- プロダクトマネジメント
- 事業とエンジニアリングの橋渡し
- プロダクトの価値にフォーカスした仕組みづくり
- ソフトウェア要求/仮説・検証サイクル
- マーケティング・セールスのエンジニアリングによる支援
- UX/ユーザビリティ
- プロダクト倫理/法務理解
上記の領域をどれだけカバーしているかで、「強めの EM」「弱めの EM」と定義されていました
- 強めの EM : 各領域を広くカバーしている
- 弱めの EM : 特定領域だけカバーしてる
🗨️ 各*マネジメント役割が整理されていて、「自分はどこが強いのか・弱いのか」**をすごく分析しやすいです。
上記の分類を活用することで、EM としてのキャリアプランを考えることができます。わかりやすい
さらには、各***マネジメントの Lv の定義についてまで示されていました。
これって社内ナレッジすぎません???太っ腹すぎますね
これに従って私をレベル分けしてみると
- ピープルマネジメント
- Lv4
- プロジェクトマネジメント
- Lv3
- テクノロジーマネジメント
- Lv3
- プロダクトマネジメント
- Lv2
といったところでしょうか。まだまだですね
伸ばしたいのは テクノロジーマネジメント
, プロダクトマネジメント
です
EM になるには
- エンジニアリングスキル
- プロダクトを実際にリリースするためのスキル
- 技術というより、開発プロセス
- スクラムマスタースキル
- EM の登竜門として良い
- 認定スクラムマスターで体系的に学ぶのがよさげ
- #ScrumMastarWay
- EM の登竜門として良い
変化に挑む開発にガードレールを——AIがコードを書く時代の開発生産性と信頼性を“テスト”から再設計
テストの文脈で「ガードレール」は以前参加した JASST(テストカンファレンス) でも述べらていて、興味がありました
上記でも登壇されていた Autify の末村さんと、ダイキンの五十嵐さんからの講演です。
(末村さんとはチャイハネ仲間です笑)
私自身、テスト重視のアーキテクトを目指しているので、Autify の製品そのものに興味があります。
一度実務で導入してみたい
セッションでは、Autify Genesis 2.0 の紹介と、ダイキンさんとのパネルディスカッションで構成されていました
書籍物販
会場には書籍物販コーナーがありました。
気になる書籍はありますか?🤓
全体感想
TS Kaigi や AWS Kaigi, テストカンファレンスなど、特定のテーマのものの参加が過去に多かったですが、こういった事業を超えた Summit も面白かったです!
現在は web 業界の経験ばかりなのでそういった技術領域や知識領域に偏っているので、どの事業のシステム開発部署でも応用できるような、抽象的・体系的な知識を自分のものにしたいと、改めて感じました。
次回の Developers Summit はなんと来週に福岡で開催されますよ 📣
その他
参加できなかったけど、X とかで見つけた講演資料
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