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38歳、リクルートを辞めて、Yardを起業しました

2024/11/25に公開1

はじめに

僕は、今年の8月いっぱいでリクルートを辞めて、株式会社ヤード(以下、弊社)を起業し Yardというテック人材(エンジニア、デザイナー、PdM、デジタルマーケターなど)に有料で気軽に相談できるサービスを始めました。
今回は、そのいきさつとサービスに込める想いをつづろうと思います。

https://yard.tips

起業したキッカケ

前職のリクルートでは、約7年間スタディサプリのデータエンジニアとしてデータ基盤・データプロダクト(レコメンド・検索・アセスメント機能など)の開発を行いました。
データ組織の立ち上げ期から関わり、エンジニアマネージャーとしてチームを率いる経験も積みました。
素晴らしい上司やチームメンバーにも恵まれ充実した日々を送ることができました。

また、データエンジニアとしての業務に加え、新規事業開発にも挑戦しました。
リクルートにはRingという新規事業コンペがあり、僕が関わったスタディサプリもそこから生まれました。
そのRingで起案したビジネスプランが運よく入賞でき、事業検証のチャンスを得ましたが、最終的には撤退が決まってしまいました。
当時は、この新規事業に自分の人生を賭けていましたし、本当にハードに働いたなと思います。
いろんな試行錯誤をしたし、プロジェクトを進める中で人との衝突も結構ありました(それが原因で離れていった人もいました)。
そのくらい本気でした。
そのため、撤退の判断が下った際は不本意でしたし、正直、今でも気持ちの整理がついていません。

この経験を通じて、大企業の新規事業として進める上で、自分のサービスの命運を承認者に握られている状況に疑問を感じました。

もちろん、起業した場合においても外部の資本を入れた場合など、同じことが起こりうるし、それ以上のハードシングスが起こると思います。

それでも、ゼロイチのフェーズにおいては、自己資本をベースに自分の想いを純粋にサービスに乗せて、以下に示す原体験をユーザーさんと共有したくて Yardを起業 しました

Yard開発のキッカケ

Yardの開発のキッカケは、テック領域の情報の非対称性を依然として大きく存在すると考えているからです。
これは、自分の2つの大きな原体験から、それを実感しました。

1) SaaS導入のテックブログを書いたら相談者が続出

リクルート時代に、とあるSaaSツールの導入プロジェクトを主導しました。
非常に苦労したプロジェクトでしたが、なんとか導入できその知見を会社のテックブログに投稿しました。
そのブログの反響は大きく、そのSaaSツールを導入しようとしている他社の担当者から問い合わせをもらいました。
その中の数社の方は、実際にリクルートのオフィスまで来てアドバイスを乞う方もいました。

その方と対面でお話した際、テックブログでは敢えて書けなかったSaaSツールのマイナスな部分やそれをどのように工夫して克服したかなど、踏み込んだ話をしました。
自分とは、業種も職種も違う方でしたが、別れ際、オフィスのエレベーターホールで晴々とした表情で「思い切って相談の連絡をしてよかったです!」と言葉をいただき時の何とも言えない充足感は今も忘れることはできません。

自分の些細な経験が、他人の役に立つという実感が得られた大きな経験になりました。

2) いま、困ってるんだ!!を解決するスポット知見の重要性

弊社では、Yardの開発以外に受託開発の事業もやっています。

そんな中で

  • 来週から来月までの間、Excel加工が得意なメンバーのアドバイスが欲しい
  • 設計フェーズで、アーキテクチャのレビューを有識者にお願いしたい
  • 特定の技術のツール選定をしてほしい

など、開発プロジェクトによって常時必要ではないが、「その瞬間に」必要なスキルセットがあることに気づきました。
組織やプロダクトにとって必要なテック系のスキルセットにも即時性が重要であると痛感しました。
これに対して、自分のスキル・経験が他社の力になれたこともありますし、逆にたった一人のキーパーソンが弊社のピンチを救ってくれたことも多々ありました。

それまで、自分が大企業に所属していたこともあり、テック人材は基本的にフルタイムで働くことが正しいと思い込んでいました。
リクルート時代にエンジニアマネージャーとして、社員の採用や業務委託の契約してきた経験上、持続可能な組織を作っていくためには、組織やプロダクトに対する中長期の目線で考えられる社員がベースにあるべきだと考えていました。
それはそれで、正しい面もあったと思いますが、全ての組織に適用できる考えでもないと最近では思っています。
ある程度の採用力があり組織が成熟に向かっている組織では、フルタイムのメンバーに働いてもらうことに意味があるが、そうでない組織では、もう少し柔軟な働き方があってもいいかもしれません。

定型化された業務において、「タイミー」や「メルカリ ハロ」など「スポットバイト」が流行っているように、テック領域においてもスポットで稼働する働き方が今後増えていくのではないでしょうか。

Yardの目指す世界

上記の原体験から、テック人材との対話を通じて知見を深めていくことに、まだまだ可能性があると信じています。

これは、ChatGPTをはじめとしたLLMでは、生み出せない特別な価値だと思います。
LLMとの会話では、質問の起点となる構造的な背景知識が必要であり、そこから導き出される回答も中道的なものが多いため、ある程度の予備知識がなければ適切な知見を得るのは難しいと感じています。

そのため、テック領域では、まだまだ専門的な知見を持ったエキスパートが埋もれていると思います。
専門的な知見を本当に欲している組織や環境とマッチングできていな状況だと思います。

自分の持っている知見や経験は、インターネットに公開できる話ばかりではなく、オフレコな話もたくさんあります。
上であげた SaaS導入のテックブログ においても、実際に記事にできないホンネがあり、そういった知見を相談者に共有すると非常に喜ばれました。
そういった生々しい話にこそ、差別化できる価値があると思っています。

Yardでは、テック人材が対話を通じて新しい新しい価値が生まれるプラットフォームを目指しています。

このサービスでテック業界をより発展させていきます!

さいごに

Yardは、現在、ベータ版として公開しています。
サービスに興味を持っていただいた方は、以下から会員登録 お願いいたします。

https://yard.tips/auth/signin

また、サービスのフィードバックいただける方、賛同してくださる方は@toitech まで、お気軽にご連絡ください。

あとがき

友人に記事の下書きを見せたら、リクルートに染まった言葉使うのはやめた方がいいよと言われて、ハッとしました。
こんなにリクルートに染まっていたのかと。
38歳心機一転、ここから始めるという気概で、Yardを最高のサービスにしていきます!

Discussion

しげるさんしげるさん

リクルートに染まった言葉w

受託やりながらすごいですね!Yard陰ながら応援しています!!!