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【レポート】WACATE2023夏に初参加してきました

2023/07/22に公開

初めまして。新卒2年目、QAエンジニアのtodoです。

先月(2023/6/10-11)にWACATE2023夏に初参加してきました!🌺🏖✨
参加に迷われている方に向けて、自分の学びや参加してよかったことをアウトプットします。

WACATEとは

Workshop for Accelerating CApable Testing Engineers:内に秘めた可能性を持つテストエンジニアたちを加速させるためのワークショップ

ホームページはこちら:https://wacate.jp/

WACATE(わかて)とは「若くてテストに興味のあるテストエンジニア」のための2日間のワークショップです。夏・冬と年に2回開催されており、今回は3年半ぶりのオフライン開催でした。

参加費は35歳以下が8,000円、それ以上が9,000円です。ホテル等は自身で用意する形に今回変更されたため、都内に住む身として大変参加しやすいお値段でした!

今回は8割近くの方が初参加で、テストエンジニアのみならず、開発エンジニアやフリーランスでお仕事をされている方、PM、経営者の方など様々な層の方が参加していました。

参加に至った背景

一言で言うと、自身の「テスト設計方法」に疑問を持ち始めたからです。

テスト設計手法について考えるきっかけとなったのは2023年の1月にJSTQB Foudation Levelのシラバスを読んだときです。

新卒で配属されてから今までの間、「テスト設計→実行」というプロセスにしか区分されておらず、設計に至るまでの作業が言語化されていないことに気づきました。

トレーサビリティも無いし、今作っているテストが本当に有用なのかも分からない状況でした。そのため、JSTQBによって「テスト計画」や「テスト分析」などの概念が存在することに驚きを隠せ無かったのを覚えています(笑)

とはいえ、シラバスの内容はかなり抽象的であることから、実際にどうやって実務に落とし込めばよいか分かりません。当時は知識がなく、社外にQAの知り合いさえいない状況でした。それから貪るように勉強会に参加したり、ネットに転がっているスライドやテストの記事を読み漁ったりした結果、WACATEというイベントを知りました。

今回はひとつの題材に対して、グループ(全員集合!)でテスト分析やテスト設計に取り組んでいただきます。指示に従って、右から左に作業し続けるのではなく、「そもそもどのようなテストを行うべきなのか」「どのテスト設計技法を適用すれば良いのか」といったことをグループで考え、手を動かしながら進めていただくコンテンツをご用意しております。

今回はテスト分析や設計が対象となっており、若手である私がペルソナじゃないか?と疑うほど知りたい内容がピッタリであったことから即座に参加を決意しました!

WACATEでの学び

テスト分析ワーク

5−6名のチームに分かれてワークを行いました。
https://www.slideshare.net/kauji0522/pptx-258222889
引用:WACATE公開資料(https://wacate.jp/assets/)

最初のテスト分析フェーズでは、マインドマップを用いて何をテストするのかを考えます。仕様書を読み込んだ上で、どういった構造に分けてマインドマップを書いていくかの議論を進めていきました。

テスト分析時点で細かな期待値まで考えてしまったので、今後はテスト分析ではテストの構造や抽象化された粒度の観点に留めておき、設計フェーズで「どうやってテストをするのか」を考えようと思います。

仕様書に書かれたことを上からテストするのではなくて、関わる人の要求やプロダクトのメイン機能、優先度など様々なことを加味し、どこに対するどういった観点のテストをどの順番で実施するかを考えていく必要があると痛感しました。

テスト設計ワーク

https://speakerdeck.com/scarletplover/tesutoji-fa-osarai-jia
https://www.docswell.com/s/ryo328kgn/5GXGVM-2023-06-10-125345#p1
引用:WACATE公開資料(https://wacate.jp/assets/)

次のテスト設計フェーズでは、とある機能に対してデシジョンテーブルと境界値分析どちらを使うか議論が白熱しました。
「機能と機能の組み合わせ」を見たいのか「機能そのものが正常に動くか」を見たいのかなど、観点の違いがあるから技法の選択に違いが出ているのだと指摘をいただき、非常に納得したのを覚えています。

チームで取り組むことにより、自分たちが当たり前に使っていた用語が当たり前じゃ無かったり、今まで考慮していなかった観点が洗い出されたりと、様々な気づきがありました。

講演会

https://speakerdeck.com/yamasaki696/tesutokai-fa-nituitegai-metekao-etemiyou-tesutofen-xi-yatesutoshe-ji-woye-wu-deshang-shou-kudekiruyouninarutamenosi-fang-shan-hua
引用:WACATE公開資料(https://wacate.jp/assets/)

PFDを用いたテストプロセスの可視化や、テストタイプ・テストレベル・テストプロセスの3軸を使うことで、テストの位置と全体像を掴むことができることを教えていただきました。

特に印象に残った話は「スキルスペース」についてです。

  • TEST SKILLS
  • SOFT SKILLS
  • IT SKILLS
  • DOMAIN KNOWLEDGE

テストのスキルだけを高めるのではなく、コミュニケーションなどのソフトスキルやIT知識、プロダクトに関するドメイン知識などのバランスが大事だということです。
自分はバランス云々以前に全体的にまだまだであり、組織で考えた時も、テストスキルが低くドメイン知識は先輩に頼りきりでバランスが各人偏っているなと感じました。
どこが強くてどこが弱いのか、考えさせるきっかけになったと思います。

WACATEに参加してよかったこと

「様々な経歴、バックグラウンドの方とお話しできること」 それがWACATEの醍醐味だと思います。

分科会でアドバイスをいただけた

1日目の夜は複数のトピックから好きな分科会に参加することができます。その中でも私は「初心者のお悩み相談」という集まりに参加しました。
参加者の中で出た悩みは様々で、実行委員の方や実行委員OBの方、参加者全員で悩みの深掘りを行なっていただきました。

QAのキャリアについて悩んでいる

- 自分がどういったことに興味があるのかを探ってみるのが良い。
	- 組織の課題解決が好きなのか、良い製品を作っていきたいのか、など
	- やってみたいことを口にする

バグが多く、なぜバグの分析方法が知りたい

- そもそもどこに原因があるのか深掘りするのが大事。
	- 開発時点なのか、管理方法が悪いのか、収集している情報が足りないのかを分析してみよう
	- ODC分析など、手法は存在するので参考にしてみると良い。

開発側とQAが離れた関係になってしまっており、遅延をQAのせいにされてしまう

- 要件定義時点で、開発側が気づいていない考慮漏れを渡す。
	- 顧客の困りごとに対する要求を満たすにはどうすれば良いのか?QAはPdMと同じようなことが求められる。
	- 困りごとを解決するためのトレーニングを行う。
	- CXの観点を持って、どういう経緯で製品を好きになってもらえるか考えてみる

自分と同じような悩みを抱えている方ばかりで非常に参考になりました。

参加者同士でたくさんコミュニケーションが取れた

WACATEではポジションペーパーを用いた自己紹介の時間や、お昼休みの間コミュニケーションを取ることができます。チームのメンバーがWACATEに参加しようと思ったきっかけや、現在の仕事内容、過去の経歴など様々なことを知れる機会です。

事業会社と第三者検証会社の違いの話になった時は、同じQAでも設計者との近さや仕事の環境、考えなければならない制約などが全然違うんだなと学びになりました。今ある環境をどのように有意義に活用するかは自分次第だと思いました。
また、夜も飲み会に誘っていただき、経営目線と現場目線の違いや品質に関する深い話が聞けてとっても楽しかったです!ありがとうございました。

同じような価値観の中で過ごすのも良いですが、こういった場に参加すると自分の立ち位置を把握できたり、考えを広げることができたりするので、参加して本当によかったと思います。

WACATE開催後に取り組んだこと

会社の先輩もWACATEに一緒に参加したので、他のQAメンバーを巻き込んで「テスト分析の勉強会」を開催しました。
テスターのアルバイトの方や、テストに詳しくない開発者の方に向けてテストプロセスやテスト分析について知ってもらえた良い機会になりました。

最後に

WACATEではテスト技術の向上ももちろんですが、その場にいた人との繋がりや、周りの向上心から得られた自分のモチベーションなど、目に見えないものをたくさん持って帰ることができました。
参加に迷っている方は、ぜひ参加をお勧めします。
実行委員の皆様、そして参加者の皆様、本当にありがとうございました!


(P.S) 実行委員が選ぶベストポジションペーパー賞もいただきました!(名前加工済み)

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