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リソースの期限(EOL)とは

2024/08/02に公開

リソースには期限がある

食品に賞味期限があるように、建物や設備に耐用年数があるように、ソフトウェアやクラウドで提供される基盤製品にもサポート期限があります。

巷では食品の賞味期限を偽って消費者に提供しニュースになる事例がたびたび報道されますが、ITエンジニアリングの業界でも例外ではありません。

このサポート期限を無視して使い続けていると、セキュリティリスクを発生させたり最悪の場合はサービスの停止・終了を余儀なくされる事態になってしまいます。

古くなったリソースを使い続ければサービスのユーザーに多大なご迷惑をおかけすることになり、信用を失ってしまう事態にもなりうるでしょう。

EOLとは

EOLとは「End of Life」の略で、製品やサービスの提供元がその製品のサポートやアップデートを終了する時期を指します。EOLを迎えたリソースは、セキュリティパッチやバグ修正が提供されなくなり、使用を継続することはリスクを伴います。

なぜ製品のEOLがあるのか

ソフトウェア製品は永久に提供され続けるわけではなく、常に新しいものに更新され入れ替わっていきます。
製品の提供期間は、バージョンの違いによって管理されています。

新しいバージョンがリリースされると、古いバージョンのサポートは徐々に終了していきます。これにより、最新の技術やセキュリティ対策を反映した製品を提供し続けることが可能になります。

半面、バージョンの古い製品を使用していたサービスは移行作業を強いられることになります。
サービスの移行はソフトウェアエンジニアリングの永遠の課題といえるでしょう。

EOLの管理方法

製品が突然サポート期限を迎え、何の予告もなく提供が終了してしまうかというとそうではありません。

通常、製品の提供元はEOLの日程を事前に発表し、移行期間を設けることが一般的です。この期間中に、ユーザーは新しいバージョンへの移行や代替リソースの導入を進めることが推奨されます。
この期間のうちにユーザーは移行計画を立てて、検証環境でテストを実施し、安全な移行を方法を検討してメンテナンスを実施しなければなりません。

最初にやるべきことは、現在使用しているリソースのEOL情報を把握することです。

EOL情報をキャッチするために

  1. 公式サイトのチェック:
    • 製品提供元の公式サイトやリリースノートを定期的にチェックします。
  2. ニュースレターの購読:
    • 製品提供元や信頼できる技術ブログのニュースレターを購読します。これにより、最新情報をタイムリーに受け取ることができます。
  3. コミュニティの活用:
    • 技術コミュニティやフォーラムでの情報交換を行います。他のエンジニアからの情報も有益です。
  4. 通知の管理:
    • EOL情報の通知が送信されるメールアドレスやチャネルを適切に管理し、重要な情報を見逃さないようにします。

ソフトウェアの有効期限は2~5年だそうですが、EOL情報は様々な場所で提供されています。

まず初めにチェックするべきは製品の提供元です。
リリースノートを確認して、最新版から2年以上古いバージョンを使用しているのであれば移行を検討するのが良いでしょう。

また、製品のバージョン互換を保持する必要がある複数製品のEOLを知りたい場合は多くの情報が掲載されているendoflife.dateがおすすめです。
https://endoflife.date/

クラウドリソースであれば、マネージド製品はたいてい今後のEOL情報が提供されメールなどで通知されることが一般的です。
しかし、メールの送信先が限られているとリソースの管理者が重要なメールを見逃してしまうこともあります。
まずはこのような通知がどこに送信されているか、情報が提供されている場所を確認しましょう。

その他、技術ブログやニュースレターなどにもEOL情報が掲載されています。
EOLはユーザーの要望によって時期が変更されることもあるので、常に新しい情報を取り入れることを心がけましょう。

組織全体での取り組み

非推奨リソースの管理は、個人や特定のチームだけの問題ではありません。組織全体で取り組むことで、より効果的な管理が可能になります。以下のポイントを考慮しましょう。

  1. 教育とトレーニング:
    • EOLの重要性と管理方法についての教育を行います。新しい技術やリソースの導入に関するセミナーなどを実施するのが良いでしょう。
  2. コミュニケーションの強化:
    • EOL情報を共有するためのコミュニケーションチャネルを整備します。また、定期的なミーティングや情報共有の場を設けることが重要です。
  3. ドキュメントの整備:
    • EOL管理に関するドキュメントを整備し、誰でもアクセスできるようにします。共通の認識を持っていることが大切です。
  4. ベストプラクティスの共有:
    • これまでの移行の成功事例やベストプラクティスを共有し、組織全体の知識とスキルを向上させます。

まとめ

製品がアップデートされることは性能やセキュリティが向上し、さらに良いユーザー体験をもたらす機会でもあります。
移行方法は公式サイト等で手順がドキュメント化されているので、計画性をもって取り組めば決して怖いことではありません。

計画的な移行と最新情報の把握を徹底することで、リスクを最小限に抑え、ユーザーに高品質なサービスを提供し続けることができます。
組織全体での取り組みを強化し、常に最新の情報と技術を取り入れる姿勢を持ち続けましょう。

参考にさせていただいた記事など

下記の記事を参考にさせていただきました。
バージョンアップの重要性についてわかりやすく記載されているので是非こちらもご参考いただければと思います。
https://qiita.com/autotaker1984/items/a3091772dbb0fb91473d

株式会社トッカシステムズ

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