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AWS Encryption SDK を使用してデータを安全に暗号化する

2024/06/08に公開

AWS Encryption SDK を使用してデータを安全に暗号化することは、セキュリティとコンプライアンスの観点から非常に重要です。しかし、暗号化のプロセスにおいては、データ暗号化キー(Data Encryption Key, DEK)の管理が課題となります。このブログでは、AWS Encryption SDK がどのようにデータ暗号化キーを管理し、開発者がその管理を簡素化できるかについて解説します。

AWS Encryption SDK の仕組み

AWS Encryption SDK は、データを暗号化および復号するためのクライアントサイドライブラリです。このSDKは、セキュリティベストプラクティスを簡単に適用し、データの保護を支援します。ここでは、AWS Encryption SDK の基本的な仕組みとその主要なコンポーネントについて説明します。

1. キー管理の基本コンセプト

AWS Encryption SDK では、以下の2つのキーが重要な役割を果たします。

  • データ暗号化キー(Data Encryption Key, DEK)

    • データの暗号化と復号に直接使用されるキーです。
    • 各データオブジェクトに対して一意のDEKが生成されます。
  • キー暗号化キー(Key Encryption Key, KEK)

    • DEKを暗号化するために使用されるキーです。
    • 一般的にはAWS Key Management Service (KMS)によって管理されます。

2. データの暗号化プロセス

データの暗号化プロセスは次のように行われます。

  1. DEKの生成

    • AWS Encryption SDK は、暗号化するデータごとに一意のDEKを生成します。
    • 例えば、AES-256アルゴリズムを使用して256ビットのDEKを生成します。
  2. データの暗号化

    • 生成されたDEKを使用して、対象データを暗号化します。
    • DEKは対称キー暗号方式(例えばAES)を使用してデータを暗号化します。
  3. DEKの暗号化

    • DEK自体を安全に保管するために、KEKを使用してDEKを暗号化します。
    • KEKは、AWS KMSなどのキー管理サービスによって提供されます。
  4. 暗号化データの生成

    • 暗号化されたデータ(ciphertext)とともに、暗号化されたDEKも格納されます。
    • この暗号化データには、メタデータとして暗号化されたDEKが含まれます。

3. データの復号プロセス

データの復号プロセスは以下のように行われます。

  1. 暗号化データの解析

    • 暗号化されたデータを受け取ると、まず暗号化されたDEKが抽出されます。
  2. DEKの復号

    • KEKを使用して暗号化されたDEKを復号します。
    • AWS KMSなどのサービスを使用してKEKによる復号が行われます。
  3. データの復号

    • 復号されたDEKを使用して、データを復号します。

4. AWS Encryption SDK の使用例

以下は、PythonでAWS Encryption SDKを使用してデータを暗号化および復号するコード例です。

from aws_encryption_sdk import EncryptionSDKClient, CommitmentPolicy
from aws_encryption_sdk.key_providers.kms import KMSMasterKeyProvider

# KMS マスターキーのプロバイダーを設定
key_arn = 'arn:aws:kms:us-west-2:123456789012:key/abcd1234-abcd-1234-abcd-1234abcd1234'
kms_key_provider = KMSMasterKeyProvider(key_ids=[key_arn])

# Encryption SDK クライアントを作成
client = EncryptionSDKClient(
    commitment_policy=CommitmentPolicy.REQUIRE_ENCRYPT_REQUIRE_DECRYPT
)

# 平文データ
plaintext = b'This is secret data'

# データを暗号化
ciphertext, encryptor_header = client.encrypt(
    source=plaintext,
    key_provider=kms_key_provider
)

# 暗号化されたデータを出力
print(ciphertext)

# データを復号
decrypted_plaintext, decryptor_header = client.decrypt(
    source=ciphertext,
    key_provider=kms_key_provider
)

# 復号されたデータを出力
print(decrypted_plaintext)

まとめ

AWS Encryption SDK は、データ暗号化キー(DEK)とキー暗号化キー(KEK)を使用して、安全かつ効率的にデータを暗号化および復号します。開発者は、SDKの提供する自動化されたキー管理機能を利用することで、セキュリティリスクを低減し、キー管理の負担を軽減できます。この仕組みを理解し、適切に活用することで、安全なデータ保護を実現できます。

参考文献

AWS Encryption SDK Documentation
https://docs.aws.amazon.com/encryption-sdk/latest/developer-guide/

AWS Key Management Service (KMS) Documentation
https://docs.aws.amazon.com/kms/latest/developerguide/

AWS Blog
https://aws.amazon.com/blogs/security/tag/aws-encryption-sdk/

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