マンガ図書館Zの無料漫画で16bitなセンセーションを養おう
はじめに
16bitセンセーション ANOTHER LAYER Layer 3 を見ました。
2023/10/22 12:00から2023/10/29 12:00まで無料公開されていたものを見ました。
32bitセンセーションになってびっくりしました。
原作では1992年、大学生になった上原メイ子が美少女ゲーム制作会社アルコールソフトのサブグラフィッカーとして働き始めるところから話が始まるらしいのですが、ANOTHER LAYERではアニメ化にあたり、新キャラクターの秋里コノハが主人公として設定され、「コノハが現代(2023年)から1992年(原作で描いている時代)にタイムトラベルし、1992年当時の人々と関わる」というストーリーにアレンジされています。
コノハを通して「2023年の視聴者」が見た「1992年当時の最新技術など」についてのギャップを楽しめるようになっています。
皆さんは楽しめていますか?
原神のパイモンみたいな声をした主人公がいちいち可愛くて、美少女ゲーム制作会社で働く女の子たちの日常を描いたアニメとして楽しめていますが、だいたい30年前の話ですので、何を言っているのか何もわからないし、ググっても当時のTTYフォーラムは出てこないし、そもそも皆さん1992年や1996年には生まれてすらいないのではないのでしょうか。
今はパソコンのことをろくに知りもしない奴らがプログラミングをやる時代です。
そこで今回は16bitセンセーション ANOTHER LAYER Layer 1のエンドカードも描かれた赤松健先生が立ち上げた「マンガ図書館Z」から1990年代当時の様子や当時のパソコンを知るにあたり参考になる無料漫画をピックアップしてみました。
マンガ図書館Z
マンガ図書館Zとは?
「マンガ図書館Z」は、漫画家・権利者・出版社の方々の許諾、ご好意によって「往年の懐かしいマンガ」や「惜しくも単行本化されなかったマンガ」、「新しく生み出されたマンガ」などが、全巻、いつでも無料で読める、電子書籍サイトです。
マンガ パソコン通信入門
初版発行1996年。原作:荻窪 圭先生、漫画:永野 のりこ先生の作品です。
パソコン通信の楽しみ方やNIFTY-Serveの始め方を学ぶことができます。
1996年当時の雰囲気が伝わってくるかのような話の展開は素晴らしいですね。オススメです。
ところで30年前からやっていることはX(旧Twitter)やDiscordとあまり変わらない気がするのですが……。
ちなみに科学系新書の老舗、講談社のブルーバックスから刊行されています。
みすて♡ないでデイジーを連載された永野 のりこ先生の他の作品はこちら。
すがやみつるのマンガWindows入門
初版発行1994年。構成:すがや みつる先生、画:くまの 歩先生の作品です。
MS-DOSとWindowsの違いから始まり、Windows 3.1の各機能やWindows 3.1で使えるワープロソフトやペイントソフトなどのソフトウェアついて学ぶことができます。
途中Windowsを使えるパソコンとしてNEC・PC-9821系やIBM-PC/AT互換機系(DOS/V系)が紹介されますが、だいたい1992年から1996年までにタイムリープした感じでWindowsを学ぶことができます。
他にもすがや みつる先生はMAC入門やロータス1-2-3入門の構成をやっており、こちらでも当時のMac OSや表計算ソフトの雰囲気を学ぶことができます。
まんがDE入門MS-DOS
初版発行1991年。くり ひろし先生の作品です。
1992年より少し前のパソコンでMS-DOSを動かす解説書で、非常に専門的な内容を漫画で分かりやすく学ぶことができます。
ちゃんとPC-9801や5インチフロッピーディスクが出てきますね! 感動!
かつてベーマガと呼ばれていたマイコンBASICマガジンという雑誌があったのですが、その中で連載されていたくり ひろし先生の連載漫画「パソコン・レクチャー」も読むことができます。
パソトラ るかぽんのパソコントラブル奮闘記
初版発行2001年。るかぽん(瑠沢るか)先生の作品です。
こちらは比較的新しい作品で、ちょうど美少女ゲームのAIRが発売された2000年頃のハードウェアや自作PCについて学ぶことができます。
何より絵が今どきで可愛く読みやすいです。
ハードの細かい話やPCパーツの価格を掲載していたり、まだ電気街だった頃の秋葉原も出てくるので結構歴史的価値ある情報なのでは……。
A・Iが止まらない!
最後に赤松健先生の作品です。1994年から1997年まで連載。
赤松先生がラブひなやネギまを連載する前の作品で、ハードウェアやソフトウェア、ネットワークの話は欄外の解説程度にとどめていますが、何よりAIを先取りした先見の明がある話は2023年に読んでも納得がいくものばかりです。
何より面白い! 純粋にコンピュータサイエンスの雰囲気を楽しみたい人にオススメです!
また単行本内の「私のパソコン大発表」では当時25歳の赤松先生が使用していたPC-9801パソコンが紹介されていたりします。
新装版では『赤松健が語る「A・I止ま!」ワールド!!』に変わっています。
おわりに
Windowsなんて余計なものが入ってきやがった時代では学べないことがたくさんあります。
1992年当時の最新技術を振り返り、16bitセンセーション ANOTHER LAYERをもっともっと楽しみたいですね。
16bitセンセーションはいいぞ。
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