AWS re:Invent2023の個人的振り返り(国内組)
概要
この記事はエンペイ Advent Calendar 2023 の12/4 分の投稿で、私は、SREとしている高木(@tkg_216)です。
この記事は、2023年12月に開催されたAWS re:Inventについての個人的な振り返り記事となります。
※注意:現地、ラスベガスに行って参加していない立場でのAWSre:Invent2023の振り返り記事となります。実際に現地で参加された方の話を聞きたい方は後述のJAWS-UGなどのre:Capイベントに参加することをお勧めします。
特に、1時間で全てのアップデートを確認できるこちらのBlackBeltはオススメです。
自分の過去のre:Invent歴としては、
- 一度も現地参加したことはない
- 開催時期にイベントをウォッチしていたのは去年が初めて(それ以前の記憶がない...)
- それ以前はなんとなくやっているのは知っていたり前後のアップデートに後から気づいたりするくらい
になります。
AWS re:Inventについて
AWS re:Inventとは
AWSのクラウドサービスに関わる技術的なセッション・ハンズオンなどを提供しており、お客様が主体的に体験できる学習機会が豊富な AWS 最大のラーニングカンファレンスです
要するに、AWSの1年で一番大きい世界的なイベントで、多くの新規サービスが発表されたり、各サービスや分野のセッションが行われたりします。
Keynoteやセッションについては動画公開されているものも多いですが、GameDayとかWorkShop、Expoなどの現地でしかできないことも多く、「学習」にフォーカスしているイベントでもあります。
去年2022年のre:Inventの話
去年のre:Inventで印象に残っているのは以下の2つです。個々のアップデートで記憶に残っているものというより、AWS・クラウドサービスの現在地やAWSの考え方などについてになります。
亀田さんのre:Capでの話(言葉は正確ではありません)
「ド新規のサービスの発表やクラウドへのマイグレーションのサービス発表はなかった。このことが意味するのはクラウドへの移行するフェーズは終わってこれからはクラウドを最適化していく時代になっていく」
keynoteの話
AWSの思想はUNIXの考え方に大きく影響を受けている
→これを受けて、「UNITという考え方」という本が話題になり、この本をテーマにしたイベントも開催されていた
この辺りの話を受けて、「なるほどな〜」と思ったのと同時に、各サービスの理解を深めて最適化していくことやAWSの思想のようなものを理解してアーキテクチャを検討したりサービスの特徴を理解したいなと思った気がします。(ちょっと盛っているかもしれません)
「ド新規のサービス発表はなかった」という点については少し寂しさも感じましたが...
また、この年のre:Inventまでは、当時AWSのエバンジェリストだった亀田さんがデイリーでre:Capをしてくださっていたんですが、転職に伴い今年のre:Inventではそれがなくなるのでどうするんだと各所や個人的にも気になっていました。
今年2023年のre:Inventの話
それでは、ようやく本題の今年2023年のre:Inventについての話に移りたいと思います
自分が期間中にしたこと
- 参加・視聴したイベント
- re:Invent 2023 re:Cap with AWS Hero in Japan を視聴
- 日時:11/29 ~ 12/1
- AWS Heroの方々がkeynoteを中心にre:Cap
- JAWS-UG コンテナ支部 #25 re:Invent 宇宙一よりちょっと早い re:Cap
- 日時:11/29
- コンテナ支部がラスベガスからコンテナ領域を中心にしたre:Cap
- ohayo_aws
- 日時:11/29 ~ 12/1の参加できるタイミング
- AWS Black Belt Online Seminar | 2023 年 AWS re:Invent 速報
- 日時:12/1
- re:Invent 2023 re:Cap with AWS Hero in Japan を視聴
- その他
- Twitter(X)でキャッチアップしたり、クラスメソッドさんの記事やAWSブログや更新記事を読んだりしていました。(What's newを全て見る!みたいなことは数が多すぎて難しいと感じたので、可能な限り拾えるものを拾おうくらいな感じでやっていました)
- AWS re:Invent自体は11/27から12/1までの1週間でしたが、その開催前数週間にかけて、re:Invent本体で発表しきれないアップデートがたくさん発表される通称:pre reInent期間中もアップデートが多いのでその期間のアップデートもなるべく見るようにしていました。(普段とそんな気変わりないですが)
気になるアップデート
re:Capではないと冒頭で書いたのですが、個人的気になるアップデートをいくつか挙げたいと思います。
- CloudWatchの進化
- アップデート
- Amazon CloudWatch Application Signals
- myApplications
- CloudWatch Logs関連の色々(ログフィルタ、自然言語検索、等々)
- pre reInvent期間中の運用関連アップデート記事が参考になります
- https://zenn.dev/ryoyoshii/scraps/daf319232f87ef
- 感想
- SignalsはまだEKSやJava限定などの制約はありますが、オブザーバビリティとしての機能が充実していそうで非常に楽しみで気になりました!またそれを集約可視化できそうなmyApplicationsも上手く使えると可視性の向上につながりそうだなと思いました。
- アップデート
- 自然言語入力
- アップデート
- CloudWatch LogsやRedshiftのクエリ生成、AWS Configが自然言語で検索したいことなどをインプットするとログやクエリを返してくれたりする機能の発表が多かった印象です
- 感想
- この辺りは今後のトレンドというか当たり前になっていくのかなという感覚を受けました。生成されるクエリやコマンドが正しいか効率的なものか等の判断ができるのは便利になっても大事なのかなと思いました。
- 4年前からワーナーはオブザーバビリティとかメトリクスの重要性を訴え続けてきたというのは知らなかったので、大きな流れの中での発表だったんだなと知ることができて興味深かったです。
- アップデート
- コスト関係
- アップデート
- AWS Cost Explorer がより詳細な履歴データの提供を開始
- Cost Optimization Hub
- CodeBuildのLambda対応
- ECRのプルスルーキャッシュやSOCI の選択的な利用
- 感想
- Warnerのkeynoteで"コスト"の話が話題になったこともあって挙げてみました。特にCost Explorerでリソースごとのコストが簡単に確認できるようになったり、Cost Optimization Hubで対応できるコスト最適化施策が見やすくなったりと、気になるものが多かったです。Heroesの方々も話していましたが、AWSにとってユーザーがコスト削減をすることは、本来、売り上げが下がることに繋がることでありながらも積極的にコスト最適化を支援していくアップデートを発表したり、AWSの営業やSAの方も嫌がることなくコスト最適化の話に乗ってくれるというところは、良い文化だなと思いました。
- CodeBuildのLambda対応やECRの効率化はコストカテゴリのアップデートではないですが、効率化は結果的にコストの最適化に繋がると思い、挙げさせていただきました。
- アップデート
- その他
- セキュリティ系
- ECSのランタイムモニタリング
- SecurityHubでルールのカスタマイズができるようになった
- SecurityHubでラベリングなどの機能が追加された
- Inspectorの拡張スキャンがCI/CDで利用可能に
- AWS Configのスキャン頻度をデイリーに設定可能
- Edge
- CloudFront KeyValueStore
- 感想
- ECSのランタイムモニタリングはこれまで対応されていなく、遂に対応された!インテグレーションも簡単そう!ということで注目度が高かった気がします。サイドカー的に動くようなのでパフォーマンス観点は気にしたいところです。その他のSecutiryHubやInspector、AWS Configなどのアップデートは実用性高く、すぐにでも使えそうだなという印象を受けました。
- また、CloudFront KeyValueStoreはpre reInventでの発表だったのですが、突然発表された感じがあり、AWSもEdge諦めていなく、投資領域なんだなと感じました。
- セキュリティ系
AWSの考えや思想的な話
Responsible AI innovation
生成系AIでは他社に遅れをとっていた印象がありましたが、少し前にBedrockを発表したり、今回もAI/ML系の発表が多かったです。その中でもセキュリティ面について、生成した画像へのボカシを入れる機能や個人情報保護など、しっかりガードレールを用意した上での発表となり、安全に生成AIを使っていくことに関してはリーディングしていく雰囲気を感じました。
コストや非機能要件にしっかりフォーカスしていく
先ほどコスト関連のアップデートでも触れましたが、コストや非機能要件についてもkeynoteで話があったようで、この辺を大事にしたり、しっかりメッセージを出していくのは良いなあと思いました。
自分も日本語でよく言われれる意味のコストでなく、ワーナーのいうところのコストの考え方をしていきたいです。
(まだ、ワーナーのkeynoteを見えていないのでアーカイブを見たいと思います...)
ワーナーのコスト:かけなければいけないもの(それが最適かどうかはよく考える必要がある)
イベントに参加したことについて振り返る
AWS Herosの方々の話、re:Capへ感謝
3日間に渡り、AWS Herosの方々がre:Capをしてくれて、そこでのHeros同士で話す深掘りや推測、現地での雰囲気も含めて伝えてくれて非常に良かったです。
本来であれば、他のセッション等も開催中の時間帯だったのでそちらに参加することを犠牲にしてでも開催してくれて本当に感謝しかないです。
(※AWS Herosというのはユーザーグループの中などから選ばれるAWSの中の人ではない人たちです)
久しぶりにリアルタイムでイベント参加
個人的な理由(主に子育て)で、夜間やオフラインで開催されているイベントにリアルタイムでの参加が中々できていなかったのですが、re:Capが日中行われていたこともあってオンラインからではあるもののイベントに参加できている感覚を味わえました。
アーカイブが残るイベントも多いので情報収集自体はできるのですが、熱量や文脈が落ちてしまう感じがあり、アーカイブで得られるものとリアルタイムで得られるものの差は大きいなと実感しました。余裕が出てきたら、リアルタイムやオフラインイベントにも参加していきたいなと思います。
具体的な細かい例だと、oyaho_awsで本題のアップデート紹介と少し逸れる話で、CodeWhisperer for command lineの話題になって、数ヶ月前のアップデートだったのですが、自分はそのアップデートをキャッチできていなかったので、翌日インストールして見るみたいな体験ができるのは良いなと思いました。
たまたまインストールしたタイミングで、Amazon Qも導入されていて、Twitter(X)で投稿したらまあまあ反応があり良かったです。
触っていないサービス特にAI/ML系のアップデートわからん・・・
Swamiさんのkeynoteがあった日のkeynote内容やアップデート情報はAI/MLのものがほとんどでした。自分が疎い分野であるので正直ほとんどピンとこなかったです。
全ての分野のアップデートを追うことは現実的でなかったりするとは思いますが、使ったことのある・馴染みのあるサービスについてはアップデートを追うのが楽しかったりするものなので、自分の知っている領域を増やしていくことが学習モチベーションをさらに高めるものに繋がるものだろうな〜という感想を得ました。
まとめと今後
以上、エンペイ Advent Calendar 2023 の12/4 分として、AWS re:Inventを個人的に振り返って見ました。
まだアップデートされた情報について、マネジメントコンソールで変化が確認できるものやAWS Config周りくらいしか実際に触れていないので、実際に動かしてみることで理解度を深めていけたらなと思います。
全体を通しての個人的なざっくり感想としては、去年よりも幅広く、深くキャッチアップできたのではないかと思います。去年のre Inventを踏まえて今年はどうなんだろうみたいな観点で見たのは初めてだったので、今後も全体の流れや方針、思想のようなものを意識しながらアップデート情報を追っていくことで、単体のアップデート情報に「つながり」が見えてきて、より深い理解ができたり楽しくアップデート情報を追うことができる気がしました。
re:Inventのre:Capイベントは12/4の週から各JAWS-UGのグループで行われていくので、気になるイベントや、お近くのイベントがあれば是非ご参加ください!
以上、感想中心でしたが、誰かの役に立てば幸いです。
Discussion