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DRAFT: 実際のところ「地球温暖化」って何なのか?(メカニズム編)

2021/11/14に公開

NOTE:2021年11月14日現在で執筆中です。反響があれば追記したいと思います。

筆者は情報セキュリティを生業としていますが、「セキュリティ」がカバーする分野はとても広く「気候変動(地球温暖化)」ですらリスク管理の観点で考慮しなければならない要素になりました。しかし、ニュース等で「『CO2』を始めとする温室効果ガスの排出を実質ゼロにする」とか「SDGs」などと漠然とした単語や文脈を並べられても、いまいち頭に入ってきません。
なので、自分なりに気候変動について調べて「どういう仕組み」で「何がヤバい」かまとめました。

前提

理解のために高校レベルの物理の知識が必要ですが、なるべく直感で入ってくるような説明を心がけています。
また、当人は物理学・気象学の専門家ではありません(趣味で気象予報士の勉強はしていますが所詮アマチュアです)。記載内容について正確性等などに十分注意していますが、検証等について別途文献をご参照ください。

キーワード

  • 太陽
  • 温室効果ガス
  • ケルビン(K
  • 電磁波
  • 黒体
  • ステファン・ボルツマンの法則
  • アルベド
  • キルヒホッフの法則
  • ウィーンの変位則
  • 太陽放射と地球放射

ざっくりとしたメカニズム

「太陽」と「温室効果ガス」との関係性を項番で書いてみました。余裕があれば絵でも説明したいと思います。

  1. 地球は主に太陽からエネルギーを受け取りますが、すべて吸収できるわけではなく一部を宇宙空間上に反射しています(「アルベド」と言います)。
  2. 地球は太陽から受け取ったエネルギーの3割を宇宙空間に反射し、残りの7割を吸収します。
  3. 吸収されるエネルギーの影響で、地球地表面の温度は、大気の影響が無ければステファン・ボルツマンの法則から 「255K(-18℃)」と求められるものの、実際は窒素・酸素に代表される「空気の存在」を検討に入れる必要があります。(地球の放射平衡温度)[1]
  4. 空気の存在を考慮するとき、分子がやり取りする電磁波も考慮する必要があります(プランクの法則、キルヒホッフの法則)。
  5. 太陽から放射されたエネルギーの波長は、約47%が可視光帯域で、残り53%が赤外線と紫外線です。このうち「赤外線と紫外線の波長を吸収する分子」と「可視光帯域を吸収する分子」でそれぞれ電磁波の交換が起こります(キルヒホッフの法則)。
  6. この「赤外線と紫外線の波長を吸収する分子」に代表される分子が、いわゆる「温室効果ガス」で二酸化炭素(CO_{2})や水蒸気(H_{2}O)がその代表です。
  7. 太陽から放射されるエネルギーは、様々なやりとりがなされますが一般的に20%が大気や雲に吸収されます。つまり、このエネルギーが吸収される20%をいかに減らすか、気候変動を考える上で重要になります。[2]

以上が、厳密性を欠いた一般的なメカニズムです。

端的に言えば、

太陽から降り注ぐ『目に見えないエネルギー』を温室効果ガスが吸収することで、地球が温まり、それが原因で水蒸気(温室効果ガス)がさらに増えて、負のスパイラルに陥る

というのが気候変動問題の大きな問題点であると認識しました(違ったら教えてください)。
水蒸気量そのものを減らすことが至上命題であるものの、人間が水蒸気量は調整できない(海の存在が大きすぎる)から、「二酸化炭素を減らしましょう」と呼びかけられているのかな、と推測します。

地球温暖化と異常気象の関係性について

これもまとめると大変ですが、ざっくり言うと降水過程で「エアロゾル(エーロゾル)」と呼ばれる”雨の種”のようなものが必要で、これは主に人間が社会活動する上で放出するチリや化学物質などが原材料となります。このエアロゾルと水蒸気の絶対量が増えることで異常気象(豪雨・豪雪・洪水など)が発生する原因となります。
つまり、「地球温暖化」と「異常気象」は直接的な因果関係はありませんが、「人間の社会活動」を通し両者を結びつけることで異常気象が発生します。奇しくも水蒸気は温室効果ガスなので、温暖化と降水により、もともと海に保存されていた水分が蒸発することで大気中に水蒸気が大量供給されるため、地球温暖化が進むという悪循環が発生してしまいます。

じゃあ、どうすれば気候変動問題は解決するの?

根本原因は「太陽からのエネルギー」と「温室効果ガス」の悪循環なので、「太陽からのエネルギー」もしくは「温室効果ガス」のどちらかを減らすことで解決しますが、「太陽からのエネルギー」を減らすことは不可能でしょう。
このことから「温室効果ガス」を減らす以外の方法がなく、特に大気中に多く含まれる窒素と酸素のうち、人間が生きる上で必ず必要で、燃焼により容易に酸化反応を起こす酸素にフォーカスし、石炭・石炭を始めとする炭素の酸化物である「二酸化炭素」を減らそうという取り組みになったのだろうと推測します。

まとめ

根本原因から紐解き、今から私たちがすべきことは、

  1. 炭素由来のエネルギー利用を減らす(炭素の酸化物を減らす)
  2. 人間活動で使われるエネルギーの絶対量を減らす(炭素由来のエネルギー使用量を減らす)
  3. 温室効果ガスそのものを減らす(光合成等の二酸化炭素を原料とするシステムの構築)
    なのかなと思います。

一方で、太陽放射のエネルギーの20%は自然が勝手に吸収してしまうため、少なくとも人間が温室効果ガスを20%以上減らさないと温室効果ガスが減少していきません。
今の生活から炭素使用量をいきなり20%を減らすのは困難ですので、10年間で温室効果ガス20%削減を目標とすると年間の炭素使用量を 約1.9% だけ減らした生活を続けることでも達成できます。
将来のことも考え、小さなことからコツコツと積み重ねながら生活したいと思います。


以下、下書き中

キーワードの説明

ステファン・ボルツマンの法則

黒体放射のすべての波長帯のエネルギー総量は、黒体の絶対温度の4乗に比例する、という法則。

I^{\ast} = \sigma T^{4}

で示されます。
ただし、I^{\ast} は、ある黒体の単位面積が単位時間に放射するエネルギー、\sigmaは、ステファン・ボルツマン定数(6.67\times 10^{-8} W/(m^{2} K^{4}))、T は黒体の絶対温度(K:ケルビン)とします。

ウイーンの変位則

放射強度が最大となる波長 \lambda_{m} [\mu m] は、黒体の絶対温度Kに反比例する経験則。

\lambda_{m} = \dfrac{2897}{K}

つまり、絶対温度が高いほど放射強度の波長が短くなるので、気候変動上は温暖化が進むほど波長が短い電磁波の放射強度の最大値が大きくなる。

脚注
  1. 大気の影響がある場合の放射平衡温度は約300K(30℃)。このことから温室効果ガスは地球を温める影響があると考えられています。 ↩︎

  2. 一方で、キルヒホッフの法則からもあるように地球が宇宙空間に放出するエネルギーもありますが、この説明では割愛しています。 ↩︎

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