都内勤務のインフラSEがリモートで認知症介護に向き合った話
【結論】いつかの介護問題が心配なあなたへ伝えたいこと
- 将来の介護対象者の資産状況を把握する
- ご実家が持ち家および土地の場合、ある程度の時期が来たら名義変更しておく
- 将来の介護対象者がガラケー利用者であった場合、早急にスマホへ変更する
- 将来の介護対象者が意思疎通が困難になった場合、誰に何をどうしてほしいのか文書に残してもらう
- できるなら遺言書を準備してもらう
- (余裕があれば)見守り系の機器やサービスは今の時点で導入しておく
はじめに
都内でインフラSEをしていて、上記条件すべて揃っていなかった私です。2023年9月に母親が認知症の疑いがあることが判明し、毎月1週間ずつ帰省しつつ母の施設入居までのタスクが一旦終わりました。
テック系ではないこの記事をこちらに投稿すべきか悩みましたが、底辺エンジニアがなんとかITの力を借りながら介護問題に対処した証跡&これから直面する方へ伝えたいことを残します。
いつか誰かの役に立ちますように・・・!!!
結論の補足
- 将来の介護対象者の資産状況を把握する
そのままですが、ご両親がどの銀行にどのくらい資産を保有しているのか、投資信託やその他金融商品は何を保持しているのか等、洗い出しを一緒に行うことをお勧めします。
施設入居を考える際、親の資産がどのくらいあるのかで当然選択肢や自分の負担も変ってきます。
親子であってもセンシティブな話題ではありますが、、もし資産に不安があれば現時点で金融商品の組み換えを行うことで多少改善できるかもしれません。
また、項番4にも通じますが、キャッシュカード(その暗証番号)や印鑑、マイナンバーカード等、重要なものはどこに「置いておくのか」を家族で決めておくことも大事だと思います。
- ご実家が持ち家および土地の場合、ある程度の時期が来たら名義変更しておく
家や土地の名義がご両親のうちお一人で、その方が認知症と診断された場合、名義変更ができなくなります。つまり売買もできなくなります。ある程度の年齢に達したら、ご家族のうちどなたかに
名義変更しておくことをお勧めしたいです。
- 将来の介護対象者が意思疎通が困難になった場合、誰に何をどうしてほしいのか文書に残してもらう
- できるなら遺言書を準備してもらう
特に項番5については書籍や市の弁護士の無料相談、公証役場へ相談へ行き、一緒に準備を進めておくと万全だと思います。
- 将来の介護対象者がガラケー利用者であった場合、早急にスマホへ変更する
- (余裕があれば)見守り系の機器やサービスは今の時点で導入しておく
見守り系のサービスを認知症になった後に導入を試みましたが、結論から言うと無理でした。
新しいことを覚えることが難しかったり、異物ととらえてどこかにしまってしまったり、余裕があれば今の時点から導入しておくことをお勧めします。
項番3を達成できれば、見守り機器の代替になるので検討は見送ってもよいのかなと個人的に思います。
仕事との両立について
ここは子育てをされている方も苦心されていると思うのですが、コロナ禍後でかつリモート可の職場環境だったため、かなり救われました。
ただ、実家が地方だったこともあり、毎月の行き来が体力的にも精神的にも慣れず、普段ならありえないミスを連発したりと、集中できない日が続きました。SEとしては、今予期せずセーブしないといけないこと、勉強ができないことなど焦る日々でしたが、一時的なものだと割り切って、なんとか、、
タスク/スケジュール管理
書くまでもないですが、Androidユーザのため下記を使っていました。
病院、市の方との面談、その他窓口への申請や問い合わせ、何らかの機関との面談、想像以上にタスクが出てきます。
Wiki
これまた書くまでもないですが、各方面と調整したこと、調べたことをNotionに定期的にまとめていました。
調整先が本当に多いので、できるだけ当日近辺ににまとめてupして状況を把握できるように。
また、専門用語や不明点、母の言動や病気に関することも全部まとめて、調整先とレベル感を合わせられるようにしておくとスムーズに進められた(気がします)。
親族でLINEやってない人がいる場合
介護放棄した諸悪の根源の父親が当時ガラケーでした。ただPCは使ってるとのことだったので、Slackで家族内やり取りをしていました。既読つかない、無償版でも通話できる、バックアップもとれるので適度な距離感を保ちつつうまいことやりたい場合には最高だと思いました。
バックアップのjsonから履歴を抽出するクソコードはこちらに。
import json
import glob
import os
#ディレクトリは適当に書き換え
os.chdir('..')
os.chdir('general/')
os.remove('export_file.txt')
files = glob.glob('202*.json')
exportf = "export_file.txt"
def conv_log(jfiles):
for k in range(len(jfiles)):
json_open = open(jfiles[k], "r", encoding="utf-8")
json_load = json.load(json_open)
for i in range(len(json_load)):
with open(exportf, "a", encoding="utf-8") as f:
f.write("user: " + json_load[i]["user"] + "\n")
f.write(json_load[i]["text"] + "\n")
f.write("\n")
if __name__ == '__main__':
conv_log(files)
すべてを忘れて息抜きする時間を持つ(超大事)
私の場合は下記でした。
一番のおすすめはエイコーちゃんのゲーム配信です。まじで笑えます。
ただ、完全1人で挑むとなると、本当にメンタルやられます。おかしいなと思ったらすぐメンクリに。
- 読書
- 介護の諸問題を話せる人と話す(私の場合はいとこでした。)
- 友人知人と(介護問題以外の話題を)話す
- エイコーちゃんのゲーム配信を見る
- アニメを見る
最後に
親の介護について、積極的に関わる、無視する、誰かに任せて静観する、いろんな選択肢があります。これは本当にお世話になった市の地域包括支援センター[1]の担当者の方に言われた言葉です。
「あくまで一番大切なのは自分の人生で、このまま毎月帰って介護を続けていたら、私の人生ってなんやったんだろうと思うと思う。ここまではできるけどここからはやらない、と線引きして考えましょう。ずっと考えていたら、本当に憂鬱になるでしょう。考えすぎな。おいしいもんでも食べて、ゆっくり休んでください。」
これから問題に直面する誰かが、自分の人生を一番大切に、そして後悔のない選択ができるよう祈っています。
-
認知症の初期対応を担当してくださる機関です。 ↩︎
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