自家用AIマシン構築記 #1|クラウドと自作、キミならどちらを選ぶ? 予算20万円で作るAIマシン
はじめに
昨今、なかなかフォローしきれないほど、様々なAI系のツールが世の中に出現しています。
それらの動作原理を理解するには、やはり自分の手を動かすのが何より重要です。
幸い、私の職場にも最新のGPUを搭載したマシンが導入されました。
しかし、どうしても業務での利用が優先されてしまい、個人的な学習目的での利用は、ちょっと気が引けますよね。
また、もし職場のマシンで高負荷なタスクを走らせてシステムをハングさせてしまったら、本来の業務に支障を生じかねません。
というわけで、個人的な学習や実験を目的として、「自家用AIマシン」の導入計画がスタートしたわけです!
いくつか選択肢はあるが、、、
さて、個人用のAI基盤を整備する上では、以下の2つの選択肢があろうかと思います。
- GPUクラウドサービスを利用する
- 高性能GPUを搭載したPCを自作する
GPUクラウドという選択肢
AIブームを受けて、世の中には様々なGPUクラウドサービスが存在しています。
もちろん、無料というわけにはいかず、時間単位で課金されるものがほとんどかと思います。
A100やH100のような、大容量メモリを搭載した業務用GPUが利用できるのが魅力的です。
例えば、Lambda Labsというサービスでは、A100 40GB、30CPUs、255GB RAM、513GB ストレージというスペックで、1時間$1.29という設定になっています。
数日程度のスポット利用であれば数千〜数万円程度、ハードを組み立てる手間もなく、たぶんいちばんお気軽に利用できるでしょう。
それでも自作に惹かれる理由
しかし、やっぱり自分専用のハードを持つというのは夢があります!(思いっきり主観入っています)
また、コンシュマー向けのグラフィックボードについても、一昔前では考えられないくらいのスペックの製品に手が届くようになってきました。
そこで、昨今のハードウェア事情についても調査対象とすべく、今回は、あえて自作に踏み切ることにしました!
ハードウェアの選定条件
とはいいつつ、子育て真っ最中の身であるため、夏のボーナス支給日直後とはいえ経済的に余裕があるわけではありません。
そこで、今回の自作においては、以下の条件を設定しました。
- 予算:総額20万円(ペイディの分割払い利用可能枠上限)
- 目的:当初はゲーミング用途も考えていたが、コストの関係から除外
- OS:したがって無償利用可能なLinux (Ubuntu)を選定
- その他:AI推論の動作に適したGPU、メモリは多め
- 自分の部屋に置くため、インテリア性も重視
選定結果
ChatGPTさんと一緒にもろもろ検討した結果、以下のパーツを選定しました。
(ついでに、今回購入したTukumoさんへのリンクも貼っておきます)
パーツ | 製品名 | 価格 | 購入リンク |
---|---|---|---|
CPU | AMD Ryzen 5 7600 | ¥26,800 | Tsukumo |
GPU | PNY GeForce RTX 5060 Ti 16GB Overclocked Dualfan | ¥76,980 | Tsukumo |
メモリ | CORSAIR DDR5 SDRAM(288pin) / 64GB(32GB × 2枚組) / DDR5-6000 CL40-40-40-77 / XMP 3.0 / VENGEANCE RGBシリーズ | ¥31,480 | Tsukumo |
ストレージ | Crucial M.2 NVMe 内蔵SSD / 1TB / PCIe Gen4x4 / ヒートシンク非搭載 / P310 NVMe SSD シリーズ | ¥8,980 | Tsukumo |
マザーボード | MSI B650M GAMING PLUS WIFI | ¥15,980 | Tsukumo |
電源ユニット | 玄人志向 KRPW-GA750W/90+ (750W) | ¥9,818 | Tsukumo |
PCケース | Deepcool CH260 WH | ¥11,800 | Tsukumo |
ケースファン | Deepcool FD12 ARGB WH-3 IN 1 | ¥5,459 | Tsukumo |
キーボード・マウス | ロジクール MK295 Silent Wireless Combo | ¥3,861 | Tsukumo |
総額 | ¥191,158 |
GPUの選定について
パーツの中で、最も価格と性能にダイレクトにリンクするのがグラフィックボード(GPU)です。
最新の「NVIDIA Blackwell アーキテクチャ」を採用したRTX 50シリーズの中からチョイスすることなります。
- ビデオメモリを32GB搭載した一番高性能なRTX 5090は、それ単体だけで軽く予算をオーバー
- 高性能なGPUを乗せたいがために、それ以外のパーツ(CPUやメモリ)をケチってしまうと、それはそれで、全体としてアンバランスな構成になってしまいかねない
- ということで、GPUは10万円以内で!
以上の条件に合う製品となると、「RTX 5060 Ti 16GB」と「RTX 5070 12GB」の2択に絞られます。
Tensorコア数は、それぞれ144と192とのことで、基本スペックを考えるとRTX 5070に軍配が上がります。
一方、VRAMの容量は前者の方が多く、この4GBの差をどう考えるかがキーとなってきます。
ここからは個人的な意見ですが、コア数の多寡はAI推論実行時のスピードの早い遅いに相関しますが、VRAM容量が小さいと、そもそも実行が可能なAIモデルを制限してしまう可能性があります。
ということで、今回はスピードよりもVRAM容量を優先し、前者のGPUを選択しました。
(ちなみに、1世代前のRTX 40シリーズも考えましたが、Tsukumoさんには在庫がほぼなかったです。Amazonには販売があるようなのですが、ちょっとリスキーなので避けました)
見た目は大事だよ!
PCケースは、側面がガラスのDeepcool CH260(ホワイト)をチョイスしました。
今回、ケース選択の際に重視した条件は、インテリア性の他にグラフィックボードが搭載できること。
グラフィックボードが2スロット占有してしまうことや、将来の拡張性も考慮して、本品の選定に至りました。
側面がガラスということで、中をどう見せるかが重要となります。
とにかく光らせたかったので、メモリもケースファンもLED付きのものをチョイスしました。
ついでに、GPUファンも光らせたかったので、以下の2製品をヨドバシから追加購入(^ ^;
OSインストール用にUSBメモリも追加購入。
パーツ | 製品名 | 価格 | 購入リンク |
---|---|---|---|
CPUクーラー | Thermalright Assassin Spirit 120 EVO WHITE ARGB | ¥3,980 | Yodobashi |
RGB分岐ケーブル | ainex RGB LED用 3分岐ケーブル 30cm RLD-SPLIT3A | ¥563 | Yodobashi |
UDBメモリ | KIOXIA USBフラッシュメモリ TransMemory U202 USB2.0対応 32GB ホワイト KUC-2A032GW | ¥748 | Yodobashi |
次回、組み立て編につづく!
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