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XRP Ledgerに隠された非常に優れた技術

2023/03/27に公開

はじめに

暗号資産分析企業のMessariが、XRP Ledgerのレポートを公開しました。

このレポートではXRP Ledgerの技術面、エコシステム面での概要を学ぶことができます。
コンセンサスの説明や助成金についても取り上げられており、XRP Ledgerを知る上で非常に参考になる内容です。

https://messari.io/report/xrp-ledger-more-than-ripples?utm_source=twitter_redsheehan&utm_medium=organic_social&utm_campaign=xrp_more_than_ripples

このレポートの作者であるRed Sheehan氏のツイートが非常に興味深かったので、紹介します。

※ツイート翻訳の許可を得ています。

https://twitter.com/redvelvetzip/status/1638230100754980864


XRP Ledgerの主なユースケースは、クロスカレンシー取引の促進と決済ですが、それを実現するために、非常に優れた技術が隠されています。

ここでご紹介する主な機能は以下の通りです。

  • 発行トークン
  • ネイティブDEX
  • アカウント

発行トークン

ほとんどのネットワークでは、ネイティブトークン(例:EthereumのEther)は、他のすべてのトークン(fungibleとnon-fungible)とは異なる機能性を持っています。

XRPLの発行トークンでは、このようなことはありません。

ファンジブルトークン(ステーブルコインやEthereumのERC20など)とノンファンジブルトークン(NFT)はネイティブでサポートされており、XRPが持つほぼすべての機能を共有しています。

XRPは、ウォレット準備金、トランザクション手数料、トラストラインに使用する必要があり、ユーザーによる作成・破棄はできません。

つまり、トークンはスマートコントラクトを経由してデプロイする必要がないのです。そのため、ERC-20やERC-721と比較して、悪用される可能性は低くなります。

自由度は低いものの、セキュリティや非開発者向けのアクセスのしやすさは非常に優れています。

XRPLは他のスマートコントラクトとは異なるため、dApp開発者はすべてのXRPLトークンを同じ方法で統合することができ、エコシステム開発者にとっての利点となります(これがWETHなどの特定の標準が存在する理由のようなものです)。

トラストラインを覚えていますか?

あれはトークンを保持するための仕組みです。発行トークンを受け取るには、トラストラインを設定し、その過程で2XRPをロックする必要があります(後で取り戻せます)。

認可トラストラインは、資産レベルでのさらなる利便性を提供します。

発行者は、どのウォレットがトークンを扱うことができるかを選択することができるのです。ステーブルコインの発行者がAML/KYC規制に準拠し続けるための適切なツールのように思えます。

トラストラインは、トークンのスパムを防止します。アナリストとして、特定のトークンの保有者数を比較的信頼できる形で把握できるのは非常にありがたいことです。

例えば、@realSologenicのSOLOトークンは発行トークンの中で最も保有者が多く、20万人を超えています

ネイティブDEX

XRPLにはセントラルリミット・オーダー・ブック(CLOB)が組み込まれています。ネイティブな発行トークンが存在するのであれば、ネイティブな取引方法も存在するはずですね。

個別のDEXの実装に使用されるスマートコントラクトの固有の脆弱性に対するリスクはなく、むしろネイティブDEXには、より少ないトラストの前提条件と統合された流動性のメリットがあります。

同じDEXの100のフォーク同士で流動性が分断されることはなく、すべて共有されます。

XRPL上の「DEX」は、実際には内部のネイティブDEXへのゲートウェイです。どちらかというと、ユーザーとのやり取りを促進するフロントエンドのようなものです。

パスファインディング(別名:オートブリッジ)は、DEXの注文をマッチングさせます。これは、流動性の低いトークンの取引に役立ちます。

NFT送金、DEX注文、トラストラインの設定といった処理を行うスマートコントラクトは存在せず、これらはすべて29種類の共通トランザクションとして組み込まれています。

このトランザクションタイプ別の内訳により、オンチェーンのアクティビティを簡単に分析することができます。

OfferCreateとOfferCancelはトークン取引の注文の出し入れを行うもので、Paymentはその名の通りです。

アカウント

まず、1つのアカウントで複数の目的/ユーザーを表すことができる「宛先タグ」です。これは、カストディアン/企業であれば組織化するのに、個人であっても便利なツールです

私たちがEthereum上でAccount Abstractionと呼んでいるものの多くは、XRP Ledger上でネイティブに利用可能です。

追加のキーペアを割り当てたり変更したり、ホワイトリストされたキーペア/アカウントの署名者リストを作成し、定足数で複数署名のトランザクションに貢献することができます。


参考リンク

トークン

https://xrpl.org/ja/tokens.html

トラストライン

https://xrpl.org/ja/trust-lines-and-issuing.html

認可トラストライン

https://xrpl.org/ja/authorized-trust-lines.html

DEX

https://xrpl.org/ja/decentralized-exchange.html

共通トランザクション

https://xrpl.org/ja/transaction-types.html

アカウント

https://xrpl.org/ja/transaction-types.html

追加のキーペア

https://xrpl.org/ja/cryptographic-keys.html#レギュラーキーペア

複数署名のトランザクション

https://xrpl.org/ja/multi-signing.html#マルチ署名

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