React Nativeでのスタイリング方法を比較 ~ 2024年冬 ~
こんにちは!テラーノベルでiOS/Android/Webとフロントエンド周りを担当している @kazutoyoです!
React NativeではStyleSheet APIが提供されており、CSSに近い形でスタイリングを行うことが出来ます。
それ以外にも、NativeWindやTamaguiなどのスタイリングライブラリが存在します。
今回はそれらを比較しながら、それぞれのメリットなどをご紹介したいと思います。
スタイリング方法の比較
StyleSheet API
React Native標準のStyleSheet APIは、次のようにStyleSheet.create()でスタイルを定義してViewにスタイルを設定できます。
import React from 'react';
import {StyleSheet, Text, View} from 'react-native';
const Hello = () => (
<View style={styles.container}>
<Text style={styles.title}>Hello, React Native</Text>
</View>
);
const styles = StyleSheet.create({
container: {
flex: 1,
padding: 24,
backgroundColor: 'lightgray',
},
title: {
backgroundColor: 'yellow',
borderRadius: 8,
paddingHorizontal: 16,
paddingVertical: 8,
textAlign: 'center',
fontSize: 30,
fontWeight: 'bold',
},
});
export default Hello;
実行結果
標準的なCSS-in-JSスタイルでこれだけでも十分ではありますが、WebでTailwindやChakra UIなどでスタイリングを行っている方は同じように行いたいかもしれません。
また、標準のStyleSheet APIの場合はレスポンシブスタイルやテーマ機能を実現するには独自に実装が必要です。
それを解消するために、他のスタイリングライブラリの利用を検討する価値があります。
NativeWind
NativeWindはTailwindと同じようにUtility-FirstなReact Nativeのスタイリングライブラリです。
WebのTailwind同様に、テーマ機能やレスポンシブにも対応し、プラットフォームごとのスタイリングも可能です。
例えばiOS、Android、それ以外(Web等)でのスタイルを変える場合、次のように指定できます。
<Text className="text-black ios:text-red-500 android:text-blue-500 text-5xl font-bold">
Hello, React Native!
</Text>
またUIコンポーネントとして、shadcn/uiをベースにして作られたReact Native Reusablesも活発に開発されています。こちらも組み合わせて使うと良さそうです。
Tamagui
TamaguiはChakra UIのようにコンポーネントのインラインでスタイルを設定できるスタイリングフレームワークです。
ビルド時に最適化されるため、高パフォーマンスであることも売りになっています。
スタイリングは次のように行うことが出来ます。
<Text
color="black"
bg="$yellow1"
borderRadius="$1"
p="$5"
w="100%"
// Smallサイズ以上の場合は横幅を自動にする
$gtSm={{
w: 'auto',
}}
// iOSのときは赤色
$platform-ios={{
color: '$red10',
}}
// Androidのときは青色にする
$platform-android={{
color: '$blue10',
}}
>
Hello, React Native!
</Text>
また多くのUIコンポーネントも提供されているため、それらを組み合わせて簡単にアプリケーションを作成できます。
react-native-unistyles
react-native-unistylesはStyleSheet APIのスーパーセットと称されています。
実際、StyleSheet APIとほぼ同じAPIでスタイルを定義できますが、レスポンシブ、テーマなどの機能を提供されます。
またC++で実装されていて、パフォーマンスに重点を置いているため、標準のStyleSheet APIとほぼ変わらないパフォーマンスとなっています。
次のように、importを react-native-unistyles
に変えるだけなので、標準のStyleSheet APIからの移行が簡単に行えます。
- import { StyleSheet } from 'react-native'
+ import { StyleSheet } from 'react-native-unistyles'
const MyComponent = () => {
return (
<View style={styles.container}>
<Text>Hello world from Unistyles</Text>
</View>
)
}
const styles = StyleSheet.create({
container: {
backgroundColor: 'red'
}
})
React Native標準のStyleSheet APIで機能的に足りない場合に検討するとよいでしょう。
トレンド比較
今回比較した3つのスタイリングライブラリをnpm trendsで見てみましょう。
npm trends nativewind vs react-native-unistyles vs tamagui
直近でNativeWindが大きく伸びており、react-native-unistylesも徐々に増えてきてTamaguiと同等になってきているようです。
機能比較
各スタイリング方法の機能比較を行いました。
標準のStyleSheet API以外は機能的な差分はほぼ無いと思います。
ライブラリ | スタイル方法 | レスポンシブ | テーマ機能 | プラットフォームごとのスタイル指定 | Web対応 | パフォーマンス |
---|---|---|---|---|---|---|
StyleSheet API | StyleSheet | ⚠️[1] | ⚠️[1:1] | ⚠️[1:2] | ⚠️[2] | ✅ |
NativeWind | TailWind | ✅ | ✅ | ✅ | ✅ | ✅ |
Tamagui | styled-component / inline props | ✅ | ✅ | ✅ | ✅ | ✅ |
react-native-unistyles | StyleSheet | ✅ | ✅ | ✅ | ✅ | ✅ |
まとめ
NativeWind/Tamagui/react-native-unistylesの3つはどれも活発に開発が行われているため、導入することは比較的安心できると思います。
ただし、一度導入したスタイリングライブラリを別のものに置き換えるにはかなり苦労する[3]ので、導入前によく検討したうえで決定するとよいでしょう。
それでは良いReact Nativeライフを!
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