2025年のReact Nativeを振り返り、2026年に期待すること
こんにちは!テラーノベルでフロントエンドを担当している@kazutoyoです!
こちらはReact Native Advent Calendar 2025の1日目の投稿です。
React Nativeについての1年を振り返り
2025年はReact Nativeにとって転換点の年でした。
New Architectureへの完全移行、React 19対応、そしてReact Foundation設立など、大きな変化がありました。
今年のReact Nativeと周辺技術について振り返ってみましょう。
New Architecture時代が到来!
昨年リリースされたReact Native 0.76からNew Architectureがデフォルトになりました。
今年6月にリリースされたReact Native 0.80ではついにLegacy Architectureが凍結され、0.82ではNew Architectureに置き換わりました。
そして次にリリースされる0.83では相互運用レイヤーにあるLegacy Architectureの実装が削除され、完全にNew Architectureのみになる予定です。
つまり、2026年からは完全にNew Architectureに対応していかないといけません。
まだ移行ができていない方は、2026年の完全移行に向けて、今から検証を始めることを
お勧めします。
Shopifyの移行事例も参考になります。
利用者数が大きく増加
ここ1年でReact NativeやExpoの利用者数が大きく伸びました。
npmダウンロード数は前年比160%増加し、週間464万ダウンロードを記録しています。
日本でクロスプラットフォームの開発といえばFlutterがまだまだ優勢ですが、React Nativeももっと盛り上がっていくといいですね!
React 19、React Compilerに対応
React Native 0.78でReact 19.0とReact Compilerに対応しました。
React Compilerによる自動メモ化により、アプリのパフォーマンスが向上しています。
また、0.80、0.82と順次React 19の最新版に追従しています。
iOSビルドの高速化
React Native 0.81およびExpo SDK 54で、iOSのビルド時間を高速化するため、React Nativeとその依存ライブラリを事前コンパイルするよう対応しました。
これにより、ビルド時間が大幅に短縮されました。
React NativeのLiquid Glassへの対応
今年のWWDCで、AppleがLiquid Glassを発表しました。
フローティング要素や半透明効果など、これまでのデザインと大きく変わったUIになっており、クロスプラットフォームのモバイル開発者は頭を悩ませたのではないでしょうか。
React NativeはネイティブのAPIを利用しているため、基本的にはLiquid Glassに対応できる仕組みとなっています。
現時点のReact NativeでLiquid Glassに対応する方法として、React Native Meetup #23でLTをしましたので、詳細は以下の資料をご参照ください。
React Native DevToolsの改善
今年のReact Confで、React Native DevToolsの強化が発表されました。
パフォーマンスとネットワークパネルが新たに追加される予定です。
今月リリース予定の0.83に含まれます。

Hermes v1
Hermes v1がReact Native 0.82で実験的に利用できるようになりました。
バンドルの読み込みからアプリの画面がインタラクティブになるまでの時間が高速化されます。
React Foundationの設立
2025年10月、React Foundationが設立され、よりオープンな体制に変わりました。
今後のReact/React Nativeにおける運営の安心感が増しました。
2026年のReact Nativeへの期待
2026年に向けて、以下の機能に期待しています!
React Native 1.0
React Nativeが1.0になることはないのでは…?と思っていましたが、ついに公式で1.0についての言及がありました。
まだロードマップも公開されていないので、2026年中に1.0になるかは不明ですが、それに向けての動きは出てきそうですね。
Hermes v1とStatic Hermes
まずはHermes v1の正式リリース、そしてよりパフォーマンスの向上が期待できるStatic Hermesの登場を期待したいです。
ExpoのCSSパーサー/TailwindCSSへの対応
ExpoがCSSパーサーとTailwindCSSへの対応を準備中です。
Expoで標準対応されるとなったら、Nativewindなど外部のライブラリの導入の手間なく出来るので、React NativeでもTailwindライクなスタイリングが流行るかもしれませんね。
Node-APIへの対応
現在、HermesにNode-APIへの対応プロジェクトが進められています。
Node-APIが利用できるようになると、Node-APIを使用したライブラリを構築したり、React NativeからNativeのAPIを直接呼び出すことができるなど、いろいろな可能性が広がりそうです。
React Server Component
2024年にExpo RouterがRSCを実験的に対応しました。(現時点ではWebのみ?)
今年こそアプリでRSCが来るか?と思いましたが、最近はRSCの開発自体がそこまで進んでいないようです。
来年はRSC周りのアップデートがあるといいですね。
CSS Gridの対応
React Nativeユーザが長年求めていた、GridレイアウトがいよいよYogaに追加されるかもしれません!
このPRで提案されているように、Webと同じようにモバイルでもレイアウトするAPIが徐々に開発されています。
WebのAPIと揃っていくことで、Webのフロントエンドの開発者がReact Nativeで開発する障壁がどんどん下がっていきそうですね。
まとめ
2025年はNew Architecture完全移行、パフォーマンス改善、ビルド時間短縮、DXの向上など、React Nativeにとって大きな進化の年でした。
React Foundationの設立により、コミュニティ主導の開発体制も整い、
React Nativeの未来はより明るくなっています。
2026年は1.0に向けたリリースやGrid対応など、さらなる進化が期待されます。
日本でもReact Nativeの人気がさらに高まり、コミュニティが盛り上がることを願っています!
それでは、よいReact Nativeライフを!
明日は@takahi5さんの「React Nativeアプリに生成AIを組み込む」です!

Discussion