Mastering Claude Code in 30 minutes
Mastering Claude Code in 30 minutes
Claude Code: AIと共創する未来のコーディング体験
Anthropicが提供するAIコーディングアシスタント「Claude Code」は、従来のAIアシスタントの概念を覆す、革新的なツールです。今回は、その開発者であるBoris Cherny氏のプレゼンテーションから、Claude Codeの魅力と活用法、そして開発の裏側にある思想についてご紹介します。
要点のまとめ
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Claude Codeの革新性: 従来のAIアシスタントがコード補完に特化していたのに対し、Claude Codeは「完全にエージェント的」であり、機能開発、ファイル作成、バグ修正といった大規模なタスクを自律的にこなします。
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既存のワークフローとの調和: IDEやターミナルを選ばず、ローカル環境でもリモートSSHでも動作するため、既存の開発環境にスムーズに統合できます。
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開発体験の劇的な改善: Anthropic社内では、技術的なオンボーディング期間が2〜3週間から2〜3日に短縮されるなど、生産性向上に大きく貢献しています。
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プライバシーとセキュリティ: コードはローカルに保存され、リモートデータベースへのアップロードやモデルのトレーニングには使用されないため、企業の機密コードも安心して扱えます。
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拡張性とカスタマイズ性: Claude MDを通じて、チーム固有のコマンドやコーディング規約、アーキテクチャの情報をClaudeに学習させることができ、組織全体の生産性向上に貢献します。
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未来への展望: AIモデルの急速な進化を考慮し、UIへの過度な投資を避け、ターミナルベースという共通の基盤で、将来的にIDEが不要になる可能性を見据えています。
動画の紹介
今回ご紹介するプレゼンテーションは、Claude Codeの生みの親であるBoris Cherny氏によるものです。彼はAnthropicのテクニカルスタッフとして、Claude Codeの開発に携わってきました。
内容
1. Claude Codeとは?
Claude Codeは、単なるコード補完ツールではありません。まるで人間のエンジニアのように、複雑なタスクを理解し、自律的にコードを生成・修正する「エージェント的」なAIアシスタントです。
- ターミナルベース: 特定のIDEに依存せず、あらゆるターミナルで動作します。
- ツールとの連携: 既存の開発ツール(Bash、Git、各種CLIなど)とシームレスに連携し、ワークフローを阻害しません。
- 汎用性: コードベースのQ&Aから、機能開発、バグ修正、テスト作成など、幅広いタスクに対応します。
2. まずはここから!コードベースQ&A
Claude Codeを使い始める最も簡単な方法は、コードベースについて質問することです。Anthropic社内では、新入社員のオンボーディングにClaude Codeを活用しており、コードベースの理解を劇的に加速させています。
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質問例:
- @RoutingController.pyはどのように使われていますか?
- @app/services/ValidationTemplateFactoryを新しく作成するにはどうすればいいですか?
- recoverFromExceptionがなぜこんなに多くの引数を取るのですか?Git履歴を調べて答えてください。
- @src/login.ts APIのIssue #18383をなぜif/elseで修正したのですか?
- @api/ext/PreHooks.php APIはどのバージョンでリリースされましたか?
- PR #9383を見て、どのアプリバージョンが影響を受けたか慎重に確認してください。
- 先週何をリリースしましたか?
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Claude Codeの賢さ: 単なるテキスト検索ではなく、Gitの履歴やコードの構造を深く理解し、具体的な使用例や背景情報まで提供してくれます。
3. ツールを活用する
Claude Codeは、Bashコマンド、ファイル検索、ファイル読み書き、Webフェッチ、TODO管理、サブエージェントなど、多様な組み込みツールを搭載しています。ユーザーは具体的なツールの使い方を指示することなく、自然言語でタスクを依頼するだけで、Claude Codeが最適なツールを組み合わせて実行します。
- 一般的なワークフロー例:
- 問題解決: 探索 → 計画 → 確認 → コーディング → コミット
- テスト駆動開発: テスト作成 → コミット → コーディング → 反復 → コミット
- UI開発: コーディング → スクリーンショットで結果確認 → 反復
4. Claudeにコンテキストを与える
Claude Codeのパフォーマンスを最大化するには、より多くのコンテキストを与えることが重要です。
- コンテキストの種類:
- CLAUDE.md: プロジェクトルートやネストされたディレクトリに配置し、一般的なBashコマンド、MCPツール、アーキテクチャの決定、重要なファイル、スタイルガイドなどを記述します。これはセッション開始時に自動的に取り込まれます。
- スラッシュコマンド: .claude/commandsにカスタムコマンドを定義できます。
- ファイルパスの@メンション: 特定のファイルをコンテキストに明示的に追加できます。
- (近日公開) MCPリソース: より高度なリソース共有機能が追加される予定です。
- コンテキストのチューニング: 個人の利用、プロジェクト共有、エンタープライズポリシーなど、目的に応じてコンテキストの共有範囲や自動取り込みの有無を調整できます。
5. Claudeをスクリプト化する
Claude Code SDKを利用することで、Claude Codeをプログラムから操作し、CI/CD、自動化、対話型アプリケーションなどに組み込むことができます。
- SDKの活用例:
- $ claude -p "What did I do this week?" \ --allowedTools Bash(git log:*) --output-format json のように、CLIツールとして利用できます。
- Gitの変更差分をClaude Codeに渡して要約させたり、エラーログを解析させたりするなど、Unixユーティリティのようにパイプで連携させることが可能です。
6. Multi-Claude: 並行作業で生産性を最大化
複数のClaude Codeインスタンスを並行して実行することで、さらに効率的な開発が可能です。
- 方法:
- 複数のターミナルタブで異なるプロジェクトのチェックアウトを行う。
- Git Worktreesを活用して分離された環境を作る。
- SSHとTmuxを組み合わせてリモートセッションを管理する。
- GitHub Actionsを活用して並行ジョブを起動する。
重要箇所
- エージェントとしてのAI: Claude Codeは、単なる補助ツールではなく、複雑な問題を自律的に解決する「エージェント」として機能します。これは、将来のAIアシスタントの方向性を示唆しています。
- 開発ワークフローへのシームレスな統合: 既存のツールやIDEに依存せず、開発者が慣れ親しんだ環境でAIを活用できる点は、導入の障壁を大幅に下げます。
- プライバシーの重視: ローカルでのデータ処理により、企業の機密情報が外部に漏れるリスクを最小限に抑え、安心して利用できる環境を提供しています。
- 未来への展望: AIモデルの急速な進化に対応するため、特定のUIに縛られず、汎用的なターミナルベースのインターフェースを選択したことは、長期的な視点での賢明な判断と言えるでしょう。
最後に
Claude Codeは、開発者がより効率的かつ創造的に作業できるよう、AIの力を最大限に引き出すツールです。まだ発展途上であり、その可能性は無限大です。ぜひ、ご自身の開発ワークフローにClaude Codeを組み込み、その革新的な体験をしてみてください。
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