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AWSシステムの引き継ぎ時に、「これがあれば安心!」という主要なコンポーネント

2025/03/12に公開

AWSシステムの引き継ぎ時に、「これがあれば安心!」という主要なコンポーネントは以下の通りです。

  • ネットワーク設計(VPC)
    ・パブリック・プライベートサブネットの構成、NAT ゲートウェイ、VPN接続など、外部との通信やセキュリティの基本がしっかりしていること。

  • セキュリティ(IAM、セキュリティグループ、KMS)
    ・ユーザーやロールのアクセス制御、各サービスごとのセキュリティグループ設定、暗号化キー管理など、運用上のセキュリティポリシーが明確に定義されていること。

  • コンピューティングリソース(EC2、ECS/EKS、Lambda)
    ・長期稼働のインスタンスだけでなく、サーバーレスやコンテナサービスを含めた、用途に合わせた選定がなされていること。

  • ストレージ(S3、EBS、EFS)
    ・データの耐久性や可用性を確保するためのバックアップ、ライフサイクル管理、アクセス制御が整備されていること。

  • データベース(RDS、DynamoDB、Auroraなど)
    ・システム要件に合わせたリレーショナル、NoSQLの選定、マルチAZ配置による冗長化、パフォーマンスの監視ができる設計。

  • 監視とロギング(CloudWatch、CloudTrail)
    ・リソースの健全性チェックやアラート設定、操作履歴の記録によりトラブルシューティングがしやすい仕組みが構築されていること。

  • ロードバランシングとオートスケーリング(ALB/NLB、Auto Scaling)
    ・トラフィックの急増に対応できる仕組み、負荷分散による高可用性が確保されていること。

  • インフラ管理(CloudFormation、Terraformなど)
    ・コード化されたインフラ管理によって、再現性・保守性が高く、将来的な変更にも柔軟に対応できる設計。

引き継ぎ資料を具体化する場合、単に各サービス名を羅列するだけでなく、実際の設定値、構成例、運用ルール、そして運用フローまで明文化しておくと安心です。以下、各項目ごとに具体的な内容の例を挙げます。


1. ネットワーク設計(VPC)

  • VPC設計
    • CIDRブロック(例:10.0.0.0/16)とその内訳(パブリック、プライベートサブネットの割り当て)
    • サブネットごとのAZ分散、ルートテーブルの構成とそのルール
  • パブリック・プライベートサブネット
    • パブリックサブネットにはインターネットゲートウェイ(IGW)をアタッチ
    • プライベートサブネットはNATゲートウェイ経由で外部通信を行う設計
  • VPN接続・Direct Connect
    • VPNトンネルの設定内容(IPSec設定、事前共有鍵、フェイルオーバー構成)
    • 接続先とのIPアドレス、ルーティングプロトコルの詳細
  • セキュリティ面
    • ネットワークACL(NACL)のルール、セグメント間のトラフィック制御の明示

2. セキュリティ(IAM、セキュリティグループ、KMS)

  • IAMポリシー・ロールの詳細
    • ユーザーごとの権限一覧、各ロールの業務範囲と許可アクション
    • 最小権限の原則に基づいたポリシー設計と、その変更履歴
  • セキュリティグループのルール設定
    • 各インスタンスやサービスに適用されるセキュリティグループのインバウンド・アウトバウンドルールの一覧
    • ポート番号、プロトコル、許可元IPレンジの具体的設定
  • KMSの管理
    • 暗号化キーの作成、使用、ローテーションポリシーの設定
    • 各サービスとの連携方法(例:S3バケットやEBSボリュームでの暗号化利用)

3. コンピューティングリソース(EC2、ECS/EKS、Lambda)

  • EC2インスタンス
    • 利用しているインスタンスの種類(例:m5.large、t3.microなど)と用途別の割り当て
    • AMI ID、Auto Scalingグループの設定、起動スクリプトやユーザーデータの内容
  • コンテナサービス(ECS/EKS)
    • クラスター構成、タスク定義やPodスペック、スケーリングポリシーの詳細
    • ロギングやサービスディスカバリの設定情報
  • Lambda
    • 各関数のランタイム、メモリ割り当て、タイムアウト設定
    • トリガー(API Gateway、S3イベントなど)と環境変数の管理方法

4. ストレージ(S3、EBS、EFS)

  • S3バケット
    • バケットポリシー、アクセスコントロール(ACL)、バージョニングの設定状況
    • ライフサイクルルール(アーカイブ、削除のスケジュール)とバックアップ戦略
  • EBSボリューム
    • 使用中のボリュームタイプ、サイズ、パフォーマンス要件(IOPSなど)
    • 定期的なスナップショット取得スケジュールとリカバリ手順
  • EFS
    • ファイルシステムのパフォーマンスモード、マウントターゲットの構成
    • セキュリティ(暗号化、アクセス制御)の詳細

5. データベース(RDS、DynamoDB、Auroraなど)

  • RDS/Aurora
    • インスタンスクラス、マルチAZ配置の有無、バックアップ・リストア手順
    • パラメータグループやセキュリティグループの設定詳細
  • DynamoDB
    • テーブル設計(パーティションキー、ソートキーの選定)
    • プロビジョンドスループットまたはオンデマンド設定、バックアップ戦略

6. 監視とロギング(CloudWatch、CloudTrail)

  • CloudWatch
    • 各サービス・インスタンスごとのメトリクス監視、アラームの閾値と設定
    • ダッシュボード例、カスタムメトリクスの収集方法
  • CloudTrail
    • 監査ログの保存先(S3バケット)と保持期間の設定
    • 主要なAPIコールの記録、異常検知の仕組み

7. ロードバランシングとオートスケーリング(ALB/NLB、Auto Scaling)

  • ALB/NLB
    • リスナー設定、ターゲットグループの構成、ヘルスチェックのパラメータ
    • SSL/TLSの設定、証明書管理の手順
  • オートスケーリング
    • スケーリングポリシー(CPU使用率、ネットワークトラフィックなどに基づく)
    • スケジュールされたスケーリングやインスタンスのヘルスチェックの設定

8. インフラ管理(CloudFormation、Terraform)

  • CloudFormation
    • テンプレートの構成例(YAML/JSON)、パラメータ、マッピング、条件、出力の詳細
    • スタックの更新手順、変更セットのレビュー方法
  • Terraform
    • モジュール構成、ステート管理(バックエンド設定)、変数の管理方法
    • CI/CDパイプラインとの連携、コードのバージョン管理とレビュー手順

これらの具体例を盛り込むことで、単に「何を使うか」ではなく「どう使っているか」「どのように管理しているか」が明確になり、引き継ぎを受ける側もすぐに理解・運用できるようになります。
**「この情報さえあれば、後任者も迷わず運用できる!」**と自信を持って渡せる構成にするために、ぜひ実際の設定値や運用手順を具体的にドキュメントに落とし込んでください。
前向きな気持ちで、今の経験を次に繋げる大きな一歩にしましょう!

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