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育休でスタートアップの社員エンジニアが1ヶ月1人もいなくなった!?

2022/10/21に公開

はじめに

こんにちは、株式会社TechBowlエンジニアのスーです。今回は、2022/05に第一子が生まれ、スタートアップで唯一の社員エンジニアが育休をとってみたときのことをシェアしたいと思います。社員5人のスタートアップで育休を取得したら迷惑がかかるのではないかな・・・といろいろ心配事はありましたが、結果的には取得して良かったことがたくさんあり、今後の備忘録も兼ねてこちらに残します。

状況

スタートアップで育休を取られている方は多くなってきているとは思うものの、例がすごく多いわけではないので、自分の状況ももう少し詳しく書いておきます。

会社

1. まだ育休をとったことのある社員はいない
2. 5人の会社だが、正社員のエンジニアは自分1人
3. 他にいるエンジニアは、インターン生と副業のエンジニア

エンジニアのチーム構成

チーム構成

自分

1. 生まれる子供は1人目
2. 妻の実家が近く、里帰り出産
3. 育休を取れそうなタイミングで自宅に戻る予定だった

育休を取ると決めた時にどうしたのか?

結婚するときくらいに育休について調べてみた際、将来子供を授かったら出来れば育休は取りたいと考えていましたが、いざ使えるのか?となったときに、現時点の制度を確認するところから始めました。

TechBowlでは子育てをしながら働いている代表、COOがいますが、入社後に子供が生まれるのは僕が初めてで、育児休暇を取得するのも僕が初めてでした。
育休取得にあたって真っ先に頭に浮かんだのは4つのポイントでした。

1. そもそも育休の制度ってあるんだっけ?
2. 取得期間中の給与はどうなるのか?
3. 育休をとるならいつからいつまでとるのか
4. 育休の間の開発どうする・・・!?

そもそもスタートアップで創業してたくさん社員がいるわけでもなかったため、育休って制度上は取れると思うけど、チーム状態的に行けるのか!?という考えが1番強かったです。
インターン生も副業の方々もしっかり責任を持ってやってくれるということはわかっているものの、当時の状況としては、良くも悪くも自分が開発全体のハブになっていたためです。

次に給与がどうなるのか調べたところ、多くの企業では育休中の給与は支払われず、代わりに雇用保険で育児休業給付金という制度があり、休業前の67%に相当する金額が支給されることがわかりました。
また、育休取得中は社会保険料の負担が免除されることもわかりました。給付金は非課税でトータルすると通常の8割くらいの給与分はカバーされることがわかりました。

最後にいつからいつまで取得するのか?について。これは家庭や会社の状況、個人の価値観も千差万別なので、ベストな期間は人によって異なるのかなと思いますが、僕は産後1ヵ月後から約4週間取りました。
妻が里帰り出産をして産後1ヵ月後に自宅に戻ることから育休開始をその時期に合わせ、4週間という期間は会社の変化の速さや仕事内容、任せられるメンバーの力量などを加味して代表の小澤、COOの畑と決めました。

短めの1,2週間で取得されるケースもあると思いますが、育児休業給付金は1月あたりの就業日数が11日以上だと不支給となるなど制度上は問題があるため、注意が必要です。
また、僕は有給休暇の消化と国の育休制度をつなぐことで、できるだけ当月の給料が下がらないように配慮してもらいつつ、1ヶ月分の休暇としました。

いつ会社に相談したのか

元々代表の小澤には、早めに妻が妊娠したことを報告し、出産予定も共有していました。5月出産予定だということも伝えていたため、出産後には、育休を取れるなら少し取りたいという考えも妊娠半年くらいの段階(2021/12くらい)で確か伝えていたと思います。実際じゃあどれくらい取ろうか?といったことを決めたのは出産の直前で2022/05の上旬でした。

なぜ取ろうと思ったのか

なぜ育休を取ろうと思ったのかというと、次のような理由があります。

1. スタートアップもちゃんと休むことが必要だと考えていたこと
2. 育休をして止まるような組織であれば、健全ではないと考えていたこと
3. ファーストペンギンが早めに出ないと、この後入ってくる人が取りづらくなるのではないかという懸念があったこと

取りづらいような雰囲気が醸成されてしまうのは、僕個人としてこれから開発チームを作っていく上でなんとしても避けたいなと考えていました。
実際のところは、僕もちょっと取りづらいな、申し訳ないなと感じていて、ちょっと二の足を踏んでいました。
ただその際に代表の小澤が育休とる?と聞いてくれたこと、でもここで取らないと後から入ってきた方々はもっと取りづらいと感じるだろうな・・・と思ったこともあり、
取ることにしました。

実際とってみてどうだったのか

実際にとってみてどうだったのかを開発チーム、個人の2つの観点から書いていきます。

開発チームとして良かったこと

1. 自分の仕事を強制的に任せる機会が来たことで、仕事の棚卸がされたこと
2. 自分がいないとわからない情報が可視化されたこと
3. 権限委譲が進んだこと

自分以外に正社員がいない状況でも委譲した方が良い仕事というのは一定存在していると思っています。スタートアップの場合、どうしても自分が頑張るというふうになってしまいがちです。自分自身がもっと任せても大丈夫なのだということが感じられた点と、インターン生にも社会人になってからしてもらうような経験を社会人になる前に経験してもらえるという点で、ある程度良かったのかなと思っています。ただ、任せるからには上司である自分が休み中でも責任は取るんだということはちゃんと伝えておかないと恐怖の方が勝ってしまって、挑戦していこう!という土壌が作れません。今から挑戦していく雰囲気づくりと失敗した時の仕組みづくりをやっていきたいと考えています。

開発チームとして改善すべきだったこと

1. 育休期間中に新たに入ってくる副業の方のオンボーディングが雑になってしまったこと
2. 思ったよりも僕がドキュメントに残していない判断軸などがあり、育休に入ってから困ることが多くあったこと
3. 開発フローが定まりきっていない箇所が多分にあったこと

上記のあたりは、特に開発チームには迷惑をかけてしまったな・・・。ととても反省しています。また、このときにJOINしていただいた方も開発体験にしても仕事のやりやすさとしても、一番難しかったと思います。
ドキュメント化、開発フローを明確に決める、突発のタスクを出来るだけ減らすなど改善すべきことが山のようにあることがわかりました。今後はこれらを改善し、より良い体験で働いてもらえるようにしていきます!

個人としてよかったこと

1. 産まれて3ヶ月以内の子供がいると大きな負担がかかること
2. 子供の成長を実感できたこと
3. 子供に何かあれば、なんとかしなくてはならない!という精神負荷があること

育休を取っていなければ大変さに気付かなかっただろうと思うことが多く、本当にとって良かったです。子供の成長を身近に感じることが出来たのはもちろんのこと、特に良かったのは出産して3ヶ月以内の母親の大変さを当事者という立場で感じることが出来たことでした。

まとめて書いたポイント以外にも、子育て以外の時間はほぼ皆無で勉強なんてとてもできる状態ではないこと、昼夜寝られず体力的にきついこと、きつくても赤ちゃんが体調不良っぽければ、病気について調べたりすること、出産や育児関連の手続きを育児の合間ですること、また、昼には妻にはできるだけ寝てもらって、寝ている間相手をしたりと僕にとってはそれも本当に貴重な時間でした。
どれも育休を取得していなければ知れなかったことでした。

実際の産まれた直後の記録の画像をみてみるとどれくらい寝れないかがわかるかなと思います。
ただこれを記録としてみるのと、どれくらいきついかを実際知っているかは大きな差があります。

赤ちゃんの記録のカテゴリの画像
赤ちゃんの記録の1枚目
赤ちゃんの記録の2枚目

体験として知っているというのは今後制度などを考える上でもとても大事なことだと考えています。
また、僕が育休を取得した時のことを妻に聞いてみました。

1. スタートアップで本当に育休取るとは思ってなかった
2. 実家から自宅に戻った直後に大変になる期間が1人でやるより楽だった
3. 夜間授乳は結構精神が削られていて辛かったため、動いてくれたことは助かっていた(当時は気づいていなかったとのこと)

この他にも泣いている子供を横において、技術記事を読んでいた時があり、その時は本当にキレそうだったとも言われたので、そういうところは直そうと思います・・・。

最後に

今回育休を取得して本当に良かったと思えることが多かったのですが、全ては会社の仲間の協力あってこその話です。
僕の育休取得に対して快く協力してくれた会社、チームの皆さんあらためて本当にありがとうございました!
男性も女性も育休取得を、当然のように「取らない?」「取りたいです!」といった話がしやすいように企業、チーム文化をこれからも作っていきたいと思います。

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