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Web系エンジニアになることだけがゴールですか? 〜メンターの本音Vol.2 〜

2022/09/27に公開約4,300字

※本記事において「エンジニア」は「Web系のITエンジニア」のことを指します。ご了承ください。

はじめに

TechTrainでメンターを始めて3年経ちました。学生さんや未経験転職を目指す方、さまざまな方を面談してきましたが、やはり最近の流行なのか「エンジニアになりたい」と思って勉強を進めている方はどんどん増えていっているように感じます。
昔はエンジニアといえば昔はSEと呼ばれつらい職業のひとつであったイメージが強いですが、今や自社開発のWebサービスを運営する企業のエンジニアといえば大人気職業です。TechTrainも最近そんな感じのブランドコンセプトになりました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000040741.html

ただ個人的には「世の中にはもっと仕事があるのになんでエンジニアになりたいんだろう」と思うこともたまにあります。今回は「がんばって目指すならやってて楽しい仕事をしたいよね」という話をします。

   

プロフィール

今川 裕士

今川さん

2016年3月に筑波大学大学院システム情報工学研究科コンピュータサイエンス専攻を修了してから、ベンチャー企業でWebエンジニアをしています。
アドネットワークやサービス比較サイトの開発を経験し、現在は「税理士ドットコム」というサービスの開発者をしています。

大学院生のころからAWSを使った基盤構築に慣れていたこともあり、新卒の頃からインフラまでを範囲に含め開発者自身が運用を行うというスタンスに慣れています。開発だけでなくQA(品質保証)やDevOpsなども若干かじりました。2022年4月から初めてマネージャーという立場になりました。マネジメントについて勉強しつつ、技術的負債と事業成長のための機能開発のバランスを取ろうと頑張っています。
スクラムやXPが好きです。プライベートではTDDワイワイ会というイベントを主催しています。「モブプログラミングとTDDを体験してみよう、一緒に練習しよう」という感じの会です。趣味はおいしいビールやおいしい日本酒を飲むこと、占い(タロットカードと占星術)、麻雀、一人カラオケ、ダンスの動画を見ることなどです。

TechTrainメンター詳細ページ:

https://techtrain.dev/mentors/27

  

エンジニアという仕事

個人的にエンジニアという仕事はむちゃくちゃ楽しいですし、大学院までやってきたことがしっかり報われているなという感じもあって、いい感じに自己実現できているなという印象があります。

一方で私が高校生ぐらいのときにはエンジニア(もといSE)についてはこんなイメージがあった印象です。

  • 長時間残業 (椅子を並べて寝るスキルが身につく)
  • データセンターに籠もる (入退室管理が厳しい・さむい)
  • 前任者が残した謎のコード (読めない・わからない・つらい)
  • ステークホルダーとの調整 (先方担当者に激詰めされる)

それでも高校生ぐらいのときに「プログラミングをする職業がいい」「ITやインターネットに関わっていたい」という考えをもった上での行動を自然とし続けていました。
私にとっては楽しいことをずっと続けているイメージです。

そこから比較するといまは、「上記のようなイメージはいわゆるSIerの特徴であってWebベンチャーはそんなことない」「Webベンチャーはキラキラしている、働き方も自由だ」みたいな考えが広まってきて、直近3,4年ぐらいは「自由な働き方で高年収もめざせる(かも)」みたいなイメージが強化されている印象があります。そのイメージもだんだんと「会社によって違う」という感じに変化しつつありますが。

自分自身にとってのエンジニアへのイメージがそこまでキラキラ感がなかったので、「エンジニアで自由な働き方!組織に縛られない!高収入!フルリモート!」という最近の流れについてあまり実感が湧いていないところがあります。(エンジニア目指そうと思った高校生の自分はさすがだったな、時代が追いついたかもな、とはたまに思います。)

エンジニアは素敵な仕事だと思います。一方で、ある程度は適性次第でがんばってなっても辛い部分がある仕事だと思っています。成り手が増えるのは嬉しいけど、人によっては全然向いていないので「がんばって目指してきたけど、興味持ち続けられないし理解できないし辛い」みたいなことも十分あり得るものです。

  

可能ならやってて楽しい仕事をやってほしい


この記事を書いているのは8月なのですが、ちょうどこの話にピッタリのツイートが流れてきました。

https://twitter.com/yuroyoro/status/1557951742268276737

  

まさしくこれです。 好きなことを仕事にできている状態なので、「仕事は嫌だけど、プライベートで好きなことすればいいや」というほど辛くない。もちろんその好きな仕事をどういう環境でやるかという視点はあるので会社を変えたりとかはあることですが、正直自分はエンジニアからはずっと離れられないなと思っています。学生時代からずっと積み上げてきたことで、ずっと好きなことです。

この記事を読んでいて、エンジニアになりたい方はエンジニアになったとき業務が楽しいイメージが湧いていますか? エンジニアに限らず「それ自体が好き」な方が伸びしろが大きいし、それによって個人間で出てくる差が大きいように感じます。大好きでやってる人の伸びと、仕事で使うから仕方なくやる人の伸びの間には雲泥の差がある世界です。

特に未経験からエンジニアになる場合、夢中さがないと望むような環境は得られないと思います。私が未経験の方を採用するなら「職務経験がないだけで現状むちゃくちゃ好きでこれからも学び続けていきそう」という部分を重視すると思います。

  

エンジニアになることだけがゴールになっていませんか?

エンジニアという職種が人気なのもあって、エンジニアになることで他業種に比べてよりよい条件で働くことができるかもしれません。ただしこの職業自体には向き不向きが激しいという性質があるだろう、というのが私の持論です。
がんばって目指しても、仕事として毎日やっていくのがつらいとか、伸び悩んで挫折……という可能性もなくはないかなと思っています。

エンジニアになることだけをゴールにするといかにして自社開発のWebベンチャーに採用されるか? いかにして転職を成功させるか? だけにフォーカスしがちです。
それもある意味間違っていないでしょう。入ってからがんばるから!というのもアリですが、先程述べたように「それ自体が好き」でないとずっと辛いことをし続けている感覚に陥るのではないかと危惧しています。
それを避けるために学習する中で考えてみてほしいことがあります。

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「いまやっていること自体に興味をもってできていますか?楽しいと思えていますか?」

いまやっていることに興味を持って、必要に応じて深堀りしながら開発できる自信があればきっとやっていけます。逆に転職活動のため以上のモチベーションがなければ入社後がつらくなってきます。仕事になるとやらなければならないことに応じて興味を持ち、深堀りし続けることが必要になってきます。

もしエンジニアという仕事を好きになりたければ、いまやっていること自体に興味をもって進めてみるとよいです。例えばRailsなら「Controllerのactionにこれしか書いてないのになぜページが表示できたり、DBに値を登録できたりするのか?」といった興味です。
この疑問を持てるかどうかと、自分で実装するときに迷うかどうかがリンクしている印象があります。実際には「ここの理解はそういうものだと思って一旦おいておこう、あとで調べよう」とすべての疑問を調べ尽くさずおいておける力も必要になりますが、裏側でなにをやっているかへの興味が持てるかは大事です。

フレームワークに限らず、開発環境、インフラ、DevOps、仕事の進め方…色んな分野があります。このあたりをあまり良く知らなくて想像できないというのであれば基本情報技術者試験応用情報技術者試験を受けるつもりで勉強してみるのもおすすめです。
プログラミングに直結する話ではないですがエンジニアが向き合う知識や概念の全体を見ることになり、どういう知識が必要になるかの目次を作ることができます。

興味を持てていて楽しくなっていたとして、そのことを毎日6時間以上やるとなったらできるかどうかも考えてみてください。休日はずっとコード書いちゃってました!と言えるようなら申し分ないですが、そうでないなら辛い部分を自己分析してみてください。そういう悩みもぜひTechTrainの面談でメンターにぶつけてみてください。

  

まとめ

すでに社会に出てお仕事をされている方にとっては「エンジニアになる」ことは異業種転職にほかなりません。他業種であっても異業種からの転職が難しいのは理解できると思います。
せっかく一念発起して異業種に飛び込むわけなので、メンターとしては自己実現をできるような働き方をしてほしいと考えています。安全かつ楽しく成長できる今の機会を利用して「自分はエンジニアとして楽しくやっていけるだろうか?」と自己分析しながら学習と向き合っていただければ嬉しいです。

エンジニアだけが(素敵な)職業ではありません。自分の得意や好きを生かして働けるほうがずっと幸せに働けると思います。最終的に前回の犬塚さんと同じようなメッセージになってしまいましたが、だいたいメンターはそういうことを考えながら面談をしているよ、という紹介と受け止めていただければ幸いです。

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