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GPT-5 のコーディングチートシート解説と GPT-4 との比較
1. はじめに
GPT-5 は従来モデルよりも思考能力やコード生成力が大幅に向上しました。
特に 「GPT-5 for Coding Cheatsheet」 は、開発者が GPT-5 を効率よく使うための実践的なガイドになっています。
本記事ではこのチートシートの要点を整理し、従来の GPT-4 との比較を通じて進化を明らかにします。
2. GPT-5 for Coding Cheatsheet のポイント解説
2.1 明確かつ矛盾のない指示を出す
- 曖昧さや矛盾があると GPT-5 でも混乱する。
-
.cursor/rules
やAGENTS.md
で相反する指示があると失敗しやすい。
2.2 「推論努力(reasoning effort)」を適切に調整する
- 複雑なタスク → High
- 単純なタスク → Medium / Low
→ タスクに応じた推論モードの切り替えで効率が向上する。
2.3 XML ライクな構文で構造化する
指示を XML 風に整理すると文脈が明確になる。
<code_editing_rules>
<guiding_principles>
- モジュール化・再利用性を重視
</guiding_principles>
<frontend_stack_defaults>
- Styling: TailwindCSS
</frontend_stack_defaults>
</code_editing_rules>
2.4 強すぎる表現は避ける
- 「徹底的に」「完全に把握してから」などの強すぎる命令は逆効果。
- 柔軟性を損なうため、あえて抑制的な表現にする。
2.5 計画と自己省察を組み込む
GPT-5 にルーブリックを作らせ、自分で評価・改善させる。
<self_reflection>
- ルーブリックを考案
- 5〜7項目で深く検討
- 出力を自己評価し改善
</self_reflection>
2.6 過剰な「頑張りすぎ」を制御する
- GPT-5 は網羅的に考えすぎる傾向がある。
- 過剰な調査を避けるにはプロンプトで制御する。
<persistence>
- 人間に逐一確認しない
- 合理的な仮定で進め、後から記録する
</persistence>
3. GPT-4 との比較:思考プロセスの進化
GPT-4 の思考プロセス
- 直線的な流れ(Input → 理解 → 推論 → 出力)
- 曖昧さには弱く、誤った仮定で進むことも多い
GPT-5 の思考プロセス
- 多段階推論で問題を分解・検証・再構築
- 自己省察により出力を検証・改善
- 探索・比較や曖昧さ解消を経て、最終的により精度の高い出力を生成
4. GPT-4 vs GPT-5 比較表
項目 | GPT-4 | GPT-5 |
---|---|---|
コンテキスト理解 | 限定的(数万トークン程度) | 超長文・大規模コードベースに対応 |
推論の深さ | 単発的・直線的 | 多段階・検証・再構築 |
自己省察 | ほぼ無し | 自分で評価・改善可能 |
探索と比較 | 1つの解答が中心 | 複数案を提示し比較可能 |
曖昧さ対応 | 誤った仮定で進む | 合理的な仮定を置いて進行 |
5. まとめ
-
GPT-5 チートシートの核心
- 明確で矛盾のない指示
- 適切な推論努力の設定
- XML 風の構造化指示
- 過剰推論を抑える工夫
- 自己省察の導入
-
GPT-4 との違い
GPT-4 は直線的な思考が中心だったのに対し、GPT-5 は 多段階推論 + 自己省察 + 探索的思考 を組み込んだ人間的な思考プロセスに進化。
その分「頑張りすぎて余計に複雑化」するリスクもあるため、プロンプト設計では スコープを明確に制御する ことが重要です。
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