Rock5 Model BでAndroidを起動する
はじめに
Rock5 Model B (以下Rock5B) というSBC(シングルボードコンピューター)が2022年に発売になりました。Raspberry Pi 4 よりもすこし大きいくらいのボードですが、Rockchip RK3588 SoC を使用しており、かなり性能がよいボードです。ただ価格面では2万円を越えているので、購入には勇気が必要な気がします。
本記事ではこの Rock5 Model B で Android OS をインストール、起動させるまでを記載します。
どうしてこの記事を書いておこうと思ったのか
今回、私は Android を起動させてみるまでに大変苦労しました。
基本的には microSD にシステムを焼いて起動するだけの簡単な手順のはずです。しかし、Android のシステムが起動して来ず、画面もブラックアウトしたままという状況ばかりでした。
どこかに課題があると考えて、以下部分の交換を行い、組み合わせを変えてチャレンジしていました。
- microSD 3種
- 電源 4種 (USB-PD 2種、単純な電源種)
起動に成功した構成
たまたま長いこと放置した後、起動してくる組み合わせがありました。
- スイッチサイエンスのラズベリーパイ4向け電源
- Android12
- Rock5B-Android12-20220922-gpt.img イメージを使用
- microSD 128GB Trancend 製
イメージを書き込むのには balenaEtcher を使用しました。
起動に失敗したもの
- microSD
- SanDisk 64G, TDK 16GB
- 電源
- Ancker Nano II 65W
- 素性の知れない転がっていたアダプタ (USB PD)
電源を交換してトライしていた理由は、Ancker Nano II 65W を使用した場合、再起動ループに陥ったためです。ネゴシエーションに失敗していると疑い、他のものに変えたら突破できるのではと考えた次第です。
起動成功時の各画面表示タイミングを計測
microSD に新規にイメージを書き込んだ後、初回の起動時において時間を計測しました。
公式のサイトには1分くらいでロゴが表示とあったので、microSD のモノによってはさらに時間がかかるのかもしれません。
時間 (mm:ss) | タイミング |
---|---|
0:00 | 画面は応答なし。 水色ランプは点滅して何か動作しようとしていることは分かる |
1:31 | Android のロゴが表示 |
2:40 | システムが起動して操作可能 |
感想
起動する構成であっても時間は掛かるようです。他のLinuxイメージと違い、最初の画面が出るまでも時間がかかるので起動失敗と感じやすいです。また使用するイメージについても、NVMe から起動対応版が配布されていたりしたので、動くものの組み合わせに注意が必要そうです。
追記
起動する構成において、Ancker Nano II 65W に電源を変更してみると、再起動のループは発生せず起動に成功しました。一番重要なのは電源ではなく、microSD との相性なのかもしれません。
また、他のイメージでもこのmicroSD なら起動に成功しました (Rock5B-Android12-rkr12-20230315-gpt.img).ただしこのイメージを使った時、Anckerの電源を使った場合には再起動ループに陥るなど、まだ安定稼働するための条件は不明です。
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