SODA Engineering Blog
🕌

AWS re:Invent 2023 を振り返ってみる

2023/12/16に公開

\スニダンを開発している SODA inc.の Advent Calendar 16 日目の記事です!!!/

はじめに

zenn の方は初めまして!検索で辿り着いていただいた方はおはこんばんちはなら!
みなさん recap してますか?どうも、なじむです。

元々 SRE として AWS を中心に触っていたのですが、最近は Corporate IT として社内環境を整える業務にどっぷり浸かっており「AWS?何それおいしいの?」となりつつあります。「流石にそろそろアップデートを追わないとまずい!」と焦りが出てきたので、この機会に re:Invent 2023 を振り返ってみたいと思います。

re:Invent とは?

毎年 11 月末頃にラスベガスで開催される AWS で一番大きいイベントです。世界中からエンジニアを始めとした様々な方が集まり、最新情報や今後のロードマップの発表のみにとどまらず、GameDay や DeepRacer ハンズオン等、参加型の学習コンテンツも充実しています。

周りで参加した方から話を聞くと「現地でしか味わえない圧倒的な熱量がある」とみんな口を揃えて言うので、来年は会社のお金でラスベガスに行きたい(大声) ですね!

Keynotes を振り返る

さて、ここから re:Invent について振り返っていきたいと思います。Keynote は Amazon Web Services 公式 Youtube にアップロードされていますので、ぜひご覧ください。

今回の Keynote を一言で言えば、AI でした。Amazon Bedrock、Amazon Q はもちろん、高速な読み書きを行える S3 Expiress One Zone、NVIDIA とのパートナーシップ、zero-ETL、etc… どのアップデートも AI 自体や AI を動かすインフラのアップデートになっているのかなと思いました。

ただ、AI を活用するためには専門知識も必要になります。専門知識を持った人を雇ったり育成するためにはコストと時間がかかります。AWS はその点も認識しており、AI Ready という、AI スキル習得のためのコースを無料で公開しており、AI スキルを持った人材の育成にも力を注いでいました。
(これができるのは、将来的に AWS にとってリターンがあるからということなのかな)

個人的に一番印象に残っているのは Adam Selipsky CEO が言っていた、

We reinvent so that you can reinvent(私たちはあなたが再発明できるように再発明します)

という言葉でした。これは AWS 自身がずっと続けているスタンスだと感じてはいますが、改めてこういう場で CEO が言ってくれることが嬉しかったです。

Nigth Live Keynote と Partner Keynote は見れていないため、リンクのみ記載します。

re:Invent 期間中に発表されたアップデートを振り返る

Keynote で発表されたアップデート以外も見ていきましょう。
What's New with AWS: 2023 Archive に公開されている re:Invent 期間中(2023/11/26〜2023/12/01)に発表されたアップデートは全部で 192 件でした。
※ 手動での集計のため間違っていたらすみません。

カテゴリーごとに見ると以下のようになっています。
※ 複数のカテゴリーに分類されているアップデートもあるため、192 件よりも増え、全部で 249 件となっています。

カテゴリー 件数
Machine Learning 50
Analytics 36
Developer Tools 23
Security, Identity, & Compliance 21
Management & Governance 19
Storage 18
Database 16
Application Integration 10
10 件未満のアップデートの総数 56

Keynote で感じたのと同じく、Amazon Q, Amazon Bedrock, Amazon SageMaker を始めとした Machine Learning 系のアップデートが圧倒的に多くなりました。それに続くのが Redshift 等の Analytics 系のサービスでした。
Developer Tools も多かったのですが、内訳を見てみると Amazon Bedrock のアップデートが Developer Tools のカテゴリーにも含まれており、それに引っ張られたのかなと考えています。

個人的に注目のアップデート

AWS が Amazon Q (プレビュー) を発表

これは外せないですよね!
ざっくり言えば ChatGPT の AWS 版と言える Amazon Q。既に Redshift や QiockSight とも連携されていますが、今後気がついたら「あれ?いつの間にか Amazon Q と連携されてる」という状況になるのだとろうなと思います。

Amazon S3 Express One Zone ストレージクラスの発表

AWS の最初のサービスである S3 のアップデートも外せないですよね!
(「AWS の最初のサービスは S3 だ」と CEO が言っていたので、S3, SQS 論争には終止符が打たれました)

Amazon S3 は非常に優秀なサービスですが、やはり読み書きする際のレイテンシーという面では EBS に部がありました。今回発表された Amazon S3 Express One Zone ではデータアクセス速度が 10 倍高速になり、機機械学習、分析等の大量のデータを扱い分野でワークロードの高速化が期待できます。
ただ、S3 Standard と比較すると、API(GET, PUT 等) コストは 1/2 になりますが、ストレージコストは 7 倍程度になるため注意が必要そうです。
https://aws.amazon.com/s3/pricing/?nc1=h_ls

Amazon Aurora Limitless Database の発表

Aurora の書き込みに対するスループット向上が可能になりました!
これまで、Reader インスタンスはオートスケーリングでスケールアウトすることで性能を上げてきましたが、Writer インスタンスに関しては基本的には 1 台の性能を上げるスケールアップで対応を行ってきました。
Aurora Limitless Database では AZ ごとにシャーディングできるようになり、書き込みを複数のインスタンスに分散することでスループットを上げることが可能になりました。また、コストに関しても予め予算を決めておくことで、それ以上はリソースを追加しないようにすることも可能なため、想定以上にコストがかかることも少なくなりそうです。
まだ PostgreSQL のみ対応という状況のため、今後の機能拡張に期待です!

弊社にパッと導入できないかな〜と考えているアップデート

AWS が Amazon ElastiCache Serverless を発表

これは嬉しいアップデートですね!弊社では何度か Elasticache の構成(インスタンスサイズ、台数)の見直しを行なっており、ワークロードの負荷から必要なリソースを計算していました。そこから解放されることになるのであれば非常に嬉しいです。
もちろん、費用がどうなるのかを計算する必要はありますが、そこさえクリアできれば導入を前向きに検討しても良いのではないかなと考えています。

AWS Config、定期記録をサポートし、変更の追跡を効率的にスケール可能に

AWS Config でのログの記録が、Daily または Continuous から選べるようになりました!
弊社では以前、ECS タスクの起動/停止が非常に多くなった影響で Config の料金が高騰してしまったことがありました。その対策として現在は特定のリソースの記録を除外しているのですが、やはり記録自体はしておきたいものです。
今回のアップデートでは 1 日に 1 回のみ記録ができるようになったため、コスト面での課題は解消できるようになっているのではないかなと考えています。
実際に設定してみないと分かりませんが、このアップデートは適用してみたいです。

AWS CloudFormation、スタックの Git 管理を導入

弊社では IaC のツールとして terraform を採用しています。しかし、terraform で利用する IAM ロールや S3 バケットは CloudFormation で管理を行っています。
これまでは頻度も少ないので手動でデプロイしていましたが、Git 連携がサクッとできるなら実施しても良いなと考えています。terraform も Git 管理を行っているので、それと合わせて管理していけるとハッピーになれそうです。

AWS Fargate を含む Amazon GuardDuty ECS ランタイムモニタリングのご紹介

とりあえずで有効にしておけば間違いない GuardDuty で良い機能が出ましたね!
弊社でもとりあえず有効にして、先ずはどんなイベントが検知されるか(検知されない方が良い)見てみたいですね。

最後に

久々にアップデートを追ってみましたが、たくさんアップデートがあるとワクワクしますね!
今回取り上げたアップデート以外にも zero-ETL 系のアップデートなど面白そうなアップデートがたくさんありました。Security Hub のカスタマイズや Control Tower の API 対応等、「クリティカルじゃないけどできたら良いな」と思っていたところもアップデートが入りました。

ただ、私自身は Amazon Bedrock をどう使っていけるのか追いついていなかったり、zero-ETL で Redshift に情報を集約して何かできないかなとフワッと思っているけど具体的にアーキテクチャを思い付いていない部分があるというのが正直なところではあります。これから勉強をしていこうと思います!

さて、明日は @toshiki-otaka さんより、 Goで不正なreturn errを検知する静的解析ツールを作りました! のテーマで記事が投稿される予定です。お楽しみに!

re:Invent の全体的な解説は Amazon Web Services Japan 公式 Youtube に分かりやすく解説されていのでこちらもぜひご覧ください!
AWS re:Invent 2023 アップデート速報【AWS Black Belt】

SODA Engineering Blog
SODA Engineering Blog

Discussion