気持ちも定量化するとオーバーヘッドがなくなりそう
こんにちは、SODAでクオリティエンジニアをしているokauchiです。
今回は気持ちの定量化というテーマです!言葉の受け取り方次第で伝えたことよりインパクトが大きく伝わってしまって周りを驚かせてしまったり、逆に小さく伝わって真剣に向き合ってもらえなかったり。どちらも悪気はなかったとしてもすり合わせが起こらないとコミュニケーションがなくなってしまうこともあり得ます。それを解決するTipsのご紹介です!
不安や心配という「ふわっとした感情」がKPTで出てきたとき
KPT(Keep, Problem, Try)の振り返りで、「新しい技術にチャレンジするので不安」「デグレが起こらないか心配」というようなモヤモヤした声があがることがあります。これはチームにとって非常に大切なサインです。一方で、その気持ちの背景や程度がよくわからないと、どう向き合えばいいか戸惑うこともあります。
特に自分がそのKPTに参加していなかった場合、「どういう文脈だったのか」「それは全体に関わる話なのか」などを確認する必要があり、下手をするとそれだけでSlackや1 on 1で確認したりと、対応が必要になります。スムーズにやり取りできれば良いのですが、「不安」や「心配」といったキーワードが出るたびにヒアリングされるようでは、かえって発言がしづらくなってしまうかもしれません。その煩わしさからそれらのキーワードを使わなくなり、課題が隠れてしまいかねません。
気持ちを「5段階」で示すだけでいい
こうした感情の共有はとても大切ですが、すべてを対話ベースで処理しようとすると、時間もエネルギーもかかります。そこでおすすめしたいのが「感情の定量化」です。
たとえば、次のようなシンプルな5段階評価を設けてみてください。
- 5:かなり強い不安や心配がある
- 4:不安はあるが、話せる場があればすぐにでも共有したい
- 3:少し気になるが、大きな問題ではない
- 2:気になったけど、ほとんど問題にしていない
- 1:ほぼ心配していない
KPTで「XXXが不安」と書くときに、「(3)」と数字を添えるだけで、受け取る側の負荷がぐっと下がります。「3なら今すぐ対応しなくてもいいかも」「5なら早めに話を聞いた方がいいな」と、判断がつきやすくなるのです。人によっては4以上はKPTを待たずしてすぐに相談するというアクションも出来る方もいます。ただ誰しもが出来るわけではないので、エスカレーションが苦手な人にも優しいプロセスが大事ですね。
数値化のメリットは「安心の設計」にもつながる
この方法の良いところは、感情を軽視するのではなく、感情を共有しやすくする設計になっていることです。
人は「不安を口にするのは大げさかもしれない」と感じてしまうことがあります。でも「3くらいかな」と数値で出せるなら、ちょっとした違和感も表に出しやすくなります。
また、受け手としても「その気持ち、尊重したいけど、今すぐ深掘るほどの緊急性はなさそう」といった判断ができ、1 on 1の乱発やSlackでの過剰な確認を防ぐことができます。新しく部下を持つような立場になった方は特にそれらのキーワードに敏感だとは思いますが、エスカレーション側の負荷にならないような動きも意識しましょう。
まとめ
特に気持ちに関しては、誰しもがアバウトな表現を使いがちです。ちょっと不安、大分心配とかですね。私自身も、まだまだ意識しないと実践できないところではあります。それがただの文字となった時にどう捉えるかは受け取り側に委ねられますが、コミュニケーションのオーバーヘッドを防ぐ為にもチームや自分なりの気持ちのものさしを持っておくと良さそうです。よかったら実践してみてくださいね!

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