生成AIとソースコードで高める質問力のトレーニング
こんにちは、SODAでクオリティエンジニアをしているokauchiです。
今回は生成AIからより的確な答えを出してもらうための質問力を鍛えようというテーマです。プロダクト開発の中で、ある程度時間に余裕があるときは生成AIに質問することもあります。
ですが、緊急の不具合対応などスピードが求められる場面では、ついその機能を作ったチームに直接聞いてしまうことが多いです。解決した答えのある課題から質問力を養う方法を考えてみました。
同僚に聞いた方が速いは本当かもしれない
最近、生成AIにドキュメント化されていないプロダクト仕様をDevinなどの生成AIにを質問することが増えました。ただ、ふとしたときに思うのが「いや、これ〇〇さんにSlackで聞いた方が早かったな」という瞬間です。生成AIに聞くと、回答の粒度を調整したり、前提を明確にしたり、想定外の返答を精査したりする必要が出てくる。対して、同僚に聞けば、前提を察してくれるし、プロジェクトや文脈を理解した上で答えてくれる。
つまり、今すぐ答えが欲しい場面では、"生成AIより同僚のほうが答えに辿り着きやすい”こともあるというのが正直なところです。
同僚の答えを再現するプロンプトを考えてみる
おすすめの練習方法があります。
それは、「答えがわかっている質問を生成AIに答えてもらうこと」を目的としたプロンプトを作ってみることです。
たとえば、実際に同僚に聞いて解決した問題があったとします。あとからそのやり取りを思い出して、「このやり取りをAIにしてたら、どんな聞き方をしていただろう?」と振り返ってみます。
そして、自分なりにプロンプトを書いてみて、生成AIに同じような答えを出せるか試してみる。
うまくいかなかったら、どこが伝わっていないかを見直して、言葉を足したり削ったりしていく。まるで、対話のリプレイをするような感覚です。チーム内で競ってみるのも面白いかも知れません。
このプロセスは、単なるAI活用力というより、「人に伝える力」「問題を構造化する力」そのものだと思っています。副作用的に、レビューコメントの精度や、チーム内の設計議論での発言もわかりやすくなるかもしれません。
まとめ
生成AIへの質問力は個人差があり、人と違い察することや背景をどこまで伝えるかが重要です。「とりあえず聞く」だけでは力がつきにくい道具でもあります。そこでついつい同僚に頼ってしまうと、せっかくの生成AIも宝の持ち腐れになってしまいます。
「他人が答えてくれるような質問」を組み立てるための道具として使うのが、本来の面白さだと思います。
同僚に聞いたら5秒で返ってくるような話でも、それをどう言えばAIから同じ答えが出てくるかを考える。それ自体が、とても良い学びになります。
プロンプト力=質問力。
質問力=理解力+伝える力。
そんなふうに捉えて、日々の会話も、道具としてのAI利用の練度を上げたりすることも楽しみながら、日々の会話やAIとのやり取りを少しずつレベルアップさせていけたらいいなと思います。
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