SODA Engineering Blog
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1歳児から学んだ、プロダクト開発の本質。自作おもちゃを作る。

に公開1

私には1歳になる子どもがいるのですが、段ボールでおもちゃを作っていたらプロダクト開発に活かせそうな学びがあったので共有します。
もう年末ですし、学び半分、ネタ半分で読んでもらえると嬉しいです。
面白いと思ってくれたらいいね❤️お願いします!

この写真はVersion0.0.1で、こっから色々改善していきます。

何気ない行動からのひらめき

今回はダンボールシンプルなおもちゃを作りました。上からものを入れ、下から落ちたものを拾う仕組みです。
子どもの身長よりちょっと小さいくらいの大きさなので、立ったり座ったりする必要があり、いい運動にもなるし、見えずらい高さが興味を引く仕掛けです。

実は、普段子どもがおもちゃを勝手にゴミ箱にいれてしまう遊び(?)をヒントにしました。

小さく作る

このおもちゃを作るにあたり、初期バージョンは1時間以内で作ることを意識しました。
なぜ時間を意識したのでしょうか。もっと時間をかければ見た目も機能もより良いものを作れたはずです。

MVPとは

プロダクト開発にはMVP(Minimum Viable Product)という考え方があります。
ユーザーに価値を提供できる最小限の機能だけを作り、素早くフィードバックをもらいながら改善していく手法です。

子どもの成長というのは市場の変化よりも早いです。例えば1ヶ月かけて作ったおもちゃは完成した頃にはもう興味を持ってもらえません。
無駄なものを作ることを避けるために、仮説を元に1時間で作りました。

今回のおもちゃでいうと、「上から何かを入れて下からできたら何が面白いのか」という仮説を検証したかったので、最初から装飾などを凝っても意味がありません。

MVPは一般的に以下のような画像で説明されます。

恥ずかしいくらいがちょうどいい。

初期バージョンを他人に見せる際、見た目もダサいので恥ずかしさを覚えました。
しかし、私はこの時MVPにおける最も大事な考え方を思い出しました。
そう言った意味ではこのMVPは成功だったのかもしれません。

"If you’re not embarrassed by the first version of your product, you’ve launched too late.” —Reid Hoffman, founder of LinkedIn
「最初の製品バージョンが恥ずかしくないなら、リリースが遅すぎた証拠だ」―リード・ホフマン(LinkedIn創業者)

オンボーディング

オンボーディングは、手作りおもちゃでも、プロダクトでも重要です。
しかし"やり方"を教えるのではありません。子どもに「こう使って」と教えても意外と興味を持ってもらえません。実際に大人が楽しそうに使ってる姿や、普段何気なく使っている姿に興味を持ってくれるのです。

ユーザビリティテスト

機能を作ってリリースしたら放置...なんてことはよくあるのではないでしょうか。
MVPは学びを得るためのものです。今回はユーザビリティテストを通して学びを得ました。

方法は簡単で、実際に目の前で使ってもらって今回のUIの使い方に気づくのかとか、フィードバックは適切なタイミングなのかを後ろから見ているだけです。
初期のMVPでは使ってみてもらえたものの、落としたボールがどこに消えたのか認知されずリテンションしないことが発覚し、後述する改善に繋がりました。

UIに活かせそうな学び

実際に改善した点を通して、アプリのUIを考える際にも通じる学びがありました。

入れた感(押した感)

入れる蓋の部分が「入れた感」あると良いのでゴムを使って弾力感を追加しました。
これはUIでは、ボタンを押した時にブルっと震える Hapticフィードバック に近いかなと思いました。

以前Haptic関連の記事を書きました。気になる方はぜひ読んでみてください。

https://zenn.dev/team_soda/articles/9f46f212ec3d56

視覚的なフィードバック

落ちた時に転がってく様子が見れるようにしました。ダンボールそのままだと中身が見えませんがこれで「下に落ちていく」ことを認知できます。
(穴からボールを入れて、ペットボトルをゆっくり転がっていきます)

最後に。

大人になって自由に使えるお金が増えた一方、なんでもすぐに買って解決するマインドになっていることに気づきました。
自分が小さい頃は土間を秘密基地にしたり、カブトムシの住み家を作ったりしていました。

買った一瞬の高揚感はありますが、それはだんだんと消えていきます。しかし自分で作って、改善してを繰り返す時間そのものが楽しいのです。また、作ったものを誰かに使ってもらえる喜びはモノづくりの初心に戻ったような感覚になりました。

普段はFlutterのことや、UI・UXのことについて書いています。2026年もたくさんアウトプットしていくので、Xと一緒にフォローして待っていてください。
https://zenn.dev/imajoriri

それでは良いお年を。

参考

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Discussion

hott3hott3

素敵な記事ありがとうございます!
普段の生活の何気ない気づきから、しっかりナレッジが効いてて、ユーザー(👶🏻)の笑顔が思い浮かびます!