2025年版:健康にITエンジニアを続けるための努力
こんにちは。株式会社SODAでFlutterエンジニアとエンジニアリングマネージャーをしているTPと申します。
私は先日30歳の誕生日を迎え、ITエンジニアとしてのキャリアも7年ほどになりました。節目の歳ということもあり、何となく健康について語りたくなったので書いていきます。
ITエンジニアはパソコンの前に座る時間が長く、そのことによって健康問題を抱えやすい職業ではないかと思います。私もこれまでのキャリアで好不調の波を感じており、不調になるたびに何らかの対策を考えて導入してきました。
話題ごとにセクションを分け、それへの対策を順番に書いていきます。対策は効いた度合いによって5点満点で評価しています。
腰痛
私は中学生の時から腰痛持ちで、これまでは腰痛が出たり治ったりを1ヶ月くらいの周期で繰り返す日々でした。痛みがひどい時は椅子に座ってデスクに向かうのが億劫になるため、仕事にも少し影響してしまうほどでした。
しかし、色々な対策の末、直近半年くらいは仕事のパフォーマンスに影響しない程度には腰痛を緩和することができています。
整体 ⚪︎⭐️⭐️⭐️⭐️
腰痛を緩和しようと思い、2年半くらい前から整体に通い始めました。最初の方は2週間〜1ヶ月の頻度で通っていましたが、最近は症状が良くなってきたのもあって2ヶ月に一回の頻度に減らしています。
実感している整体の効果としては、身体が凝り固まって痛みが出ているときの対症療法の側面が大きいです。身体が凝りすぎていると運動やストレッチではなかなかほぐしきれず、快復まで時間がかかってしまいますが、整体にいくとある程度コリをリセットできます。
一方で原因療法として整体のみに頼るのは難しいという印象です。整体でコリをほぐしてもらっても1ヶ月くらい経つと元に戻ってしまうため、イタチごっこのようになります。いい状態をキープするには後述の対策を地道にやる必要がありました。
ストレッチ ⚪︎⭐️⭐️⭐️⭐️
整体が対症療法とすると、原因療法として大きいのがストレッチです。
腰痛を直すために色々なストレッチを試してきましたが、効果があったのは尻の筋肉を伸ばすストレッチでした。
「大臀筋をほぐすストレッチ」を地道にやりつつ、柔軟性が高まってきた段階で半跏趺坐を始めました。半跏趺坐はストレッチというより禅の姿勢の一つですが、股関節が硬い自分にとってちょうどいいストレッチになることに気づきました。今ではほぼ毎日この姿勢をとる時間を設けています。
ストレッチの注意点として、種目や強度によっては逆に腰を痛めてしまったこともあります。具体的には、前屈系のストレッチをやると腰痛が悪化するケースが多かったです。また、脚を広げる系の柔軟も腰痛にはあまり意味がないか、少し悪化する感触でした。
椅子・机 ⚪︎⚪︎⭐️⭐️⭐️
座り仕事は椅子にこだわれとは言いますが、腰痛に関しては他の対策よりも影響度が低い気がしました。私はハーマンミラーのセイルチェアと昇降デスクを使っており、それなりの品質のものではあります。しかし、座っている時間が長いことや座り方が悪いことのほうが腰痛には悪影響なので、椅子や机そのものの寄与度は低いと感じます。
ある程度良い椅子を使う意味はあると思いつつ、5万の椅子と20万の椅子で腰痛への影響が変わるかというと、あまりない気がします。それよりは休憩時間に定期的に立ち上がる方がはるかに大事です。
寝具 ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
2ヶ月くらい前に寝具を変えました。寝具を変える前も腰痛はかなり改善していたのですが、新しい寝具にしてからほとんど腰痛が出なくなっています。腰痛対策を色々やってきた中で最後の仕上げが寝具だったという感じです。
新しく購入した寝具はこちら↑です。GOKUMINの3つ折りモデルになります。私はこれを畳に敷いて使っています。
このマットレスの特徴として、普通に販売されているマットレスの中ではおそらく一番硬い(高反発)なことがあります。私の場合、マットレスが柔らかいと腰が沈み込みすぎて負担がかかっている感覚があったので、硬くしたいとは思っていたのですが、実際に変えてみると寝心地がかなり改善しました。
人によって適切なマットレスの硬さは変わると言われているので、あくまで参考にという感じですが、硬めが好きな方には非常におすすめです。
メンタル
メンタルと言っても様々な要素がありますが、ここでは主に気持ちがネガティブにならないことと仕事中に集中を保てる精神状態について語ります。
運動 ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
運動には代え難いメンタル改善効果があるということを痛感しています。運動をサボるとほぼ確定でメンタルが低調になります。具体的には2週間くらいジョギング以上の強度の運動をしていないと気分がふさいでパフォーマンスも悪くなります。
メンタルに効くものとして、サウナ、入浴、娯楽(ゲーム等)など、さまざまあるのですが、どれも運動のメンタル改善効果を代替できるものではないと感じています。
私は運動部経験もなく、積極的に体を動かす方ではなかったのですが、大学院時代に気づいてからは週1以上で何らかの運動を取り入れることを課しています。
運動の内容としては、ジョギング、水泳、クロストレーナー(ジムでランニングマシンの隣に置いてあるやつ)などの有酸素運動とともに、少しの筋力トレーニングを取り入れるといい感じです。
欲を言えば巧緻性が要求される運動(キャッチボール、テニスなど)があるとさらにメンタル改善効果があるのですが、首都圏だと大人が球技をできる場所が非常に少ないのでなかなか取り入れられていません。たまに河川敷に行ってキャッチボールをする程度です。ゴルフの練習場は結構あったりするので、メンタルのためにゴルフを始めるか本気で悩んでいます。
リモートワーク ⚪︎⭐️⭐️⭐️⭐️
私にとってはリモートワークがメンタルに良い作用をしています。実のところメンタルへの悪影響の側面も無視できないですが、総合的に見ると良い寄りかなと思っています。
前提として、私の出勤の頻度は週2日で、週3日は自宅から仕事をしています。
良い方の作用は、満員電車に乗る頻度が減ることです。私は満員電車が嫌いで(好きな人はいないと思いますが)、よくないことですが大学時代に電車が辛くて授業に出ないことも多々ありました。就職してから毎日満員電車に乗ることだけは避けたいと思い、就活も地方勤務やリモートワークを軸に考えていました。在学時代にコロナ禍があり、かなりリモートワークに対応する会社が増えたため、結果的に何とかなりました。もし以前のままだったら地方勤務にかなりこだわっていたと思います。
今は週2で通勤はしているものの、頻度が低いのと、弊社の出勤時間がピークから少しずれておりそこまで満員ではないため、ストレスは軽減できています。
リモートワークで悪い側面もあって、それは家族以外との会話が減ることです。会社の同僚との他愛のない会話はメンタルを和らげてくれます。弊社はSlackのチャット文化やコメント欄でワイワイする文化が根付いているので、テキストベースでは楽しくコミュニケーションは取れるのですが、やはり口頭での会話には代え難いものがあると思います。ビデオチャットでも会話はできるのですが、UX的に一度に話せるのが一人に限定されてしまうので、やはり物理の会話の楽しさに匹敵はしていないように思います。今の勤務形態だと週2は物理で会話できているので、個人的にはちょうどいい感じです。
最近はIT業界も物理オフィス復帰の流れも強くなってきました。プロのサラリーマンとして勤めている以上は出勤命令があれば出るのが筋だとは思いつつ、個人的にはリモート勤務できる環境も残って欲しいものです。
小旅行 ⚪︎⭐️⭐️⭐️⭐️
自宅と会社の往復をずっと繰り返していると、どこか遠くへ行きたいという思いがだんだん募ってきます。首都圏は全体的にコンクリートに囲まれているため、灰色の世界にずっと閉じ込められているような感覚がしてきます。
そんな時、郊外への小旅行にいきなり出かけたりしています。金曜日の夜にタイムズカーシェアの空き車両を確認して、空いていたら翌日ドライブに出かけるなどしています。
もっと遠くに行ってもいいのですが、お金も時間もかかりますし、普段の衝動的な旅行は関東圏で済ませてしまうことが多いです。
行き先としては、昔は鎌倉・伊豆・御殿場方面によく行っていたのですが、海老名PA周りが毎回大渋滞になっていてしんどいので、最近はアクアラインを渡って房総半島に行くことが増えました。アクアラインも日曜夕方の津田沼ICはかなり混みますが、それ以外の時間は空いているのでまだ楽です。
小旅行先としていい感じのスポットは常に募集しています。
肩こり
ITエンジニアの健康の悩みとしてのツートップは腰痛と肩こりなのではないでしょうか。肩こりがひどくなると目や頭も痛くなってくるので避けたいところです。
私も大学時代は肩こりに悩まされていましたが、以下の対策で今はほとんど気にならなくなっています。
分割キーボード ⭐⭐⭐⭐⭐
肩こりに悩んでいる人はぜひ分割キーボードを試してみてください。私は分割キーボードを導入したことで、タイピングによる肩こりはほとんど無くなりました。
分割されていないキーボードを使うと、どうしても肩が丸まってしまいます。世の中のほとんどのキーボードは分割されていないので、それが当たり前と思ってしまいますが、これは肩にとっては辛い姿勢です。

私の作業環境におけるキーボード配置
私はEnterキーが親指に来る特殊な配列のキーボードを使っていますが、通常のキーボードの配列のままで分割したものもあります。少し前まで、分割キーボードは売っている基盤を買って自作するしか無かったのですが、最近は完成済みの製品も増えてきています。
昇降デスク ⚪︎⭐⭐⭐⭐
デスクは腰痛に対してはあまり影響がないと書きましたが、肩こりに対する影響は大きいと思います。デスクの高さが固定だと、デスクに肘の位置を合わせることになり、肩に対して多少の負担がかかってしまいます。一方で、高さを調整できるデスクであれば、自分が自然に座った時の肘の位置に天板の位置を合わせられるため、肩への負担はかなり軽減できます。
また、デスクよりも影響は少ないですが、ディスプレイにアームをつけて目線に対する高さを調整できるようにするのもおすすめです。
懸垂 ⚪︎⚪︎⭐️⭐️⭐️
最近、ジムで懸垂に取り組み始めました。もともと分割キーボードのおかげであまり肩こりはしていませんでしたが、懸垂で肩を動かす習慣がついてからはより改善した気がしています。懸垂までいかなくても、ぶら下がるだけで結構肩が楽になるような気がします。
今後の課題
ここまでは私が取り組んできた健康課題を紹介してきましたが、まだ十分な改善に至っていないものもあります。最後にそれらを紹介していきます。
視力・眼精疲労
仕事の時間はほとんどディスプレイを見ているので、どうしても目を酷使することになります。自分は素の視力が0.1もないのですが、30歳になる今でも少しずつ視力が落ちています。プライベートの時間もディスプレイを見ていることが多いので、このまま年を重ねて行った時にいつまで目が保つのかかなり心配です。
やはり一定時間ごとに休憩して遠くを見るのが基本的な対策とは思われるのですが、集中して作業しているとそのまま続けたい場合も多く、どうしたものかという感じです。
いつか試してみたいこととしては、ゲームクリエイターの桜井さんのYouTubeチャンネルで紹介されていた、「モニターを顔から1m離す」という方法です。しかし、机の奥行きが1mあることが前提になるので、なかなか難しいですね。
冷笑思考からの脱却
これまでの人生において冷笑的な思考をしてしまうことが多かったことについて、近頃反省しています。私はインターネットが好きで、掲示板や旧Twitterを読み漁ってきましたが、それらの場は冷笑的な投稿に溢れていて、次第にそれが自らの思考癖としても侵食していました。そのことを自覚してから気をつけてはいるのですが、一度ついた癖はなかなか抜けず、意図せずに冷笑に流れてしまうことがあります。
人生を振り返ってみると、冷笑的な態度と思考は損にしかならなかったように思います。メンタルの健康にも良い影響はありません。
目の前の事象にのめり込みすぎず、一歩引いて見る態度は大事ですが、それと冷笑とは区別できるため、冷笑それ自体には本当にメリットがなかったなと思います。
思考の癖であり目には見えないので修正が難しいですが、地道に意識してちょっとずつ良くしていくしかないと思っています。
まとめ
書いていたら結構長くなってしまいました。生活について振り返る記事を書くと年末感が出ていいですね。これからも心身ともに健康でエンジニア稼業を続けていきたいものです。
読んでいただいてありがとうございました!
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