ITサービスマネージャ受験記 (合格記)
😊ITサービスマネージャ試験とは?
顧客ニーズを踏まえ、日々の継続的改善を通じて安全性と信頼性の高いITサービスを提供し、IT投資効果を最大化できるITサービスマネージャを目指す方に最適です。
ネットワークスペシャリストなどに並ぶIPAの国家試験です。
他の試験と同様に4つの各区分に全て合格することで合格できます。
区分 | 合格基準 | |
---|---|---|
午前1 | 4択問題。他の高度試験と共通。応用情報午前問レベル。条件付きで免除されることも。 | 60%以上 |
午前2 | 4択問題。 | 60%以上 |
午後1 | 記述式問題。 | 60%以上 |
午後2 | 論述問題。A~Dの4段階で評価されるらしい。 | 評価A以上 |
私は午前1の免除を持ってたので、 午前2
、 午後1
、 午後2
を受けました。
また学習開始前の自分は 「ITサービスと言われてもなぁ、ピンとこない」 な学生だったので絶望感マシマシな感じでした。
また論述(論文を書く)タイプの試験は初めてだったのでそれも絶望感に追い風を吹かせていました。
自分の学習の進め方
通っている専門学校では半年に1度の「試験対策期間」があったので、1ヶ月ちょっとの間試験のことだけを考える地獄の生活を送っていました。
その中で以下のように勉強を進めることにしました。
試験対策期間前 | 約2ヶ月前 | 午後1 |
試験対策期間中 | 約1ヶ月前 | 午後2の勉強 |
1週間前 | 午前2の勉強 |
また試験対策期間中は論文を書いては添削され...を永遠にくり返えしていました。
途中、何人かの先生から実務でのエピソードを聞かせていただける機会もあって助かりました。
使った本
午前問題編
どういう事を勉強すれば良いかをざっと見するのに使いました。
(過去問演習すれば午前2はなんとかなるので、正直なくてもよかった)
午後問題編
論文の書き方というか話の膨らませ方を学ぶのに対策期間前に読みました。
対策期間中は大量に掲載されている論文事例に助けられました。
論文のネタに行き詰まった時に「◯◯マネジメントって具体的には何するんだっけ?」ってなった時によくお世話になりました。
個人的にこのシリーズの信頼感パナイ
勉強のためにやったこと
1. 本を読む
- 対策期間前に前述の利用した書籍を読んだ
2. ひたすら過去問演習
- なるべく同じようなテーマの問題は選ばない
→ と意気込んで進めたは良いものの、午後問題の中にはあまり同じようなテーマは多くなかった印象
3. 元SEのでぇベテラン先生にお話を聞く
- 経験談
- APサーバの切り替え作業のご経験
- サービスレベルの変更の伴う移行のご経験
- 失敗談
- 作業手順のミスによる不具合
- 質問
- システムアップデートの頻度
- どれくらいの頻度でシステムをアップデートしていくのか
- システムアップデートの頻度
- そのほか
- キャリア
- コミュニケーション能力
(全然関係のない就活の共感度いとたかしな話で時間を潰したのは秘密)
勉強する中で気づいた問題の解き方
午前2
- ドットコムがない
IPAの国家試験の受験者は必ずお世話になる◯◯.com、通称「ドットコム」と呼ばれるサイトがあります。
基本・応用情報、ネスペ、デスペの時は自分もお世話になって、今回もお世話になるかと思いきや.........
「ドットコムが...ない...?!」
過去問の使い回しが多い午前2の勉強で大活躍してくれるはずの「ITサービスマネジメント.com」が存在しないことに気づいてからの午後2の演習は辛いものでした。
午後1
いつも通りの記述問題です。
他の高度試験よりも易しめの難易度だったと感じています。
特筆することはないのでスキップします。
午後2
演習を経て気づいたポイントを紹介します。
圧倒的に時間が足りない
この試験では最低でも2200文字の論文を2時間以内に書かなければなりません。(手書きなので後で「やっぱここは削除!」みたいなこともできません)
個人的に論文を書いた経験がほぼ皆無だったためか、論文1本書き切るのも絶望的に時間がかかりました。2時間で書き切るなんて夢のまた夢......
10時間,6時間,...と日に日にかかる時間は減っていったものの、前日の時点で2時間半かかっていたような状況でした。
それでも「文字数が足りない論文は内容がいくら良くても採点の対象外になる可能性がある」と言われていたのでどんな酷い内容でもとりあえず書き切るように努力していました。
- 設問イ、ウを考えた後に設問アを考える
→ 設問アに伏線を張れる
ただ最終的に「題材によっては伏線を入れている時間があったら一刻も早く書き切ることの方を優先させるべき」なことが多くなってきた気がしており、一つの手段として適用することにしました。
- 新しい技術を入れたり別サービスへ移行すればいいってもんじゃない
- 費用などのコスト面で大変
→ とりあえずの短期的な対策を講じる
→ 長期的には新しい技術を入れることを検討した
何かと困ったことがあった時(新しい機能の導入等)に、「とりあえず新しいものを入れてみる」は悪手です。そんな費用や時間は顧客と協議して手に入れていかなければいけないからです。(模範論文を読んでいても新しい技術を入れることで解決しました!的なのは少なかった印象です)
よって、とりあえずは短期的(暫定的)な対策を施し、長期的(根本的)には新しい技術などで解決すると言った流れにするのが良さそうでした。
実際の実務もきっとそうなのでしょう(圧倒的 経験不足)
- 「〇〇な状況にするためには××をしないといけないと考えた。そこで◇◇した。」
ところどころで このフレーズにハマるように文章を考えていました。
このフレーズにハマるような文章にすることでおのずと以下の点を洗い出す必要が出てきます。
- 現在の状況
- 理想的な状況
- 現在と理想の差
- 左を埋めるために実施すべきこと
これによって、考え出した解決策をただ論述するだけでなく、
現状を把握していることもアピールできると考えました。
- ❌「〇〇としては以下の◯点がある。」
⭕「〇〇の例としては以下が挙げられる。」
→ 最悪、後で付け足しができる
前述の通り、論文は基本的に時間が足りないので大枠の構成だけ考えたら、細かい文章は書きながら考えていました。
そんな中で、例えば問題点などをいくつか列挙するときに、「以下が挙げられる」と書くことで各項目を書いている最中であれば「あ、もう一個あった」みたいになっても付け足しが可能です。またはじめに○個と決め打ちすると変更が入った後に○個と書いた方を更新し忘れるリスクもあるのでこれを避けたかったのも理由です。
当日の手ごたえ
午前2が 大問題
自己採点したら控え忘れてたところを考慮しないと64点でした⭐️ (合格は60点)
マークミスによっては落ちる可能性があるやつです。
IPAの試験は多段階採点方式なので、午前2で落ちてたら以降の区分は採点されません。
一番やっちゃいけない落ち方をした気がしています。必死に言い訳を考えています。
午後1は普通に解けました。
午後2は史上最高の出来?!
なんと練習で一度もできなかった「時間内に書き切る」ことができました!
筆を止めてから3分ほど余裕があったあの感覚はいまだに忘れられません。
感想
1. 素人(未経験者)が想像ででっち上げて書くものじゃない
実務未経験者 特に学生がでっち上げて書こうとすると「時間が足りない」「変な矛盾が生まれる」などが起きてしまいます。それらはきっとIPAが測りたいと思っているものと違うものです。
よほど文章を書く能力に長けていなければそもそも受けるべきではないのでは?とさえ感じてしまいそうでした。(自分は文章力など微塵もありませんがありませんが笑笑)
2. 案外 論文作成も悪いものではない
1.と矛盾するようですが、論文作成は大変なことではありますが、作成中は時間が泡のように溶けていきました。それくらい集中力を鍛える場になったり、何よりそれが楽しかった証拠だったのでは?とも思っています。
ダケドモウカキタクナイヨ!😊
P.S. 2023年7月1日
無事合格してました!
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