SequelizeからPlanetScaleにアクセスする方法
この記事について
この記事ではNode.jsのSequelizeからPlanetScaleのMySQLデータベースにアクセスする方法について紹介します。関連リソースを下記に示します。
Beforeのソースコード
PlanetScaleへのアクセスに対応する前のソースコードを下記に示します。
Afterのソースコード
PlanetScaleへのアクセスに対応した後のソースコードを下記に示します。
ポイントを下記に示します。
- Sequelizeのインスタンスを作成する時のdialectOptionsに
ssl: {rejectUnauthorized: true}
を指定してSSL接続を有効にします。 - 【任意】テーブル名にプレフィックスを追加します。
- 【任意】アソシエーションを作成する時のオプションにasを指定してプレフィックスなしでアクセスできるようにします。
- アソシエーションを作成する時のオプションに
constraints: false
を指定して外部キー制約が作成されないようにします。 - 【任意】クエリを発行する時はテーブル名にプレフィックスを追加します。
動作確認
Beforeの実行結果
Beforeのソースコードを実行して発行されるSQL文を下記に示します。なお、CREATE文とINSERT文のみを抜粋しています。
CREATE TABLE IF NOT EXISTS `users` (
`id` INTEGER NOT NULL auto_increment ,
`createdAt` DATETIME NOT NULL,
`updatedAt` DATETIME NOT NULL,
PRIMARY KEY (`id`)
) ENGINE=InnoDB;
CREATE TABLE IF NOT EXISTS `articles` (
`id` INTEGER NOT NULL auto_increment ,
`createdAt` DATETIME NOT NULL,
`updatedAt` DATETIME NOT NULL,
`userId` INTEGER NOT NULL,
PRIMARY KEY (`id`),
FOREIGN KEY (`userId`) REFERENCES `users` (`id`)
ON DELETE NO ACTION
ON UPDATE CASCADE
) ENGINE=InnoDB;
INSERT INTO `users` VALUES (NULL, NOW(), NOW())
実行結果を出力するためのコマンド例は下記の通りです。
DB_URL=mysql://ps_user:ps_pass@localhost:3306/ps_db \
node before.js
Afterの実行結果
Afterのソースコードを実行して発行されるSQL文を下記に示します。なお、CREATE文とINSERT文のみを抜粋しています。
CREATE TABLE IF NOT EXISTS `psUsers` (
`id` INTEGER NOT NULL auto_increment ,
`createdAt` DATETIME NOT NULL,
`updatedAt` DATETIME NOT NULL,
PRIMARY KEY (`id`)
) ENGINE=InnoDB;
CREATE TABLE IF NOT EXISTS `psArticles` (
`id` INTEGER NOT NULL auto_increment ,
`createdAt` DATETIME NOT NULL,
`updatedAt` DATETIME NOT NULL,
`userId` INTEGER NOT NULL,
PRIMARY KEY (`id`)
) ENGINE=InnoDB;
INSERT INTO `psUsers` VALUES (NULL, NOW(), NOW());
実行結果を出力するためのコマンド例は下記の通りです。
DB_URL=mysql://xxxxxxxxxxxx:pscale_pw_xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx@xxxxxxxxxxxx.ap-northeast-2.psdb.cloud/xxxx \
node after.js
Afterの実行結果から下記の2点を読み取ることができます。
- テーブル名にpsのプレフィックスが追加されている点
- FOREIGN KEY制約が作成されていない点
おわりに
PlanetScaleではSSLが必須なのでsequelizeのインスタンスを作成する時のdialectOptionsに ssl: {rejectUnauthorized: true}
を指定してSSLを有効にする必要があります。また、PlanetScaleでは外部キー制約を設けることができないため、アソシエーションを作成する時のオプションに constraints: false
を指定して外部キー制約が作成されないようにする必要があります。なお、外部キー制約を設けることができない点については tak_iwamoto さんが下記の記事で詳しく解説されています。
PlanetScaleとは何か、なぜ外部キー制約をサポートしていないのか
なお、テーブル名にプレフィックスを追加する点についてはPlanetScaleのFreeプランではデータベースを1つしか作成できないのでテーブル名が重複しないようにするための工夫です。アプリごとに複数のデータベースを作成できるのであればこのような工夫は不要です。
PlanetScaleのPricingでは一定のリソース消費量までは無料で使えるHobbyプランを提供しており、Vercelなどと組み合わせるとRDBを必要とするアプリであっても無料で運用することができるのでとても魅力的です。ただし、VercelのPricing によるとのHobbyプランは non-commercial & hobby sites の用途に限定されるので留意する必要があります。
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