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プレゼンが苦手な人のためのプレゼン術

2022/11/16に公開

この記事について

今から1年以上前になりますが「補助金を勝ち取るための負けないプレゼン術」というテーマで講師としてプレゼンする機会をいただきました。私は吃音(いわゆる「どもり」)障害者なので本来は人前で話すのが苦手なのですが、過去にプレゼンが必要な補助金に4回申請して4回とも採択された経験があります。この経験を踏まえて可もなく不可もなく当たり障りのない月並みなプレゼンを行う方法について紹介します。

目次

第1に発表内容、第2にスライド、第3に原稿、第4に本番、と準備から本番までに流れにそって「私は普段こうしている」ということについてお話しします。

自己紹介

本題に入る前に簡単に自己紹介をします。私の名前は薄田達哉(すすきだたつや)と申します。生年月日は1987年8月27日、現時点で35歳です。職業はフリーランスのプログラマー、出身は北海道恵庭市、在住は新潟県長岡市。20歳のときに苫小牧高専から長岡技術科学大学へ進学するために長岡市に来てから15年間が経過しました。

発表内容

まずは発表内容に関するポイント2点についてお話しします。

内容は本題のみでOK

発表内容の1つ目のポイントは内容は本題のみでOKという点です。補助金申請であれば目的、概要、実施内容など、申請書に書いたことを話せば大丈夫です。想いや意気込みなどパッションの部分は少しでも良いです。無理に感動を与えようとかスティーブ・ジョブズのようなプレゼンをしようとかは考えずに無難なプレゼンをすれば大丈夫です。

自己紹介をする

発表内容の2つ目のポイントは自己紹介をすることです。名前、生年月日、職業など、自分のプロフィールについて話します。発表内容との関連があればさらに良いです。プレゼンを聞く側としては発表者がどういう人物なのかを知りたいと思うので最初に自己紹介をすることをお勧めします。

スライド構成

続いてスライドに関するポイントについてお話しします。スライドについてはポイントが7点あって多いので構成4点とデザイン3点の2つに分けてお話しします。

1枚1分を目安とする

スライド構成の1つ目のポイントは1分1枚を目安に考えることです。例えば10分間のプレゼンでは合計10枚を目安とします。表紙や目次などを入れても13枚以下くらいが限界ではないかと思います。多すぎると発表時間オーバーの原因になるので少なめにすることをお勧めします。

表紙ページを設ける

スライド構成の2つ目のポイントは表紙ページを設けることです。設ける位置は1ページ目が適しており、内容はタイトルや発表日、発表者の氏名などです。中には表紙ページがない場合やイントロページがあって表紙ページがあるようなトリッキーな構成も時々ありますが、原則として1ページに表紙ページを設ければよろしいかと思います。

目次ページを設ける

スライド構成の3つ目のポイントは目次ページを設けることです。設ける位置は2ページ目が適しており、発表の区切りごとに再掲するとより良いです。結構プレゼンを聞いていると「今何の話をしているんだろう」とか「なんでこの話をしているんだろう」みたいな気持ちになるので目次があると迷子にならずに済みます。

まとめページを設ける

スライド構成の4つ目のポイントはまとめページを設けることです。設ける位置は最後のページで適しており、内容は発表内容の要約です。まとめページがあることでプレゼンが終わるということがわかりますし、プレゼンを聞いていると最初の方の話を忘れてしまうことがあるので、最後に要約することで忘れたことを思い出させることができます。

スライドデザイン

続いてスライドデザインに関するポイント3点についてお話しします。

タイトルを入れる

スライドデザインの1つ目のポイントはタイトルを入れることです。入れる位置は左上が適切であり、内容は「何のスライドか」ということです。中にはスライド全部を写真にするなどの例外もありますが、原則としてタイトルを入れることで「今、何について話しているのか」ということを聞く人がいつでも確認できるようになります。

ページの番号と枚数を入れる

スライドデザインの2つ目のポイントはページの番号と枚数を入れることです。入れる位置は右下がさりげなくて良いと思います。ページの番号と枚数があることで、話す人も聞く人も発表の進捗状況がわかって安心できます。質問するときに何ページ目のスライドなど指定もできるので大変便利です。これは個人的にはページ番号はとても重要だと考えています。

文章ぎっしりにしない

スライドデザインの3つ目のポイントは文章ぎっしりにしないことです。箇条書きなど表現を工夫することで読みやすさが変わりますし、イラストや図表があればより良いです。この記事をお読みの方も文章ぎっしりのスライドを1度は見たことがあると思いますが、見た瞬間に顔には出さないけど「うわ」って気持ちにならなかったでしょうか。聞く人の意欲を削がないためにも目にやさしいデザインにすることが大切です。

原稿

続いて原稿に関するポイント3点についてお話ししようと思います。

1分400字を目安にする

原稿の1つ目のポイントは1分400字を目安にすることです。例えば10分間のプレゼンでは合計4,000字になります。スライド1枚につき300〜400字の原稿があると理想的です。スライド1枚で100字以下だと読んでいる途中にスライドが切り替わってしまい、聞いている人にせわしない印象を与える場合があります。だからといって1枚で1,000字くらい話すと間延びしてしまって退屈な印象を与えてしまいます。全てのスライドが40秒から80秒くらいで同じペースで進んでいくと理想的です。

スライドの内容を話す

原稿の2つ目のポイントはスライドの内容を話すことです。スライドに書いていることをそのまま話します。スライドに書いてあることを話せば忘れません。スライドに書いていないことを話そうとすると原稿を覚えなくならなくなるので大変です。また、スライドとあまり関係のない話をしていると「何の話をしているんだろう」みたいな印象を与えてしまいます。とはいえ、スライドに話すこと全部が書いてあるということはそれだけごちゃごちゃしたスライドになっているということなので、バランスが重要になります。

実際に読んでみる

原稿の3つ目のポイントは書いた原稿を実際に読んでみることです。まずは時間内に終わるかどうかを確認します。また、読んでみて読みにくい部分は直します。話し言葉と書き言葉は違うので、原稿で読むとわかりやすいけれど耳で聞いてみるとわかりにくい、ということもあります。実際に自分で読んでみることでわかりにくいポイントをチェックできますし、何よりも原稿を覚えることができます。

本番の発表

最後に本番に関するポイントについてお話しします。本番についてはポイントが6点あって多いので発表3点と質疑応答3点の2つに分けてお話しします。

時間を守る

本番の発表の1つ目のポイントは時間を守ることです。発表時刻までに到着して、発表時間内に話し終えることです。この記事で紹介している中で一番重要なポイントです。この「時間を守る」ということを忘れなければ、他の全てを忘れても大丈夫です。まだ内容がかなり残ってそうなのに終了時間間際だったり、終了時間をオーバーしていたりすると、聞いている側としては早く終わらないかばかり気になって全く内容が頭に入らなくなってしまいます。時間を守れると時間にしっかりした人という良い印象を与えることができるので、時間だけは守ることをおすすめします。この1点だけを伝えられたらこの記事としては目的達成です。

フォーマルな服装

本番の発表の2つ目のポイントはフォーマルな服装を心がけることです。フォーマルな服装で発表するだけで良い印象を与えることができます。男性であればスーツにネクタイが基本になるかと思います。もちろんですが受ける印象は人によって異なるのでこれが絶対に正しいということはありません。聴衆の多数がエンジニアの場合はスーツやネクタイを身につけているとかえって暑苦しい印象を与えてしまうこともあるのでケースバイケースです。大切なのは、とりあえずこの人の話を聞いてみよう、という気持ちにさせることなのでそれが達成できる服装であれば大丈夫だと思います。

資料を使って話す

本番の発表の3つ目のポイントは資料を使って話すことです。資料はスライドでも紙でも何でもOKです。資料があると準備してきた感じが格段に上がります。中には資料が全くなくてもめちゃくちゃ話がわかりやすい人もいて私自身もそういうプレゼンテーションも何回か聞いたことはあります。その時の感動というかモチベーションが上がった感じも覚えていますが、ほとんど内容は覚えていません。資料は発表が終わった後も残るので、資料がきっかけになって話していたことを思い出してもらえることもあるのでやはり資料はないよりはあったほうが良いかと思います。

本番の質疑応答

最後の最後に本番の質疑応答のポイント3点についてお話しします。

質問には結論から答える

本番の質疑応答のポイントの1つ目は質問には結論から答えることです。結論を言ってから理由などを述べます。ただし、質問によっては難しいケースもあるので無理しなくても大丈夫です。常套句としては「結論から申し上げますと○○です、その理由なのですが」みたいな感じになります。私もそうなのですが、想定外の質問が来るとちょっとしたパニックになり自分でもよくわからない話を長々とした末に質問に答えないまま終わるみたいなことになることがあります。結論から先に言うことで、頭が良いとかコミュニケーションが上手とか良い印象を与えることができるのでお得です。

質問や助言に感謝を示す

本番の質疑応答のポイントの2つ目は質問や助言に感謝を示すことです。まずは質問をいただいてありがとうございます、と言うことから始めます。その際に相手の意見や質問などをまずは肯定できればさらに良いです。相手に自分の考えを理解してもらうためには、まずこの人の話を聞こうという気持ちにすることが大切だと考えています。そのためにはまず自分が相手と良い関係を築こうとする姿勢や相手の考えを理解しているいう態度を伝得ることが重要だと思います。1つ目のポイント( 質問には結論から答える)と合わせると何か質問をもらった時には「ご質問ありがとうございます、○○という点については私もおっしゃる通りだと思います。ご質問への答えについては結論としては○○で、理由としては」みたいな感じになるかと思います。

反論を穏やかにする

本番の質疑応答のポイントの3つ目は反論を穏やかにすることです。私に限らずそうだと思いますが、初っ端から意見や質問を否定されると悲しい気持ちになります。例えば、枕詞として「実は私たちも当初はそのように考えていたのですが、こうこうこういった理由から現在の結論にいたりました」のように話すことでかなり印象が柔らかなくなります。質問する人が趣旨などをよく理解せずに否定的な意見を言うことも時々あります。そう言う時に妥協して受け入れるのも一つの手かも知れませんが、趣旨をよく理解している人にとっては「自分の考えがない人」や「調子だけ良い人」みたいに思われる恐れもあります。反論を穏やかにすることでしっかり自分の考えを持っていて、それでいて人に配慮できる器を持っている人、という印象を与えられるのでお得です。

まとめ

まとめとしてそれぞれのステップで特に重要なポイントを1つピックアップして復習します。

  • 発表内容:内容は申請書そのままでOKです。
  • スライドの構成:1分1枚を目安にします。
  • スライドのデザイン:ページ番号と枚数を入れます。
  • 原稿:1分400字を目安にします。
  • 本番の発表:時間を守ります、この点が1番重要です。
  • 本番の質疑応答:質問や助言には感謝を示します。

最後まで読んでいただいてお気付きになった方もいるかも知れませんが、この記事自体がこれまでに紹介したポイントに従って書かれています。実際にポイントに従って書かれた記事を読んでみてどのように感じられたでしょうか?良いと感じてもらえたら嬉しいですが、人によってプレゼンのスタイルは異なるのでご自身の考えを一番に大切にしていただければと思います。この記事を通じてプレゼンについて何かお役に立てることを伝えることができたのであれば幸いです。

プレゼンに関する記事なので最後はプレゼン風に締めたいと思います。以上で発表を終わります、ご清聴ありがとうございました。

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