ERC-721トークンを発行する方法
この記事について
この記事ではHardhatを使ってEthereumのテストネットであるRinkeby上でERC-721トークン(NFT)を発行する方法について紹介します。GoerliではなくRinkebyである理由についてはOpenSeaが2022年8月13日時点ではGoerliに対応していないためです。内容についてはAlchemy DocumentationのHow to Create an NFT Tutorialチュートリアルをベースにしています。この記事の関連リソースを下記に示します。
秘密鍵の作成
コントラクトをデプロイするためには秘密鍵が必要になりますが、普段使っているアカウントの秘密鍵を使うのは危険なのでテスト用のアカウントを作成します。
Mumbaiにスマートコントラクトをデプロイする方法の記事の秘密鍵の作成セクションを参考にして秘密鍵を作成します。
RinkebyETHの入手
Rinkeby FaucetのページにアクセスしてウォレットのアドレスをクリックしてからSend Me ETHボタンをクリックします。
1〜2分後にMetaMaskで残高が増えていることを確認できます。なお、2022年8月12日時点では0.1RinkebyETHをもらえました。
参考画像
Appの作成
Alchemyのアカウントをお持ちでない場合はSignupページからユーザー登録を行います。
Alchemyのダッシュボードにアクセスしてページ右上のCREATE APPボタンをクリックします。
Create Appモーダルが表示されたら、下記の内容を入力してからCREATE APPボタンをクリックします。
- NAME (例: rinkeby)
- DESCRIPTION (空欄)
- CHAIN: Ethereum
- NETWORK: Rinkeby
Appが作成されたらVIEW KEYボタンをクリックします。
HTTPSエンドポイントのURLを後の手順のために控えます。この際、Copyボタンを使うと便利です。
参考画像
コーディングの準備
ターミナルで下記のコマンドを実行してコーディングの準備をします。
mkdir how-to-mint-erc721-token
cd how-to-mint-erc721-token
mkdir contracts scripts
touch contracts/SusukidaNFT.sol scripts/deploy.js scripts/mint.js .env hardhat.config.js
npm init -y
npm install --save @openzeppelin/contracts
npm install --save-dev @nomiclabs/hardhat-ethers dotenv ethers hardhat
コーディング
エディタで下記のファイルを開いて内容を入力します。
contracts/SusukidaNFT.sol
hardhat.config.js
scripts/deploy.js
scripts/mint.js
.env
下記4点を入力します。
- API_URL: 先の手順で控えたAlchemyのHTTPSエンドポイントのURL
- PRIVATE_KEY: 先の手順で作成した秘密鍵
- CONTRACT_ADDRESS: 空欄
- TOKEN_URI: 空欄
例を下記に示します。
なお、上記の例ではETHERSCAN_API_KEYが含まれていますがこの記事の作業手順では不要です。
コントラクトのコンパイル
下記のコマンドを実行してスマートコントラクトをコンパイルします。
npx hardhat compile
実行結果を下記に示します。
Compiled 1 Solidity file successfully
コントラクトのデプロイ
下記のコマンドを実行してスマートコントラクトをデプロイします。
npx hardhat run scripts/deploy.js
実行結果の例を下記に示します。
Contract deployed to address: 0xfb9a9A91Bd6Db714a9b9Cd1c2514f8Cec163876A
https://rinkeby.etherscan.io/address/0xfb9a9A91Bd6Db714a9b9Cd1c2514f8Cec163876A
デプロイされたスマートコントラクトのアドレスを.envのCONTRACT_ADDRESSにコピー&ペーストします。
メタデータの登録
Pinataのアカウントをお持ちでない場合はSignupページからユーザー登録を行います。
PinataのPinmanagerページにアクセスします。
UploadボタンをクリックしてNFTの画像ファイルとメタデータJSONファイルをアップロードします。例を下記に示します。
メタデータのimageには下記のURLを指定します。
https://gateway.pinata.cloud/ipfs/(画像ファイルのCID)
メタデータのURLを.envのTOKEN_URIにコピー&ペーストします。
参考画像
NFTの発行
下記のコマンドを実行してNFTを発行します。
npx hardhat run scripts/mint.js
実行結果を下記に示します。
https://rinkeby.etherscan.io/tx/0x14d05e7820577bb2b6f2f32b22e046f60739858be29f3727fec1dddf5f01dd33
動作確認
下記のURLにアクセスしてOpenSeaのアセットページを表示します。
https://testnets.opensea.io/assets/rinkeby/(スマートコントラクトのアドレス)/1
発行したNFTが表示されることを確認します。
参考画像
おわりに
OpenSeaのドキュメントにもCreating your first NFT smart contractという同様のチュートリアルがあり、こちらの方がHardhatの使い方が洗練されているように見受けられるので復習する時はOpenSeaのチュートリアルに取り組んでみようと思います。
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