RubyKaigi未参加/初参加の人に届けたい。初参加者の恥丸出しレポート【RubyKaigi2024】
Ruby歴3年程度のエンジニアである僕が、RubyKaigi2024に初参加してきました。
そこで感じたこと、経験したことをレポートとしてまとめていきたいと思います。
※この記事ではあまりテクニカルな内容は話しません(話せません)。
自らの無知をさらけ出しつつ、恥丸出しで行きます。
まず簡単に自身のステータスを紹介
- 前述の通り、Ruby歴は3年程度
- エンジニア歴としては7~8年程度
- Webアプリ開発者で、基本的にFWにお世話になってきました。
- RubyKaigi参加のキッカケは、所属会社がブースを出すということで社内で参加者を募っていた。
- 技術に対してのモチベが最近上がっていたこともあり、カンファレンス参戦に興味が湧いてきていた。
- 良い機会だと思って、手を挙げてみた。
沖縄行ったこと無いから観光も兼ねて行ってみたかった
セッション視聴の感想
この人達は何を話しているんだ...?
まず見出しのとおりですが、本当に内容が難しくて理解が出来ませんでした。
おそらく理解できた内容としては10%?むしろ1桁かもしれません。
全体を通して感じたのが、 "Rubyをどうやってより良くしていくか?" を主軸に置いているという点です。
僕は完全に勘違いしていました。
事前にRubyKaigiのことを調べず、勝手な思い込みで "Rubyをどう扱って良い開発をするか?" というハック的な内容だったり、経験を語るようなものが主軸のカンファレンスだと思っていましたが、基本的にそういったものはありませんでした。
- Rubyを使ってSNESを動かしてみた
- Rubyでラジコンを動かしてみた
- Ruby3.3, 3.4でどういう改善を加えたか。
よく聞いた単語は、"パーサー" です。
他には Bison
, Lrama
, parse.y
, mruby
, cruby
etc...
褒め言葉と受け止めてほしいのですが、本当に変態的でクレイジーなセッションばかりでした。
セッションを視聴していると、度々ドッ!!と笑いが起きます。
もちろん分かりやすい部分では自分も一緒に笑うことが出来たのですが、半分以上は笑うことが出来ませんでした。
そりゃそうです、自分が話を全く理解できていなかったからですね。
視聴したセッションの感想を社内Slackで投稿する必要があったため、一応メモは残しましたが酷いものでした。
改めて見返しても酷いですね。本当に酷い。一切理解出来ていない。
というように、基本的にほとんどのセッションは理解することができず、本当に悔しい思いをしました。
そんな自分の唯一の救い
RubyKaigi終了後の僕の検索内容がこちらです。
しかし「Ruby わからん」系で調べてみると、良い意味で「わからん」と言っている人ばかりで、ネガティブな「わからん」を投稿している人を見つけられませんでした。
正直不思議な気持ちです。
僕はものすごくネガティブに感じていて、エンジニアとして自信を無くしている人も少なくないのでは?と予想していました。
もう少し掘って調べてみると、STORESさんのProduct Blogを発見しました。
一部引用させていただきます。
RubyKaigiってRubyを開発している人のカンファレンスで、Rubyについてのカンファレンスなんですよ。Rubyを使ってどうとかいうのよりも、Ruby本体をどう作るかにフォーカスがあるので、プログラミング言語の最新機能とか最新の実装って作ってる人しかわからない人が多いんですよ。だからこそ新しく入るわけで、なので、どれを聞いてもついていけないとか、全部わかる人がいないっていうのはある種カンファレンスとしても狙っているところだと思うんですよね。わからなくていいのだろうかっていう引け目を感じることは一切必要なくて、こんなにわからないことがわかったみたいな、わからないジャンルを知ること自体がもはや成果だと思います。
セッションを聞いていると、会場での笑いのタイミングが合わなかったり、Xで検索しても「面白かった」という感想ばかりを目にし、正直自分の技術力の無さに落ち込んでいました。
が、この記事をキッカケに「分からない人は自分だけじゃなかったんだ」ということを知ることが出来ました。
むしろその "分からない" という気持ちを自覚することで、もっとRubyは奥が深い、もっと楽しめるということを知り、知的好奇心をくすぐられることも良い体験なんだ、と思えるようになりました。
事実、今回の参加をキッカケに金子さんのブログを検索して見ちゃっています。
今まで知りもしなかった技術について実際に調べている自分がいたので、これはむしろ良い効果が出ていると捉えるべきかもしれません。
後悔していること
とはいえ、「もっと楽しめたんじゃないか?」と思う部分はあります。
後悔していることは3つあるので、一つずつ紹介させてください。
RubyKaigi参戦を検討/予定している人はこの内容を参考に、同じ轍を踏まずに楽しんでもらえると嬉しいです。
1. RubyKaigiについて一切調べていなかったこと
これは当たり前ですね。むしろ一切調べずによく参加したなと、本当にお恥ずかしい限りです。
RubyKaigiの公式サイトでも事前にどういうセッションがあるか?のスケジュールが公開されています。
その中から分からない単語があれば一度調べてみて、概要だけでも把握しているだけでも理解度は違ったのかなと反省しています。
何も事前知識がないままだと、まずどういうものなのかを把握するところから始まってしまうため、予め可能な範囲で予習は必要だと感じました。
2. RubyKaigi事前勉強会に参加していなかったこと
事前知識がないという話を1つ目でしましたが、それを埋めてくれるために事前勉強会を開催してくれているようです。
そもそも勉強会が存在する事も知らなかったので、"事前に調べて行っておけば良かった..." と反省しています。
参加者にはRubyKaigi自体に知見がある人も多いでしょうし、松田明さんのような方がゲストで来てくれるというありがたい機会もあったりと、最大限楽しむための知識や経験はたくさん得られたと思います。
また、「あ、先日勉強会にいらっしゃった〇〇さん!」みたいな、Rubyistの繋がりも生まれるかもしれないので、そういった意味でも絶対に参加しておくべきだったなと猛省です。
3. 英語能力が低いこと
これについては大変共感してもらえると思います。
というのも、XでRubyKaigiを検索すると「もっと英語を勉強しておけば良かった」「英語をやり直さねば」というように、英語力についての投稿が結構見られます。
RubyKaigiでは世界中から参加者を募っています。
そのため、日本開催ではあるものの半分以上は英語によるセッションでした。
僕は英語に全く自信がなかったので、"興味関心があるセッションだから視聴した" というより、 "日本語セッションだから視聴した" ということが多かったです。
唯一英語セッションでも視聴したのは松本宗太郎さんの「Embedding it into Ruby code」ぐらいでしょうか(RBSめちゃくちゃ興味あった...)
英語能力が低いだけで、RubyKaigiで視聴可能なセッションは半分以上減ってしまいます。
またスライドは日本語セッションでもフル英語なので、その点でも圧倒的に損をしています。
そもそも技術関連の公式ドキュメントは英語で書かれていることが一般的ですし、色々な面から考えてみても英語能力を身につけるのは必須かもと考えさせられました。
得れたもの
1. 技術力向上に対するモチベーションが上がったこと
主にLTパートですが、「Rubyを使って開発をしていて課題を感じた点があったので、Gemを開発してみました」「Gemをより便利に扱うために別のGem開発した結果、本体側に取り込まれました」という内容を視聴して「めちゃくちゃかっこいい」と気持ちが高ぶりました。
"Rubyを使ってデザインを作り、Ruby自体を楽しもう" というLTでは、業務的な面でプログラミングと向き合うことが多い中、 "純粋にプログラミング自体を自分のために楽しもう" というメッセージを受け取ることができて、自分の趣味を楽しむように、もっとカジュアルに技術に向き合っても良いのかもと思えるようになりました。
2. Rubyを扱うエンジニアとしての自信がより強くなったこと
Rubyが今後もより高速化し、より開発体験が良くなっていくことを感じるセッションが多かったです。
"Rubyは死んだ", "Rubyは遅い" のような話を見聞きすることもありますが、全くそんなことはなく、Ruby3.3で十分高速でRuby3.4では更に高速になるという話もありました。
年々進化しているRubyはこれからもプログラミング言語の中では第一線を走っていくことを強く感じました。
自分はRubyを利用するエンジニアとして、これからもその技術を追求して行くことで市場価値を高めていけることも同時に感じることが出来たので、自信を持ってRubyを扱っていこうと思いました。
3. 自分の立ち位置や今後のキャリアについて改めて向き合うことができたこと
これはある種諦めにも捉えられるかもしれませんが、僕自身は前向きです。
本当に上には上がいました。というより、会場にいた人全員が自分より上だと感じました。
それは単に技術力だけで図るものではなく、その技術に対する興味関心のモチベも含め、総合的に見て自分は劣っていると感じました。
多くのセッションを視聴させていただき、興味深い内容も有りましたが、自分がそれらOSSのコミッターとして活躍するイメージは浮かばなかったです。(当然憧れはありますが...)
そういった意味でも、自分は技術力特化タイプではないかもしれないということを自覚出来ましたし、どちらかというとプロダクトをどう開発するかの方に興味が強いことを再認識できました。
今まで自分が関わってこなかった世界を目の当たりにし、良い意味でも悪い意味でも価値観がぶっ壊され、内省できる機会を得ることができた貴重な場だったと感じています。
終わりに
STORESさんのブログを見るまでは正直自信喪失状態でしたが...
帰りの飛行機の中で記事を発見し、それを読んだ結果気持ちが切り替わって、そのままこのレポートを書き始めて今に至ります。
未参加の方には事前にこのレポートを読んだうえで参加してもらいたいですし、初参加で僕と同じ気持ちに陥った人がいれば、「分からなくて良いんだ、分からないことをすることが出来たから良かったんだ」と前向きに受け止められるようになってくれていれば本望です。
総括すると、RubyKaigiに参加して大満足です!
今回の反省を活かして、来年も参加してみたいと思いました!
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