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8月のNew Relicのニュースまとめ

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はじめに

New Relicは、オブザーバビリティプラットフォームの機能強化を継続的に行っています。2025年8月には、メトリクスの管理、データ分析の精度、そしてワークフローの統合という、オブザーバビリティのコアな側面を強化する重要なアップデートがいくつか発表されました。
https://docs.newrelic.com/whats-new/

本記事では、これらの主要アップデートを新しいものから順に深掘りし、それぞれが開発者やSREにどのようなメリットをもたらすのかを解説します。

1. データ管理を最適化する「カーディナリティ制御 (Cardinality controls)」

アップデート日: 2025年8月26日

New Relicは、メトリクス管理において非常に重要な要素である「カーディナリティ」について、柔軟な制御機能を提供開始しました。従来の無料プランでは1,500万というメトリクスカーディナリティの上限がありましたが、この新機能により、顧客は追加でカーディナリティを購入できるようになります。

この機能がもたらすメリットは以下の通りです。

コスト効率の向上: 高カーディナリティなメトリクス(例: コンテナのIDや特定のユーザーIDをタグに持つメトリクス)を柔軟に管理できるようになり、不要なコスト増を抑えつつ、詳細な分析が可能になります。

スケールアウトの柔軟性: 大規模なマイクロサービス環境や、大量のユニークなメトリクスを生成するアプリケーションでも、New Relicをスケールに合わせた形で利用できます。アカウントごとの上限は最大2億まで拡張可能で、エンタープライズレベルのニーズに対応します。

※カーディナリティとはメトリクス(Metrics)に付与されるタグやラベルの組み合わせの種類の数を指します。

https://docs.newrelic.com/whats-new/2025/08/whats-new-08-26-cardinality-control/

2. 分析の精度を高める「UniqueCountの高精度モード」

アップデート日: 2025年8月13日

New Relic Query Language (NRQL) で利用できる集計関数uniqueCount()に、「高精度モード」と「引数の増加サポート」が一般提供を開始しました。

この機能がもたらすメリットは以下の通りです。

より正確なデータ分析: uniqueCount()は、例えば「過去1時間でウェブサイトを訪問したユニークユーザー数」や「特定のエラーに遭遇したユニークなセッション数」などを数える際に使用されます。高精度モードの導入により、この集計結果がより正確になり、ビジネス上の意思決定やサービスの健全性評価の信頼性が向上します。

クエリの柔軟性向上: これまでよりも多くの引数をuniqueCount()関数に渡せるようになったことで、より複雑で詳細なデータ分析が1つのクエリで完結できるようになります。

※New Relicには、NRQL (New Relic Query Language) という独自のクエリ言語があります。

https://docs.newrelic.com/whats-new/2025/08/whats-new-8-13-high-precision-uniquecount/

3. ワークフローを効率化する「Errors InboxのWorkloadsへの統合」

アップデート日: 2025年8月6日

エラー管理ツールである「Errors Inbox」が、複数のサービスやアプリケーションを一元管理する機能「Workloads」に統合されました。

この機能がもたらすメリットは以下の通りです。

コンテキストの統一: これまで独立していたエラー情報が、関連するサービスやチームのコンテキスト(Workloads)の中に表示されるようになります。これにより、複数のマイクロサービスにまたがるエラーも、関連するサービス群と合わせて一括で確認・分析することが可能になります。

迅速なトラブルシューティング: エラー発生時に、Workloadsのダッシュボードから直接Errors Inboxにアクセスできるため、エラーの原因特定や影響範囲の調査にかかる時間が短縮されます。

※Errors Inbox: New Relicプラットフォーム全体で発生したエラーを一元的に管理し、トリアージを行うための機能です。
※Workloads: 複数のサービスやエンティティ(アプリケーション、ホストなど)を、ビジネス上の単位やチームの責任範囲に応じてグループ化し、一元的なビューで監視するための機能です。

https://docs.newrelic.com/whats-new/2025/08/whats-new-08-06-workloads-errors-inbox/

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