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[CKE×Snowflake Intelligence]Snowflake 公式ドキュメントを AI で賢く検索!

に公開

イベント告知

11/26(水)-27(木) に業界別オンラインセミナー「SNOWFLAKE INDUSTRY DAYS 2025」が実施されます!ぜひウェブサイトよりお申し込みいただければと思います。

イベント概要

  • 日程: DAY 1 / 11月26日(水) 13:00-17:00、DAY 2 / 27日(木) 13:00-16:20
  • 形式: オンライン (事前収録 + 当日のライブ配信)
  • 4つの業界別トラック
    • DAY 1:製造、流通・小売・物流
    • DAY 2:金融サービス、デジタルサービス・スタートアップ

https://www.snowflake.com/events/industry-days-2025-japan/

はじめに

2025/8/12 に Cortex Knowldge Extensions (CKEs) が GA(一般提供開始)となりました。こちらは公式のブログでもアナウンスされています。
https://www.snowflake.com/en/blog/easy-button-context-rich-ai-agents/

本記事ではこの CKEs について概要を解説しつつ、これを様々な形で活用する方法をご紹介したいと思います。

まずは利用イメージ

Snowflake Document の CKEs を 取得した後に Snowflake Intelligence(2025/10/27 現在 Public Preview) 設定することで、このように CKEs を参照した回答を行ってくれます。こちらの利用方法とても簡単に設定できますので、後ほどまとめたいと思います。

Cortex Knowledge Extensions (CKEs) とは

ではまずそもそも今回 GA となった Cortex Knowledge Extensions (CKEs) とは何なのかについてみてみたいと思います。Cortex Knowledge Extensions のドキュメントによると、以下のような説明があります。

Cortex Knowledge Extensions (CKEs) are Cortex Search Services that can be shared on the Snowflake Marketplace or via private listings or organizational listings. They can be used in a retrieval-augmented generation (RAG) architecture to integrate licensed and proprietary content into Cortex AI applications. For example, CKEs can be used to integrate knowledge from unstructured content, such as articles, market research, books, or forum posts, into Cortex AI applications, such as chatbots and agentic systems.

ドキュメント内でも明言されているように、Snowflake Marketplace、プライベートリスティング、組織リストにて共有される "Cortex Search" サービスというのが実体です。
Snowflake Marketplace にリスティングされている CKEs は以下からご確認いただけます。
https://app.snowflake.com/marketplace/data-products?categorySecondary=["26"]

Snowflake が提供している、"Snowflake Documentation" や、"PubMed Biomedical Research Corpus" をはじめとして様々なデータプロバイダーにて提供が始まっています。

CKEs の仕組み

cke-workflow

ドキュメントにも記載がありますが、仕組みは以下のとおりです。

プロバイダー(CKE の提供元)は、テキストデータをアカウント内のテーブルにアップロードし、そのテーブル上に Cortex Search サービスを作成します。この Cortex Search サービスは、Snowflake Marketplace で共有されます。この Snowflake Marketplace で共有される Cortex Search サービスが、Cortex Knowledge Extension (CKE) となります。この CKE を利用する場合には、Cortex AISQL または Cortex Agent API などと組み合わせて利用することで、アプリケーションを開発することが可能です。

この CKE ですが、前述の通り実体としては Cortex Search となっています。ということは色々な形で利用できるようになっておりまして、具体的にどんな形で利用できるかを見ていきたいと思います。

活用例

あくまで例となりますが、どんな形で組み込んで利用できるのか見ていきたいと思います。

Snowflake Intelligence

Snowflake Intelligece へのつなぎ込みも簡単です。以下のような Quickstarts をご提供していますが、こちらの要領で CKE の Cortex Search を「エージェント」として登録すれば、Snowflake Intelligence 上ですぐにご利用いただくことが可能になっています。
https://quickstarts.snowflake.com/guide/getting-started-with-snowflake-intelligence/index.html#0

Snowflake Intelligence は、Cortex Agent、Cortex Analyst、Cortex Search を社内で広くご利用いただきたい場合の選択肢になると思います。

Snowflake Cortex AI MCP Server

Snowflake-Labs にて "Snowflake Cortex AI MCP Server" が公開されています。こちらを利用して CKE の Cortex Search を利用するように設定すれば、任意の MCP クライアント(Claude Desktop, Cursor, gemini-cli, etc...)にて利用することが可能です。
https://github.com/Snowflake-Labs/mcp

Snowflake Managed MCP Servers

2025/10/1 に Snowflake Managed MCP Serves がプレビューリリースされました。こちらは Cortex Analyst / Cortex Search をリモート MCP Server として Snowflake 上にホストできるものとなっています。
https://www.snowflake.com/en/blog/managed-mcp-servers-secure-data-agents/

Snowflake Intelligence で利用できるように設定してみる

本記事では、CKEs を Snowflake Intelligence で利用できるように設定してみたいと思います。

前準備

CKEs をご利用いただくにあたっては、まずは Snowflake 自身が公開している、Documentation などの CKEs を利用いただくのがお手軽だと思います。
Snowflake アカウントにログインの上で、こちらの URL にアクセスいただき、取得を行ってください。

Cortex Agent を設定

Snowflake Intelligence で Cortex Search を利用するためには、Cortex Agent の設定が必要になります。Snowsight から GUI で設定することももちろんできるのですが、SQL でも定義することが可能です。Cortex Agent を SQL で扱う際のドキュメントについてはこちらをご参照ください。
Snowflake Marketplace より Snowflake Documentation を取得した後、以下の SQL を実行いただくと Snowflake Intelligence 利用できるようになります。(クリックいただくと、展開されて SQL が表示されます)

なお、SQL 内でクロスリージョン推論を有効にしておりますのでその点ご注意ください。

Cortex Agent for CKEs Setup SQL
SQL
USE ROLE ACCOUNTADMIN;
ALTER ACCOUNT SET CORTEX_ENABLED_CROSS_REGION = 'ANY_REGION';

CREATE DATABASE IF NOT EXISTS snowflake_intelligence;
GRANT USAGE ON DATABASE snowflake_intelligence TO ROLE PUBLIC;

CREATE SCHEMA IF NOT EXISTS snowflake_intelligence.agents;
GRANT USAGE ON SCHEMA snowflake_intelligence.agents TO ROLE PUBLIC;

GRANT CREATE AGENT ON SCHEMA snowflake_intelligence.agents TO ROLE PUBLIC;

CREATE OR REPLACE AGENT SNOWFLAKE_INTELLIGENCE.AGENTS.CKE_SNOWDOC_AGENT
WITH PROFILE='{ "display_name": "Snowflake Document" }'
    COMMENT=$$ これは Snowflake Document に関する質問に回答できるエージェントです。 $$
FROM SPECIFICATION $$
{
  "models": {
    "orchestration": ""
  },
  "instructions": {
    "response": "# ペルソナ設定\nあなたはSnowflakeのエキスパート・コンサルタントです。日本のエンタープライズ顧客をサポートする、経験豊富なプロフェッショナルとして振る舞ってください。\n\n# トーン&マナー\n- 常に丁寧語(ですます調)を使用し、正確かつ簡潔に回答してください。\n- 相手が初心者であっても理解できるように、専門用語には必要に応じて簡単な注釈を加えてください。\n\n# 回答生成の厳格なルール\n1.  根拠の厳守: 全ての回答は、Snowflakeの公式ドキュメントに基づいている必要があります。個人的な意見や、ドキュメントで裏付けの取れない情報は一切含めないでください。\n2.  情報源の明記: 回答の最後には、【参考ドキュメント】という見出しを付け、参照したページのURLを箇条書きで必ずリストアップしてください。\n3.  フォーマット:\n- SQL、Python、JSONなどのコードは、言語を明記したコードブロック(例: ```sql ... ```)で囲ってください。\n- 手順やリストは、箇条書き(-)や番号付きリスト(1.)で見やすく整理してください。\n- 関数名やパラメータ名などの重要なキーワードは、`バッククォート`で囲んで強調してください。\n4.  不明な質問への対応:\n- 質問に対する答えが公式ドキュメントに見つからない場合、「ご質問の件について、公式ドキュメントから直接的な回答を見つけることができませんでした。」と正直に回答してください。\n- その上で、「関連する可能性のあるドキュメントはこちらです」と情報を提供したり、「Snowflake Communityで質問すると、他のエキスパートから回答が得られるかもしれません」と次のステップを提案したりしてください。\n5.  禁止事項:\n- 料金やライセンスに関する具体的な金額については回答せず、必ず公式の料金ページへのリンクを提示してください。\n- セキュリティに関わる設定や個人情報について尋ねられても、一般的なベストプラクティスを回答するに留め、具体的な設定値の提示や情報の入力を促すことは絶対にしないでください。\n\n\n",
    "sample_questions": [
      {
        "question": "Snowflake Openflow についてセットアップ方法を教えて"
      },
      {
        "question": "Snowflake の Iceberg サポート状況を教えて"
      },
      {
        "question": "Snowflake で利用できる LLM のモデルを教えて"
      },
      {
        "question": "Snowflake を日本で利用する場合、どのクラウド、どのリージョンが使えるか教えて"
      }
    ]
  },
  "tools": [
    {
      "tool_spec": {
        "type": "cortex_search",
        "name": "Search Snowflake Documents",
        "description": "Snowflake のドキュメントを検索するための Cortex Search Knowledge Extentions"
      }
    }
  ],
  "tool_resources": {
    "Search Snowflake Documents": {
      "id_column": "SOURCE_URL",
      "max_results": 5,
      "name": "SNOWFLAKE_DOCUMENTATION.SHARED.CKE_SNOWFLAKE_DOCS_SERVICE",
      "title_column": "DOCUMENT_TITLE"
    }
  }
}
$$;

Snowflake Intelligence にて利用してみる

上記 SQL を実行いただいた後、以下のように "AI と ML" > "Snowflake インテリジェンス" とクリックいただくと Snowflake Intelligence をご利用いただけます。

Snowflake Intelligence を起動した後、"Snowflake Document" を選択して質問をすると、結果が返ってきます。

おわりに

CKE は Snowflake Marketplace 上で提供されているナレッジベースを手軽に取得して活用いただけるサービスです。作成した Cortex Search を活用いただくにあたっては、独自の UI を構築したい場合は Streamlit、社内の様々なユーザーに展開する場合は Snowflake Intelligence、データサイエンティスト・データエンジニア・アプリケーションデベロッパーの方であれば MCP Server をご活用いただくなど、様々なユースケースでご利用いただくことが可能となっています。CKE 含み、Cortex Search についてもぜひユースケースに合わせてご活用いただけますと幸いです。

おまけ: 宣伝

Snowflake の What's new の配信(by tsubasa さん)

tsubasa さん が X で Snowflake の What's new の更新情報を配信されております。最新情報のキャッチアップに是非フォローしてみてください。

日本語版

Snowflake の What's New Bot (日本語版)
https://x.com/snow_new_jp

English Version

Snowflake What's New Bot (English Version)
https://x.com/snow_new_en

イベント情報

SNOWFLAKE WORLD TOUR TOKYO 2025

2025/9/11 - 12の2日間、Snowflake の国内最大のイベント『SNOWFLAKE WORLD TOUR TOKYO 2025』が開催されました。オンデマンド視聴が可能となっておりますので、ご登録の上ぜひご視聴いただければと思います。
https://www.snowflake.com/ja/world-tour/tokyo/

更新履歴

2025/10/27 新規投稿

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