Open12
ひとりLean/Agileに小説を書く
従来採用してきた手法(時系列)
1. 思いつき型アプローチ 😅
- 概観
- Phase 1. 思いつく
- 唐突に、物語が、具体的なシーンの連続として包括的に、思いつく
- Phase 2. 文にする
- 思いついたものを、そのまま文章にする。
- [[DoD: 完成の定義]]
- 思いつきが全て文章になった段階で完成
- ※どこかで文章にならなければ、それは十分に思いついていなかった(十分に具体的ではなかった, 十分に包括的でなかった)ということで、未完成のまま停止する
- 思いつきが全て文章になった段階で完成
- [[DoD: 完成の定義]]
- 思いついたものを、そのまま文章にする。
- Phase 1. 思いつく
- 採用した状況
- 2019.08 1本目の掌編を書いたとき
- ※意図的に採用したわけではなく、ただ思いついただけ
- 2019.08 1本目の掌編を書いたとき
- この型の良さ
- 勢いで書ける。迷わない
- 思いもよらないものが書ける
- この型の課題
- Phase 1. に関する課題
- 物語の全てが思いつかない限り、何も書けない
- それでもいいとは思っている
- だが、プロではないなあとも思う
- ある1シーンや1つのモチーフを物語に膨らませていく技量があってこそのストーリーテラーという気もする
- 物語の全てが思いつかない限り、何も書けない
- Phase 2. に関する課題
- 文章にしている間に、最初の思いつきを忘れる/確信が持てなくなる
- ※5-10日程度で書けるものならこの限りではないのだが
- 手が止まった瞬間、なす術がない
- 思いついていなかったことになってしまう
- 現に、ノートに、途中で停止した草稿がたくさんある
- 書き上がったところで手が止まりやすい
-
- 書き直そう/upgradeしようという気になれない。
- 自分が書いたものというよりも、与えられたものなので。自分の手を入れようという気持ちになりにくい。
-
- 謎に向き合う羽目になる。
- 書かれているのはただの思いつきであり、意識下における意図とは紐づいていない。発展させるためには、無意識を掘っていったり、解釈して意義を見出したり、新しい方向性を見つけたりする必要がある。これにコストがかかる。初稿はあまりにもただの思いつきなので、とっかかりを見つけにくい。
-
- 文章にしている間に、最初の思いつきを忘れる/確信が持てなくなる
- 横断的な課題
- (思いつかない)
- Phase 1. に関する課題
2. ウォーターフォール型アプローチ ❌
- 概観
- Phase 1. ささやかに思いつく
- ある1シーンや1つのモチーフが、私の知らない物語を孕んでいそうな/私の知らない物語の一部であったかのような予感がする
- Phase 2. 発散する
- ありうる構成、またそれを満たしうる要素を全て列挙する
- Phase 3. 統合する/決定する
- 最も望ましい構成と要素を決定する
- Phase 4. 書く
- Phase 5. レビュー
- 出来上がったテクストが、当初決定した構成と要素に従っているか(十分に達成しているか)を確認する
- Phase 6. 改善する
- if 出来上がったテクストが、当初決定した構成と要素を十分に達成していれば、構成/要素の改善の余地を洗い出し、また決定する
- (Phase2, 3を繰り返す)
- 決定した構成と要素に従うよう、改稿する
- (Phase 4を繰り返す)
- if 出来上がったテクストが、当初決定した構成と要素を十分に達成していなければ、書き直す
- (Phase 4. に戻る)
- if 出来上がったテクストが、当初決定した構成と要素を十分に達成していないものの、より優れていれば、構成と要素を見直す
- (Phase 3. に戻る)
- if 出来上がったテクストが、当初決定した構成と要素を十分に達成していれば、構成/要素の改善の余地を洗い出し、また決定する
- Phase 1. ささやかに思いつく
- 採用した状況
- 2019.09 2本目の小説を書き始めたとき
- ※未完成
- ※意図的に採用したわけではなく、何も考えていなかった
- 2019.09 2本目の小説を書き始めたとき
- この型の良さ
- 理論上は、決めた通りに書けばいいので、楽に見える
- ※私の場合は異なる。一定数の人もそうだろう
- 理論上は、決めた通りに書けばいいので、楽に見える
- この型の課題
- Phase 1. に関する課題
- (思いつかない)
- Phase 2. に関する課題
- ありえないほど時間がかかる、というか終わらない
- 発散は無限にできてしまうので
- ありえないほど時間がかかる、というか終わらない
- Phase 3. に関する課題
- ありえないほど労力/精神的負担がかかる
- 発散していればいるほど、統合するのに困難を抱える
- ありえないほど労力/精神的負担がかかる
- Phase 4. に関する課題
- つまらないし、疲れる
- 事前に決めた通りに書かなければいけないので
- 事前に決められた要素が多いと肩の荷が重くて疲れる。少ないと判断で疲れる。
- 事前に決めた通りに書かなければいけないので
- 過去の自分(が下した決定)を信頼できない
- つまらないし、疲れる
- Phase 5. に関する課題
- やる気が出ない(ことがある)
- レビューの意義を確信できない(ことがある)。Phase 3. の段階で決めた構成/要素が、初稿を書き上げた際の自分には、従う価値のあるほどのものに思えない(ことがある)ので
- やる気が出ない(ことがある)
- Phase 6. に関する課題
- ifの分岐が多い。判断コストがかかる。
- 機能しない。ifの分岐の判断の根拠が、その時の自分の主観に大きく依存している。
- 横断的な課題
- 途中(任意のタイミング)で何か思いついてしまった/別のアイデアが湧いた場合、どうしたらいいか判断に困り、手が止まる。そしてこれは頻繁に起こる。1日に何回も起こる。
- 判断に困ったときに考えてしまうこと
- Phase 3. 決定する に戻るのか?
- 一旦このまま書き進めるのか?
- このアイデアを盛り込んだら、そもそも書かれるべき物語そのものが変質してしまうのに、今のversionを一応完遂させることに何の意味があるのか?
- 判断に困ったときに考えてしまうこと
- 途中(任意のタイミング)で何か思いついてしまった/別のアイデアが湧いた場合、どうしたらいいか判断に困り、手が止まる。そしてこれは頻繁に起こる。1日に何回も起こる。
- Phase 1. に関する課題
- 解釈
- ウォーターフォール型アプローチは「事前に全て洗い出して、終わったら実行すればいいじゃん」という前提に立っている
- この前提に大きな問題がある、無理がある。なぜなら
- 発散は無限にできてしまう。いつdoneにしていいかわからない。無限にコストがかかる
- 発散(要望, 要求, 要件を全て列挙すること)が十分にできることは絶対にない。絶対に後から追加, 変更が出てくる。
- 発散しすぎると、統合する/決定するのに無限にコストがかかる
- 自分が決めた構成/要素は、任意の時点の自分にとって従う意味がない。後の自分から見ると、前の自分は劣っているので。あるいは、自分は変化するので。
- この前提に大きな問題がある、無理がある。なぜなら
- ウォーターフォール型アプローチは「事前に全て洗い出して、終わったら実行すればいいじゃん」という前提に立っている
3. 初稿 アウトライン模倣型 + 改稿 ウォーターフォール型 アプローチ 😅
- 概観
- Phase 1. 模倣する作品を決める
- Phase 2. アウトラインに抽象化し、定める
- 作品の質を保ったまま、構成と要素に還元する
- 文体やその他一切を捨象するとも言える
- アウトラインの具体的イメージ
- 10-100くらいの(筋の切れ目ごとの)パーツの群
- 作品の質を保ったまま、構成と要素に還元する
- Phase 3. 模倣を制約にして、大喜利をして書き始める
- 制約
- アウトラインの冒頭から2-3個程度、パーツが指定する通りに書くこと
- 大喜利
- 筋を模倣する範囲で、一番面白そうなお話(人物, 設定)を書き始める
- 制約
- Phase 4. 書き上げるまで書き進める
- if 手が止まったら、Phase 2. で定めたアウトラインに従うか、それを基に新しい展開を考える
- Phase 5. レビュー
- アウトラインを抽出した元の作品と比べて、劣化していないかを確認する
- if 劣化していた場合
- 捨てる
- if 劣化していた場合
- アウトラインを抽出した元の作品と比べて、劣化していないかを確認する
- Phase 6. 改善する
-
- ウォーターフォール型アプローチ のPhase 2. 以降を行うことになる
-
- 採用した状況
- 2020.08 2本目の掌編を書き上げたとき
- ※ただ気づいて、試してみただけだが、存外うまくいった
- 2020.08 2本目の掌編を書き上げたとき
- この型の良さ
- ラク
- 自由度が低い
- と同時に、思いつきを盛り込む余地がある
- ラク
- この型の課題
- Phase 1. に関する課題
- (思いつかない)
- Phase 2. に関する課題
- 手が止まる瞬間がある
- e.g.
- 元作品において、筋としてみれば些細なある「部分」が、全体において重要な意味を持っている時に、捨象できない
- 元作品において、メタなラインが複数錯綜している時など、疲れる(遂行できない)
- e.g.
- 時間がかかる
- 元作品に長編や複雑な短編を選んでしまうと、無理
- 手が止まる瞬間がある
- Phase 3. に関する課題
- (思いつかない)
- Phase 4. に関する課題
- 手が止まることはある
- Phase 5. に関する課題
- (思いつかない)
- Phase 6. に関する課題
-
- ウォーターフォール型アプローチ のすべての課題がここで起こる
-
- 横断的な課題
- (思いつかない)
- Phase 1. に関する課題
- 解釈
- 初稿 アウトライン模倣型アプローチ は悪くない手段の1つ
- リバースエンジニアリング, 翻案, 換骨奪胎あたりは関連してそう(違うかも)
- 改稿 ウォーターフォール型 はやはりダメっぽいな
- 初稿 アウトライン模倣型アプローチ は悪くない手段の1つ
- ウォーターフォールのここがやばい!2024
- 以下再掲:
- ウォーターフォール型アプローチは「事前に全て洗い出して、終わったら実行すればいいじゃん」という前提に立っている
- この前提に大きな問題がある、無理がある。なぜなら
- 発散は無限にできてしまう。いつdoneにしていいかわからない。無限にコストがかかる
- 発散(要望, 要求, 要件を全て列挙すること)が十分にできることは絶対にない。絶対に後から追加, 変更が出てくる。
- 発散しすぎると、統合する/決定するのに無限にコストがかかる
- 自分が決めた構成/要素は、任意の時点の自分にとって従う意味がない。後の自分から見ると、前の自分は劣っているので。あるいは、自分は変化するので。
- この前提に大きな問題がある、無理がある。なぜなら
- ウォーターフォール型アプローチは「事前に全て洗い出して、終わったら実行すればいいじゃん」という前提に立っている
- ※昔から言われてるだろうけど
- 以下再掲:
LeanでAgileに行こう
Why [[Lean/リーン]]+[[Agile/アジャイル]]?
- Q. 発散(「こう書くと面白そう」「これ書くと面白そう」の列挙)をどう絞り込むか?どう終わらせるか?その中でどう実験的に書くか?
- A. 以下の掛け合わせ
- A1. 絞り込み方: 「絶対に盛り込む意味がある」要素だけを盛り込む
- 「面白いけど、検討の結果、反映されなかった」ことが後でわかる要素に関して、そもそも検討の時間をかけないようにする
- A2. 終わらせ方: 終わらせない。全体が「十分」になるまで無限に続ける。代わりに、1weekなどで区切りを設け、iterationを繰り返す。
- A3. 実験の仕方: 「試してみたい」ものを盛り込み、iterationに載せ、サッとcheapに書き上げて「良さげ」かを検証する。良さげ/掘ったら面白そうの判断はその時の自分を信じる。
- A1. 絞り込み方: 「絶対に盛り込む意味がある」要素だけを盛り込む
- A. 以下の掛け合わせ
- Q. 「書き始める前の自分と書き上げた自分では、判断や評価の基準が異なる」問題や、「絶対に途中で変えたい/追加したい要素が出てくる」問題をどう解決するか?
- A. 検討→実行、を細かく刻む。
- 自分n-1と自分nの差分を小さくする
- 思いつきは自分n+1に判断させる
- 今実行中に思いついたこと(追加, 変更)は、次の検討段階に載せれば良い
- A. 検討→実行、を細かく刻む。
- これってLeanとAgileの反映では?(言い過ぎかも)
- [[Lean/リーン]]
- 無駄を省く/時間を有効活用するために
- 小さなバッチでの実行
- 事前の大まかな計画とジャストインタイムの詳細な計画
- 事前の大まかな要求獲得とジャストインタイムでの要求の詳細化
- リリースを重視する
- 動かしてみないとわからない主義
- 無駄を省く/時間を有効活用するために
- [[Agile/アジャイル]]
- ユーザ目線で見た価値で全てを管理する
- ≒ まずリリースし、十分かどうかの判断は顧客(読者: 自分)に委ねる
- 柔軟で適応的に、激しい変化に対応するために
- 短いリリースサイクル
- ユーザ目線で見た価値で全てを管理する
- [[Lean/リーン]]
How [[Lean/リーン]]+[[Agile/アジャイル]]?
- ルール
- Cycle(e.g. 1week)内に完遂を確約(コミットメント)できるものだけを計画し、実行する
- Cycleの途中に思いついた任意のアイデアはすべて[[PB: プロダクトバックログ]]に積み直す
- Cycleごとに、物語を完結させることを最優先にする
- e.g.
- Cycle 1
- 彼はロンドンに行って、東京に帰ってきた。
- Cycle 2
- 彼はロンドンに行って、マグカップを得て、東京に帰ってきた。
- Cycle 3
- 彼はロンドンに行って、現地でキャリーケースを盗まれた。
- しかし彼は、マグカップを得て、携えて東京に帰ってきた。
- Cycle 1
- ※完結した物語でないと、評価が確定しないから
- e.g.
- 月曜にレビューと計画を行う。火曜から金曜に書く。土日は頭を冷やす(レビューのため)。
- Cycleごとにやること
- Cycleの開始時: レビューと計画 on DR(Decision Record)
- 前Cycleの成果物のレビュー
- ベロシティ・レビュー
- 手続きの達成度/ベロシティの確認
- 当初確約したこと([[DoD: 完成の定義]], [[AC: 受け入れ基準]])を達成しているか?どれだけ達成できたか?を、ドキュメントや前Cycleの[[PB: プロダクトバックログ]]と照らし合わせチェックする
- →達成していることもあるし、していないこともある
- 必要であれば、継続/改善のための[[プロダクトバックログアイテム]]を積む
- →達成していることもあるし、していないこともある
- クオリティ・レビュー
- 十分性/クオリティの確認
- 前Cycleの成果物は、クオリティ面で十分か?を、顧客(読者としての自分)が確認する
- →大抵、十分ではない
- 改善のための[[プロダクトバックログアイテム]]を積む
- →大抵、十分ではない
- ベロシティ・レビュー
- 次Cycleに向けて計画
- [[PB: プロダクトバックログ]]の剪定
- [[プロダクトバックログアイテム]]を、ready-to-doになるまで詳細化する
- Cycleに載せ、計画, [[DoD: 完成の定義]], [[AC: 受け入れ基準]]をfixし、[[Commitment/コミットメント]]する
- [[PB: プロダクトバックログ]]の剪定
- 前Cycleの成果物のレビュー
- Cycleの開始時: レビューと計画 on DR(Decision Record)
- {{[[TODO]]}} 他にない?
- 懸念/注意点
- [[Product vision/プロダクト・ビジョン]]の重要性
- [[[[Book]][[Radhika Dutt/ラディカ・ダット]]ラディカル・プロダクト・シンキング]]いわく、[[Lean/リーン]]にも[[Agile/アジャイル]]にも、ゴールを示す力は備わっていない
- [[Product vision/プロダクト・ビジョン]]の重要性
(Lean, Agile)の(1, 0)とか(0, 1)がわかってない
定義の理解が曖昧
1Cycle内で手応えが得られなかったチャレンジは、どんなに志高い高尚な取り組みでも、1週間で棄却する(よう促される)のもいい仕組みといえるかも
今までなら、平気で半年ドブに捨てたりしてた
Agileと言いつつ言及しているのがScrumな気もする(ScrumはAgileなので、論理的には誤っていないけど、最適な表現ではない)
[[Product vision/プロダクト・ビジョン]]はOrigin.md
内に、いつでも振り返れる形で書いておけばよいな。修正しないことを前提に。加筆はOKだが(書いてみて初めて、なんで書いてるのかわかる、というのはよくある)
Cycleあたりのベロシティを把握することで、次のCycleでできることの見積もりが正確になり、従って、コミットメントの信頼性も向上する
- Q. 30枚以下の物語しか書けない/それ以上になると途中で扱いきれなくなる 問題をどうするか?
- A. Lean+Agile 執筆 で、40枚以上の物語を扱えるようになるのでは?
Q. これを極力 紙, Outlinerで済ませ、VSCodeやWordはfixする時以外触らないようにするには?
(GitHub Issues+)Linearはなぜ使いにくいと感じるんだろうか?
アウトライナー内で完結させることは可能だろうか?
- Q. Ron Jeffriesが言う、XPが焦点を当てるような、「真の価値を迅速に提供する」「ストーリーを小さくスライスして、頻繁に価値をデリバリーする」は、小説, 評論, 論文においてどのように可能か?