Closed4
抄訳+整理 Tuomas Artman「Rethinking the startup MVP: Building a competitive product」
対象
ラフなまとめ
- ソフトウェアももうブルーオーシャンではないから、新しいプロダクトをリリースして事業化しようと思うなら、MVPも十分に洗練されていないと話にならないよね
- 「MVPなんだから、できるだけ作り込まず、自分で恥ずかしいと思うくらいのものをリリースしなきゃ」は昔の話だよね
Summary
- MVP開発に関する誤解と実情
誤解 | 現代の実情 | |
---|---|---|
対象 | MVPは、斬新なアイデアを扱う | MVPは、既存のアイデアの延長/周辺にあるアイデアを扱う |
性質 | MVPは「(あえて)洗練されていない」 | MVPは、既存のプロダクトよりも十分に優れている |
形態 | MVPは、リリースごとの成果物を指す | MVPは、プロダクトの継続的改善を行う活動を指す |
- Tuomas Artman の指摘する、MVPに関する誤解
- 著者
- MVP old
- 2010年代初頭において提示された
- 特徴
- 起業家/創業者自身に宿った、斬新なアイデアを起点とし
- できるだけ早く/速く
- できるだけ安く
- (あえて)洗練されていない成果物をリリースする
- cf.
-
自分がリリースしたものが恥ずかしくないなら、リリースが遅すぎる
- らいおんの隠れ家 : ポール・グレアム「新しいものを作る6つの原則」 - livedoor Blog(ブログ)
-
- cf.
- MVP today
- 一方、今日においては、既存プロダクトよりも十分に/実質的な意味で優れているMVPを作らなければ、アイデアが「いけそうか」を本当に試す(truly test the viability of any new idea)ことができない
- 大半の領域が飽和状態にある = 大抵のプロダクトには代替製品が既に存在する ため
- 特徴
- 既存プロダクトとの差別化/改善から着想し
- アイデアの斬新さではなく、アイデアの洗練を追求しているために、
- 今日、スタートアップにとって、MVPの主眼は
- 斬新なアイデア(a novel idea)を検証すること、ではなく
- 既存のアイデアに対する「最も優れた代替案(the highest quality competitor)」を実装するために、改善を速やかに繰り返すこと、である
- [目的]
- 既存のアイデアに対する「最も優れた代替案(the highest quality competitor)」を実装する
- [アプローチ]
- 改善を速やかに繰り返す
- [目的]
- 今日、スタートアップにとって、MVPの主眼は
- 初期ユーザーを惹きつける魅力的なプロダクトであり、
- 裏を返せば、かつてのMVPに比べて、リリースのハードルははるかに高く、
- 多くの/良質なフィードバックを得ることで、さらに洗練されていく
- 一方、今日においては、既存プロダクトよりも十分に/実質的な意味で優れているMVPを作らなければ、アイデアが「いけそうか」を本当に試す(truly test the viability of any new idea)ことができない
感想
- 原文/記事はわかりにくい
- 要は以下の2つの話をしている
-
- ソフトウェアの世界でも、事業の基本はマーケットインになりました
- プロダクトアウトが通用した、未成熟な時代は終わったよね
-
- 大抵の課題には既に対応するプロダクトがある上に、顧客の目も肥えたので、MVPに要求されるハードルは上がりました
- 素早くhackyなものを出せ!はもう通用しないよね
-
- 個人としては以下を改めて確認した
- 「大抵の課題には既に対応するプロダクトがある」ので、課題解決(アイデア)を持続的なものとする = 事業性を高めるには、以下の大半/全てが必須になるよなあ
-
- 資本力
-
- 組織/チームのアジリティ
-
- プロダクトの作り込み
-
- 裏を返すと、ソフトウェアの世界でさえ、スタートアップが大資本に勝てる見込みの高い時代は、もう終わりつつある(日本においてさえ)よなあ
- ラクに勝ちたければ、chaotic/未成熟なところに行くのが良さそう
- 「大抵の課題には既に対応するプロダクトがある」ので、課題解決(アイデア)を持続的なものとする = 事業性を高めるには、以下の大半/全てが必須になるよなあ
このスクラップは2024/02/29にクローズされました