【新G検定対策_実践編(第3回)】ディープラーニングとは?
はじめに
G検定の学習を進めている皆さん、第3回となる本記事では「ディープラーニング」をテーマに予想問題を通じてキーワードをより深く理解していただけます。問題を解くだけでなく、キーワードを一言でまとめたり、具体例を挙げて説明することで、アウトプットの力を養い、記憶の定着を図ります。
第1章ではディープラーニングに関する予想問題に挑戦していただきます。第2章で解答と解説を読み、理解を深めます。第3章ではキーワードを一言で言い表すレッスンを行い、第4章では具体例を挙げるレッスンをします。最後の第5章では、キーワードを構造化して記憶に定着させるレッスンを行います。
これらのレッスンを通じて、1つの問題を解くことで10問分の価値があると考えています。ぜひ、3つの問題を通じて「ディープラーニング」のキーワードを深く理解し、G検定合格への一歩を踏み出してください。
1. 予想問題
1.1. 問題1
問題文
- 機械学習において、過学習を防ぐために用いられる正則化手法として、「パラメータの大きさに応じて罰則を与え、全てのパラメータを小さくする」効果がある(X)と、「一部のパラメータをゼロにし、モデルのスパース性を高める」効果がある(Y)がある。XとYに当てはまる組み合わせとして、最も適切な選択肢を1つ選べ。
選択肢
- (A) X. リッジ回帰、Y. ラッソ回帰
- (B) X. ラッソ回帰、Y. リッジ回帰
- (C) X. ロジスティック回帰、Y. リッジ回帰
- (D) X. リッジ回帰、Y. ロジスティック回帰
1.2. 問題2
問題文
- ニューラルネットワークの学習において、出力層から入力層へ誤差を逆伝播させて各パラメータを更新するアルゴリズムはどれか。最も適切な選択肢を1つ選べ。
選択肢
- (A) 勾配降下法
- (B) 誤差逆伝播法
- (C) 確率的勾配降下法
- (D) モーメンタム法
1.3. 問題3
問題文
- ニューラルネットワークにおいて、入力値が0以下の場合は0を出力し、0より大きい場合はその値をそのまま出力する活性化関数はどれか。最も適切な選択肢を1つ選べ。
選択肢
- (A) シグモイド関数
- (B) ReLU関数
- (C) タンハ関数
- (D) ソフトマックス関数
2. 解答と解説
2.1. 問題1
解答
- (A) X. リッジ回帰、Y. ラッソ回帰
解説
正答理由((A) X. リッジ回帰、Y. ラッソ回帰)
リッジ回帰は、二乗ノルム(L2正則化)を用いて全てのパラメータに罰則を与え、パラメータの大きさを小さくすることで過学習を防ぎます。これにより、パラメータが極端に大きくなるのを防ぎ、モデルの複雑さを抑制します。一方、ラッソ回帰は、絶対値ノルム(L1正則化)を用いて、一部のパラメータをゼロにする効果があります。これにより、重要でない特徴量を自動的に除去し、モデルのスパース性を高めます。したがって、Xに当てはまるのはリッジ回帰、Yに当てはまるのはラッソ回帰となります。
誤答理由
- (B) X. ラッソ回帰、Y. リッジ回帰
この選択肢は、リッジ回帰とラッソ回帰の効果を逆にしています。ラッソ回帰は一部のパラメータをゼロにし、特徴選択の効果がありますが、リッジ回帰は全てのパラメータを小さくする効果があります。このため、XとYの効果が逆になっており、不適切です。
- (C) X. ロジスティック回帰、Y. リッジ回帰
ロジスティック回帰は分類問題に用いられる回帰手法であり、正則化手法ではありません。リッジ回帰は正則化手法ですが、Xの説明に合致しません。この組み合わせは不適切です。
- (D) X. リッジ回帰、Y. ロジスティック回帰
同様に、Yにロジスティック回帰が入るのは不適切です。ロジスティック回帰は分類モデルであり、正則化による特徴選択の効果は持ちません。
2.2. 問題2
解答
- (B) 誤差逆伝播法
解説
正答理由((B) 誤差逆伝播法)
誤差逆伝播法(バックプロパゲーション)は、ニューラルネットワークの学習アルゴリズムであり、出力層から入力層へ誤差を逆伝播させて各パラメータ(重みとバイアス)を更新します。これにより、ネットワーク全体の誤差を最小化する方向にパラメータを調整し、モデルの精度を高めます。
誤答理由
- (A) 勾配降下法
勾配降下法は、目的関数の勾配を用いてパラメータを更新する最適化手法ですが、誤差を逆伝播させる具体的なアルゴリズムではありません。ニューラルネットワークにおけるパラメータ更新の基本的な考え方ですが、誤差逆伝播法とは区別されます。
- (C) 確率的勾配降下法
確率的勾配降下法(SGD)は、データをランダムに選択して勾配降下法を適用する手法です。バッチサイズを1とすることで計算効率を高めますが、誤差を逆伝播させるアルゴリズムそのものではありません。
- (D) モーメンタム法
モーメンタム法は、勾配降下法において過去の勾配情報を考慮してパラメータ更新を行う手法です。学習の安定性や収束速度を改善しますが、誤差逆伝播法そのものではありません。
2.3. 問題3
解答
- (B) ReLU関数
解説
正答理由((B) ReLU関数)
ReLU関数(Rectified Linear Unit)は、入力値が0以下の場合は0を出力し、0より大きい場合はそのままの値を出力する活性化関数です。この性質により、計算が簡単で勾配消失問題を緩和できるため、深層学習で広く使用されています。
誤答理由
- (A) シグモイド関数
シグモイド関数は、入力値を(0, 1)の範囲に圧縮する活性化関数であり、負の入力値でも出力は0に近い正の値を取ります。しかし、シグモイド関数は入力値そのものを出力することはなく、問題文の説明に当てはまりません。
- (C) タンハ関数
タンハ(双曲線正接)関数は、出力が(-1, 1)の範囲を取る活性化関数です。負の入力値に対しても負の出力値を持ちますが、入力値そのものを出力するわけではありません。
- (D) ソフトマックス関数
ソフトマックス関数は、複数の出力値を確率分布に変換するための活性化関数であり、主に分類問題の出力層で使用されます。個々の入力値に対してそのままの値や0を出力するものではなく、問題文の説明には該当しません。
3. レッスン1(一言で言う)
3.1.
-
正則化手法(リッジ回帰とラッソ回帰)
- 過学習を防ぐためにモデルのパラメータに罰則を与える手法。
3.2.
-
誤差逆伝播法(バックプロパゲーション)
- ニューラルネットワークで誤差を出力層から入力層へ逆伝播させてパラメータを更新するアルゴリズム。
3.3.
-
活性化関数(ReLU関数)
- 入力が正のときはそのまま出力し、負のときは0を出力する関数。
4. レッスン2(具体例を言う)
4.1.
-
正則化手法の具体例
- リッジ回帰(L2正則化):住宅価格予測モデルで、全ての説明変数の係数を小さく抑えることで、モデルの複雑さを制御し、未知のデータに対する予測精度を向上。
- ラッソ回帰(L1正則化):テキストデータの感情分析で、大量の特徴量から重要な単語を自動的に選択し、モデルを簡潔にする。
- Elastic Net回帰:リッジ回帰とラッソ回帰を組み合わせた手法で、遺伝子データ解析において、高次元データから関連性の高い遺伝子を特定しつつ、モデルの安定性を確保。
4.2.
-
誤差逆伝播法の具体例
- 画像認識モデルの学習:手書き数字の認識において、出力と正解ラベルの差を逆伝播させ、ニューラルネットワークの重みを更新して認識精度を高める。
- 音声認識システムの訓練:音声データを入力し、テキストに変換するモデルで、誤差逆伝播法を用いてモデルのパラメータを調整し、認識率を向上。
- 自然言語処理の言語モデル:文章の次の単語を予測するタスクで、予測誤差を逆伝播させてモデルを学習し、文章生成の精度を上げる。
4.3.
-
活性化関数(ReLU関数)の具体例
- 深層畳み込みニューラルネットワーク(CNN):画像分類タスクで、各層の活性化関数にReLUを使用し、学習の効率化と勾配消失の防止を実現。
- 物体検出モデル(YOLOなど):リアルタイムの物体検出で、ReLUを活性化関数として採用し、高速かつ高精度な検出を可能にする。
- 生成的敵対ネットワーク(GAN):画像生成モデルの判別器にReLU関数を用いて、偽物と本物の画像を区別する能力を強化。
5. レッスン3(構造化して記憶する)
6. 参考記事(知識編)
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