Zotero + LaTeX 環境構築と各種使い方
海洋ロボコンをやってた人です。
今回はZotero + LaTeXの環境構築を備忘録として記載していきます。
論文投稿の話は知っている人が限られ、論文投稿する機会が少ないと情報収集は個人で行わなければならず、これといったまとめページもないので、まとめることにしました。
対称はJournalへ投稿し始める方、個人的にこのノウハウを伝えたい仲間に向けになりますので、参考にしていただければ幸いです。
サマリは以下です。
- Zoteroを使用した文献管理 (.bibファイル含む)
- LaTeX環境構築
- LaTeXのチップス
- 関連タスクのチップス
本記事に対するコメントも積極的に募集しますので、ご不明点等あれば、よろしくお願いいたします。
1. Zoteroでの文献管理
1.1 Zotero導入とDropbox同期
下記を参照し、ZoteroとDropBoxをインストールし、同期設定までを行います。
編集 > 設定 から、ZoteroとDropBoxの詳細環境設定も行うようにします。
私の設定内容は以下となっています。
1.2 Zoteroのアドオン追加
以下記載の通り、「ZotFile」と「Better BibTeX for Zotero」を追加します。
- ZotFile
添付ファイル管理のアドオンで、Zoteroアイテムへの添付を自動で行い、PDFの同期が可能です。
DropBoxで同期するために必要。
- Better BibTeX for Zotero
Webページから各種引用情報を取得し、.bibtexファイルへ書き出しが可能になるため、文献管理を効率化できます。
Wordで参考文献を手打ちしている時代からは解放されるため、誤記対策にもなりオススメです。
Zotero以外に、Mendeleyでも.bibファイル出力できるので機関版が使用可能な場合はMendeleyでも良いと思います。
以下、手順
・右クリック > 添付ファイルを追加する > リンクをファイルに添付する
・マイ・ライブラリ内のフォルダを右クリック > コレクションをエクスポート > Keep updatedにチェックを入れてOK
bibtexへ出力される内容を手動で修正する場合は「レイアウト > アイテムパネル」から修正できる
.bibファイルで保存した文献をLaTexで使用する場合、主に以下の2パターンをメインに使用すると思うので、その例も以下に示しておきます。
\citep{haoCourseControlManta2022} // (Hao et al., 2022)という全体()表記
\citet{haoCourseControlManta2022} // Hao et al. (2022)という年号のみ()表記
2. LaTeX環境構築
2024年、overleaf + vscode対応が可能になったようですが、複雑な文章を書く上ではLaTeXの方が装飾をしやすいと思っているため、こちらで環境構築を行います。
ちなみにLaTeXは英語圏だと「レィテックス」と呼ばれます。これ大事。
2.1 LaTeX導入
- Windowsの場合
Windowsの場合は、すでに先駆者が素晴らしい記事を執筆されているので以下を参考にTeX Liveをインストールし、設定を進めます。
- Ubuntuの場合
Ubuntuの場合は以下よりDLすれば使用できます。
sudo apt-get update
sudo apt-get install texlive-latex-extra -y
sudo apt-get install latexmk
latex --version
VScodeのプラグインとしてLaTeX Workshopもインストールしておきましょう。
- OverLeafの場合
以下を参考にするのも良いと思います(未着手です)
LaTeX – Full Tutorial for Beginners
2.2 LaTeX-Templateを入手する
環境構築が終わったら、実際にLaTeX環境を試してみましょう。
すでに使用するテンプレートがあればそちらで試してください。
手元で試せるテンプレートがない場合、OSSも公開されているのでテスト動作の確認まで進めておくと良いと思います。
必須ファイル
上記を例に、入手ファイルの内、以下5つのファイルがあれば、els-cas-templatesはビルドできます。
場合によってfigsやthumbnailsフォルダを活用してください。
bibtex.bib (*.bib)
cas-common.sty
cas-dc.cls
cas-model2-names.bst
manuscript.tex (*.tex)
3. LaTeX記述のチップス
以下、LaTeX記述する上で使用頻度の高い記述をチップスで殴り書きします。(不定期アップデート予定)
3.1 Section/SubSection
%============= 1. INTRODUCTION =============
\section{Introduction}
% Subsection 1.1
\subsection{Background}
3.2 Figure
- 1 Figure
% ===== Fig 1 ===== %
\begin{figure}[t] \label{fig:Fig1}
\centering
\resizebox*{10cm}{!}{\includegraphics{Fig1.jpg}}\hspace{5pt}
\caption{ROS 2 node interface.}
\end{figure}
- 2 figures (a), (b)
% ===== Fig 2 ===== %
\begin{figure}[t] \label{fig:Fig2}
\centering
\subfloat[ROS 2 node interface.]{% (a)
\resizebox*{7cm}{!}{\includegraphics{Fig1a.jpg}}}\hspace{5pt}
\subfloat[ROS 2 topic]{% (b)
\resizebox*{6cm}{!}{\includegraphics{Fig1b.jpg}}}
\caption{ROS 2 service}
\end{figure}
- 3 figures*
1Colomに全体表示するときに「*」を使用する。
4面表示例は下記。
% ===== Fig 1 ===== %
\begin{figure*}[t]
\begin{tabular}{cc}
\begin{minipage}[t]{0.5\hsize}
\centering
\includegraphics[keepaspectratio, scale=0.35]{Fig1a.jpg}
\subcaption{}
\label{fig:Fig1a}
\end{minipage} &
\begin{minipage}[t]{0.45\hsize}
\centering
\includegraphics[keepaspectratio, scale=0.6]{Fig1b.jpg}
\subcaption{}
\label{fig:Fig1b}
\end{minipage} \\
\begin{minipage}[t]{0.5\hsize}
\centering
\includegraphics[keepaspectratio, scale=0.57]{Fig1c.jpg}
\subcaption{}
\label{fig:Fig1c}
\end{minipage} &
\begin{minipage}[t]{0.45\hsize}
\centering
\includegraphics[keepaspectratio, scale=0.57]{Fig1d.jpg}
\subcaption{}
\label{fig:Fig1d}
\end{minipage}
\end{tabular}
\caption{The structure design. (a) The structure design. (b) Prototype. (c) Swimming mode. (d) Walking mode.}
\label{fig:Fig1}
\end{figure*}
3.3 Table
- Table
% ===== Table 1 ===== %
\begin{table}[t] \label{table:tbl1}
\tbl{Technical specifications of the xxx robot.}
{\begin{tabular}{lcc} \toprule
Items & Characteristics \\ \midrule
Length×Width×Height & xx m×xx m×xx m \\
Weight & xx \\
\end{tabular}}
\end{table}
- Table Vertical double line
\begin{table}[h]
\caption{An Example of a Table}
\label{table_example}
\begin{center}
\begin{tabular}{|c||c|}
\hline
One & Two\\
\hline
Three & Four\\
\hline
\end{tabular}
\end{center}
\end{table}
- Table Horizontal double line
\begin{table}[h]
\caption{An Example of a Table}
\label{table_example}
\begin{center}
\begin{tabular}{cc}
\hline
\hline
One & Two\\
\hline
Three & Four\\
\hline
\end{tabular}
\end{center}
\end{table}
\label でラベルを使用すると、以下のようにハイパーリンクを埋め込めます。
Figure \hyperref[fig:Fig2]{2} shows the ...
3.4 Equation
- Equation matrix
% ===== Equation (1) ===== %
\begin{equation}\label{eq:eq1}
\begin{aligned}
& ^{0}P_1 = \begin{bmatrix}
a_{11} & a_{12} & a_{13} & a_{14} \\
a_{21} & a_{22} & a_{23} & a_{24} \\
a_{31} & a_{32} & a_{33} & a_{34} \\
a_{41} & a_{42} & a_{43} & a_{44}
\end{bmatrix} \begin{bmatrix}
a_{11} & a_{12} & a_{13} & a_{14} \\
a_{21} & a_{22} & a_{23} & a_{24} \\
a_{31} & a_{32} & a_{33} & a_{34} \\
a_{41} & a_{42} & a_{43} & a_{44}
\end{bmatrix}\\
\end{aligned}
\end{equation}
- Equation aligned
% ===== Equation 2 ===== %
\begin{equation}\label{eq:eq2}
\begin{aligned}
&\theta_{1} = \omega_{1} t \\
&\theta_{2} = \omega_{2} t \\
\end{aligned}
\end{equation}
- Other-eq
以下で検索すれば、大体の数式は記述することができます。執筆された方、ありがとうございます。
3.5 bibliography
Tex関連のQ&Aはこちらで検索すると大体ヒットする。
IEEEtranの使い方はHow to use the IEEEtran.bst style?の通りで下記のように記載する。
Citation \cite{IEEEexample:techreptypeii}
\bibliographystyle{IEEEtran}
\bibliography{IEEEabrv,IEEEexample}
IEEEtran関連のチップスは下記
3.6 Author
筆頭著者、共著者、責任著者関連は下記を参考
責任著者は連絡が確実につく研究室の教授にすることが多い。
3.7 Revised
3.7.1 Revised Marker
以下を参考に、\Add, \Eraseを使用してRevisedの作成が可能です。
2回目以降はラベル名を\AddRevとか適当に変えれば、追加でSecond Revisedも可能です。
こちらも執筆された方、ありがとうございます。
3.7.2 Line Number
修正箇所の'Page, Ln'を提示するときに、行番号が分からないと指摘箇所を査読者へ伝えることができない。そのため、以下を追加すること。
\usepackage[pagewise]{lineno} %\ line number
\begin{document}
% TODO Line Number for Revised Point
\linenumbers
3.8 Error Handle
4. Related tasks
ここまで読み進めて頂いた読者ならご想像の通りのタスクになります。
置かれた環境でノウハウがない場合、一から情報収集するのは大変なので以下に関連タスクを記載しておきます。
- Cover Letter
以下を参考に、丁寧に作成します。
How to Write an Effective Cover Letter for Journal Submission | Example Cover Letter
- major revision
Rejectされなかったので、素晴らしいです。誇りをもってrevisionに挑みましょう。多くの学びを得られるチャンスなのですべての問いに対して的確にかつ端的に記述していきます。
ジャーナルから「major revision」と言われたら・・・どうする?
- Extend the Revision
期日を延長したいときに、メールを送ると対応してもらえることが多いので交渉する価値はあると思います。
交渉すれば、よほどのことがない限りExtendをapproveしてもらえます。
- Response to Reviewer
以下を参考に、Responseを記述していきます。
- How to Review
調べている途中に見つけたので、メモ書き。
- Words Limit Counter
Introductionに3500文字以内という制限などがある場合、適当な空ファイルをVS Code開き、対象Sectionをコピペ > Ctrl + Aで全選択すると、文字数を確認できるので便利です。
5. 投稿先審議
以下、投稿先について集めた情報も記載するので、こちらもご参考にしてください。
5.1. Journal
下記にRobotics系のJournal投稿先を記載します(独断と偏見あり)。
迷ったらここに出しておけば良いというところを経験則に基づいています。
- Advanced Robotics
「2024年度日本ロボット学会概況データ」より, 採択率は20%台と厳しめ。無料だがIFが低いの改善点とされているが、投稿先としての評価がかなり高い。
- IEEE系
言わずもがな。
- Science Robotics
他の候補としては下記を参照して選ぶのがBest。
他おすすめあればコメントでご教授いただけますと幸いです。
5.2. International Conference
下記有名どころ
-
The IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems (IROS)
-
IEEE International Conference on Robotics and Automation (ICRA)
-
IEEE International Conference on Automation Science and Engineering (CASE)
5.3. 注意すべき投稿先
逆に注意すべき投稿先として、以下を利用し投稿先がPredatory Journals: ハゲタカジャーナルでないことを確認してください。
続いて、以下に該当しないことも確認してください。
6. 投稿形式
- Full Paper
国際会議ならMax 6枚、Journalならxxx字と規定がある
- Short Paper
国際会議ならMax 4枚、Journalならxxx字と規定がある
- Work-in-Progress Papers(WIP)
進行中の論文 (WIP) により、著者は最新の結果を研究コミュニティと共有できる。
進行中の論文では、研究の完全性ではなく新規性に重点が置かれ、結果は別のセッションでポスター発表として発表される。
著者は、2 ページの拡張要約 (参考文献を含む) の形式で結果を共有するよう求められる。
Reference
Discussion