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論文執筆の作法に関するチップス

に公開

海洋ロボコンをやってた人です。

今回はゼミ、各学会、論文投稿の際に、英語論文を書くときの作法について経験談も踏まえてチップスを記載したいと思います。

背景として、このようなチップスは書籍や経験談からの情報収集であり、技術記事などでノウハウが得にくいと感じていました。
そのため、ラボ全体でベースの足並みを揃えたい、繰り返し伝えるよりも再編集可能な媒体で残しておきたいという経緯でまとめることにしました。

対象読者は、学会、論文投稿を始めて行う方を対象とします。

ベースの作法については、 東京大学 獣医病理学研究室 (中山先生) の資料が非常に勉強になりますので、こちらをまずは最優先してご確認をしてください。

なお、執筆者本人も記事投稿時(2025/10現在)は数編の投稿となり、私自身、誰かにしっかりと教わったことはありません。(口頭ベースでFBをもらう程度)
今までの経験談ベースとなりますので、至らぬ点があることをご了承ください。(図解も省略しています。)
ですので、修正点等あれば是非ご助言をいただければ幸いです。

以下箇条書きになりますが、よろしくお願いします。

作法一覧

学会誌、学術誌を書く上でのお作法を下記に記します。

Caption

Caption:見出しは以下のルールで書く。

  • FigureのCaptionは図の下
  • TableのCaptionは表の上

Abbreviation

Abbreviation:略語は文頭では正式な単語で、文中では略称で記述する。

  • 文頭:Figure 1 shows ...
  • 文中:... showed in Fig. 1 ...

文中に書く場合はFigureが略されて、Fig.となるということ。

Equation

  • 数式で出てくる記号は全て説明を文中で行う
  • 使用する値は文中での説明またはTableとして記載する

Notation

Notation: 表記法

  • スカラーは小文字の斜体
  • ベクトルは小文字の太字
  • 行列は大文字の太字
  • 三角関数は\sinとして数式表現

この辺は、使用する分野の数式によって例外も存在することを念頭に入れておくこと。

Text description

テキストでの説明について、下記を意識する。

  • Figureには基本的にTimes New Romanで説明し、矢印などを適宜入れる

Graph

  • グラフは二軸複合グラフで書くのが望ましい
  • 複数のグラフはMarkerやLine Styleを変更する

論文によって、下記のように紐づけを行う。

  • Figure・Tableにハイパーリンクを挿入し、文字クリックで対象の画像に遷移するようにする

Punctuation

句読点:Punctuation

  • カンマ.とピリオド,を使用する

Journalによるが、数式が文末で終わる場合はEquationの中に.を使用し、文中なら,を使用する場合もある。

Citation

Citation:引用は下記のルールのように記載し、MendeleyやZoteloなどBibtex形式で出力できると楽に引用ができる。

  • 文献の著者、タイトル、出版、年、ページ番を記載する
  • 引用は[1].のように句読点の前に書く
  • 一つの文中に[1][2][3]と連番で書く場合は[1-3]と書く

Additional

下記に、追加であると良いチップスをまとめました。

Comparison

比較表:Comparisonを使用して、主張の立ち位置を明確にする。

  • Introductionに、Proposed MethodとConventional Methodの比較図を追加
  • DiscussionにConventional Methodとその他比較項目を総称した比較表を追加

Workflow & Flowchart

読んで字のごとく。

  • システム全体のワークフローやフローチャート、ブロック線図を準備する

Snapshot

スナップショット:Snaphotのシリーズを追加する

  • 実機の動作画像を秒単位でまとめる

Statistical Analysis

定量分析として、下記の追加を検討する

  • RMSE, MSEなどの比較Tableを追加して定量評価する

line number

  • 原稿を提出するときは必ず行番号を表示してSubmitする

\linenumbersコマンドを\begin{document}下へ追記すれば良い。

ORCID ID

著者名の右隣にORCID IDを追記する

Limitation

提案手法でカバーできる範囲を明確にする。

  • 提案する手法での限界はどこか
  • 限界を超えて性能を求めるためには何が必要か

を記述するようにする。


以上、Likeいただけると大変励みになりますので、よろしくお願いいたします。

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